にじさんじ・伊波ライの“才能”を紐解く たゆまぬ努力と愛される人間性をもつスペシャルなヒーロー

現在のVTuberシーンにおけるトップランナーのひとつであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。
メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む「歌ってみた」などの動画のほか、ここ数年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加してきた。
育成プロジェクトである「バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)」からも新規ライバーがデビューし、現在約150名を超えるメンバーが所属・活動しているにじさんじ。その層の厚さでシーンに大きな影響を与えている。
5月末から赤城ウェン、宇佐美リト、緋八マナ、佐伯イッテツとにじさんじのOriensのメンバー4人について触れてきたわけだが、彼ら4人に触れたなら、同期グループのDyticaに触れないわけにはいかない。今回は、Dyticaのメンバーのなかから伊波ライについて書かせてもらおう。
Dyticaのまとめ役にして誰もが惚れる人間性
伊波ライは、2023年4月26日にTwitter(現:X)にて初投稿、4月29日にYouTubeで初配信をおこない、にじさんじの一員としてデビューした。DyticaやOriensのなかで、むしろにじさんじの男性メンバー全体で見ても童顔寄りの顔付き。黒と黄緑を基調にした普段のヒロイックな衣装と、シャープな印象を与えるショートヘアとも相まって、その端正なルックスが映えてみえる。ビジュアルはイラストレーター・深井涼介によるものだ。
Dyticaでの伊波ライは、星導ショウ、叢雲カゲツ、小柳ロウという同期メンバーのなかにあって、まとめ役・進行役になることが多い。全体の進行や流れをわかりやすく伝えるところから始まり、わからないことがないか全体に聞き出し、自身でもわからないことがあれば細かいところをすぐにチェックしようと声をかける。
交わされるコミュニケーションにちょっとした茶化しやボケをくわえつつ、笑顔とともに去っていく。言動や振る舞いのひとつひとつに親しみやすさとユーモアを忘れない気配り上手な人物像で、「友達に1人はいてほしい」と思える頼もしさ、そして愛されやすい空気感を配信で見せている。
同期メンバーから一足先にライブ出演した『にじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin'in the Rainbow!神戸公演』では、樋口楓、竜胆尊、レヴィ・エリファ、シェリン・バーガンディ、甲斐田晴という面々から、ライブ中のMCや振る舞いについて「(初ステージにも関わらず)落ち着きすぎじゃないか?」とツッコまれていた。
樋口やレヴィなどは、練習中の振る舞いや声掛け一つひとつが温かく、「めちゃくちゃ救われた人もいるんじゃないかと思う」「メンタル維持、場の雰囲気をアゲてくれる方」「大丈夫だ!という気持ちにさせてくれる」と感心しきりの様子であった。
様々な場の状況・タイミング・シチュエーションで伊波と会話した面々からは、フランクかつ細やかな気配りで周囲を明るくしてくれると語られることが多く、先輩・同期・後輩関係なく人間性でもってリスペクトを集めているようだ。
そのうえで、配信でプレイするゲームや参加する大会、ならびにライブで披露するダンスや歌など、活動の中で表現・披露するさまざまなパフォーマンスに関しては高い意識を持って臨んでいる。それがゆえ“練習”というものに対するモチベーション/バイタリティーはかなりのもの。
自身の配信スケジュール、なにかしらの収録やレッスン、忙しない仕事と仕事の合間や休憩時間、常にゲームを開いて大会練習へと当てようとしたり、練習のために時間を当てようとする姿が目撃されている。
何気ないオフの時間帯でも何かしらのゲームをプレイして修練する。こうして聞くと「息苦しさ」を感じてしまう方もいるかと思うが、伊波については「この練習をしている行為そのものが、むしろ心地よく感じられる」という状態に近しいように筆者には見える。
ダイエット目的に始めたはずが、目的を達成しても自然とランニングのために走ってしまったり、ジムに通ってしまう人をたまに見かけるが、「走る・鍛えるといった行為が心地よい」からこそ自然とそうしてしまうようだ。
彼らと同じように「ゲームプレイすることが楽しい」「練習をしている過程そのものが楽しい」と感じているからこそ、どのような企画・大会にむけてレッスンをこなしても、明るく前向きに、高いバイタリティのままで彼は臨めているのかもしれない。
Ranunculus、VOLTACTION、Oriensの4人と同じように清々しさと人格を備えた人間であることが伝わってくる。2018年~19年ごろのにじさんじでは尖りに尖った個性派揃いという人物像が評されていたが(もちろん少々大げさに言われていた節もある)、むしろ現在では礼儀正しく人当たりの良いイメージへと変わっていったのがわかる。
伊波ライは、そういったにじさんじの変化を裏付ける人物のひとりといえるのではないだろうか。





















