『ROCK IN JAPAN FES』にアイドル勢が大挙出演 バンド以外でも「勝ち上がり」の流れ進む?

 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014』の一部アーティストを除いたタイムテーブルが6月25日、発表された。

 今回から【DJ BOOTH】は【BUZZ STAGE】へと名称が変更し、これまで出演していたDJやアイドル、ヒップホップアクトの他に、ロックバンドなども同ステージに出演するようになった。また、『BUZZ SPECIAL』という、約1時間30分の持ち時間で複数のアイドル・シンガーソングライターが出演するコーナーも新たに設立。フェスのさらなる多角化が進む形となった。

 今回、同フェスが『BUZZ SPECIAL』のようなアイドル・シンガーソングライターの特集コーナーを作った意味とは一体何なのだろうか? リアルサウンドで『フェス文化論』を連載している音楽ライターの柴那典氏は、この動きについて、「ステージ転換のしやすさ」と「アイドルが勝ち上がる場としての設定」の2つが、理由として考えられると述べた。

「まず『BUZZ SPECIAL』の注目すべきポイントは、グループアイドル、ソロアイドル、そして女性シンガーソングライターを一つの枠の中で同列に扱っているところでしょう。かつてのROCK IN JAPAN FESTIVALでは、それはありえないことでした。去年の【DJ BOOTH】への女性アイドルグループの大量出演を経て、さらに路線が拡大したということがその背景にあると言えるでしょう。そして、このコーナーに出演するアクトの特徴としては『転換時間が短い』ということが挙げられます。バンドだとどうしてもセットチェンジに時間を要するのですが、バンドセットではないアイドルはすぐに出番を入れ替わることが可能なため、短い時間で複数のステージを見ることができるんです。そもそも、去年にアイドルの出演が注目を集めたことにより【DJ BOOTH】というステージ名称もそぐわなくなっており、これが【BUZZ STAGE】と『BUZZ SPECIAL』を作った理由のひとつなのではないでしょうか。また、去年は【DJ BOOTH】に出演していたでんぱ組.incは、今年は【SOUND OF FOREST】というより規模の大きなステージに、いわば昇格という形で2年連続出演を果たしました。このことにより、初出演時は小さいステージでも、人気の上昇と共にステージの規模が大きくなっていく“勝ち上がり”のような状況が、バンドだけではなくアイドル側でも可視化されました。つまり“アイドルグループが同フェスの中で勝ち上がる一つの道”として『BUZZ SPECIAL』が設立されたのではないかとも考えられます」

 さらに同氏は、このコーナーが設立されたことにより、同フェスでアイドルが勝ち上がる仕組みがより多彩なものになると語った。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる