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MAGUMI &THE BREATHLESS 新作『Demonstration』インタビュー(後編)

「いつも新しいものを探している」MAGUMIが語る自身の創作スタンスと、音楽シーンの今後

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 LA-PPISCHのボーカル&トランペットのMAGUMI率いる6人組バンド「MAGUMI&THE BREATHLESS」が5月14日にリリースするニューアルバム『Demonstration』。聞き手に音楽評論家の小野島大氏を迎えたMAGUMIへのインタビュー前編【MAGUMIが明かす“新しい音楽”の作り方「リズムとメロディがうまく混ざると極上のものになる」】に続き、後半では、パンクを出発点とする自身の創作スタンスから、現在の音楽シーンについてまで大いに語った。(編集部)

「プロでメシを食っていきたいとか、そういうのはなかった」

――作品、録音物に関するしっかりとした自覚が芽生えてきたのはいつごろなんですか。

MAGUMI:うーん、その質問からはずれるかもしれないんですけど、俺たちがアマチュアの時は、とにかくファースト・アルバムを作るのが目標だったんです。誰からも「ロックバンドなんてメシ食えないよ」って言われてた時代。どんなに売れてても、日本のロック・ファンは3万人しかいないから、それだけじゃ食っていけないよって、レコード会社からも言われてたんです。でも俺たちは、自分たちがずっと聴いてきたLP…アルバムを、とにかく1枚メジャーで出したかった。それが目標だった。プロでメシを食っていきたいとか、そういうのはなかったんです、最初から。それがたまたまうまく行ったから次の作品、また次の作品…って出せていけたんですけどね。

――なるほど。

MAGUMI:あのね、高校生ぐらいの時はパンクが好きで、すごく凝り固まってたんですよ。キーボードが入ってるだけでいやだったし(笑)、スペシャルズもリアルタイムで見てたんですけど、なんかスカスカの音で全然かっこいいと思えなかった。でも東京に出てきて大貫(憲章)さんの「ロンドン・ナイト」に行って、いろんなものを知って一気に広がったんですよ。人が知らない、やってない、新しい音楽の面白さを知って。メンバー全員が、日本にはない新しいものをやろうって発想になって、そういう自分たちの音楽を詰め込んだアルバムを作りたいという目標ができたんですね。

――ニュー・ウエイヴの時代に「新しいもの、人がやっていないものをやりたい」という意識が芽生えたのは、すごくよくわかります。

MAGUMI:そのころからそういう考え方は全然変わってないんですよ。

――最近のバンドって、お客さんとの関係性で曲を作る例が多い気がするんですよ。

MAGUMI:ええ、ええ。

――たとえばフェスで受けるために速い四つ打ちの曲を作るとか、お客さんの共感を得るような歌詞を書くとか。でもこのアルバムを聴いていると、まず自分たちが面白いと思うものをやるのが最優先であって、お客さんのことやライヴのことはそのあとのことなんだなと、よくわかるんです。ライヴ・バンドであることは確かだけど、まず自分たちが納得いく音楽を作って、それをいかにライヴで展開していくかという、そういうバンドのあり方だと感じますね。

MAGUMI:ええ、ええ。ありがたい話です。その通りでございます(笑)。

――でも若い人から、好きでした、影響受けましたって言われる機会も多いでしょ。

MAGUMI:ええ。まあ長いことやってれば…(そう言われるのは)慣れちゃったというか(笑)。

――そういう姿勢でやってきたからこそ、若い人に影響を与えるんでしょうね。最近の若いバンドをみていて、なにか感じることは。

MAGUMI:うーん、俺たちの若いころに比べると上手いバンドが多いと思うんですよ。でも音楽に対しての欲が少ないというか。音はちゃんとしてるんだけど、型にはまってる感じがする。ほとんどのバンドはオリジナルじゃなくて、借り物の感じがある。大本の曲が聞こえてくるような、これカバー曲?っていう(笑)。そこからはみ出ようとする気概が感じられないかなと思いますけどね。でも俺たちは常によからぬことしか考えてない(笑)。いつも新しいもの、面白いものはないかなって探してる。そういうことを常に考えてる人のほうが強いでしょ、やっぱり。

――50歳といえば世間一般でいうとそろそろ守りに入ってくる歳だし、自分の馴染みのあるものやよく知ってるものを使いたがるし、聞きたがる傾向がありますよね。

MAGUMI:俺の場合、そっちのほうが不安になってくるんですよね。それやってると自分が終わっちゃうような気がして(笑)。

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