OpenAI次期AI「Astra」、数学者の研究領域へ 未解決問題で10の成果

OpenAI次期AI「Astra」数学者の研究領域へ

 OpenAIは8月1日、未公開の次期AIモデル「Astra」の社内版が、数学と理論計算機科学で10件の成果を生み出したと発表した。論文形式の資料と、第三者が機械的に確認できる証明データを公開している。

 AIの数学能力は、国際数学オリンピックのように、問題と正解が用意された試験の成績で語られることが多かった。今回は、専門家にも答えが分かっていなかった研究上の問題に、新しい証明や反例を示した点が異なる。

 対象には、具体例が20年以上見つかっていなかった群論の問題や、1964年に提起された幾何学の予想、量子計算に関わる問題などが含まれる。数学者ポール・エルデシュが残した3件の問題も解決したとしている。

 ただし、「未解決問題10件をすべて解いた」とする表現は正確ではない。OpenAI自身も、10件を「解決、または大幅に前進させた成果」と説明している。予想を証明・反証したものに加え、従来より強い上限や下限を示した研究も含まれる。

 OpenAIによると、解を探すために使ったトークンは、同社のAPI料金に換算して約2000ドル相当だった。Astraが数学的な議論を生成し、人間が論文形式へ整えた後、Astraが「Lean」と呼ばれる証明チェック用の形式へ変換したという。モデルの訓練費や人間の作業費は、この金額に含まれない。

 証明データの公開によって、第三者が論理の誤りを調べやすくなった。一方、元の問題を正しく捉えているか、本当に新しい成果かどうかは、各分野の研究者による検証が必要だ。現時点で、査読済みの掲載先や10件全体に対する独立評価は示されていない。

 OpenAIは2025年にも「GPT-5が未解決のエルデシュ問題10件の解を見つけた」と発表したが、実際には既存の論文を探し当てた事例だったとして投稿を削除している。今回は論文と証明データを同時に公開したものの、成果が数学界で確定するのはこれからだ。Astraの一般提供時期や詳しい仕様も明らかにされていない。

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