画像生成AIのMidjourney、医療事業に参入 放射線も使わず「音と水だけで」全身を60秒でスキャン
文章から画像を生成するAIで知られるMidjourneyは、医療分野の新部門「Midjourney Medical」を立ち上げると発表した。放射線や強い磁場を使わず、音と水だけで全身を約60秒でスキャンする新たな検査技術を開発しているという。
Midjourneyは、入力した文章をもとにイラストや写真のような画像を生成するサービスで知られ、クリエイターを中心に世界的に利用されてきた。画像生成AIの企業が畑違いの医療分野に乗り出す形となる。
Announcing a new division of Midjourney called "Midjourney Medical" pic.twitter.com/c14YcO6yaU
— Midjourney (@midjourney) June 18, 2026
同社が「Ultrasonic CT(超音波CT)」と呼ぶ技術は、妊婦の検診などで使われる超音波を全身に応用したものだ。利用者は浅いプールに入り、台座に乗ったまま水中へと沈んでいく。体の周囲に並んだセンサーがあらゆる角度から超音波を当て、その反射データをAIが解析して体内の3次元画像を再構成する仕組みだという。
X線を用いるCTのような被曝や、強力な磁場で体を囲うMRIのような閉塞感がない点を特徴に挙げる。同社は、画質をMRIに近い水準に保ちながら、撮影速度は約100倍に達するとしている。
このスキャナーは、サウナやホットタブを備えた「Midjourney Spa」と名付けた施設に設置する構想だ。第1号店はサンフランシスコで2027年末の開業を予定する。同社はスキャンを施設利用の副次的な機能と位置づけ、日常的に立ち寄るだけで健康データが蓄積される体験を目指すとしている。
Midjourney Medicalは、2031年までに世界で5万台超のスキャナーを展開し、月間10億回のスキャン能力を確保することを目標に掲げる。早期の画像診断が普及すれば「全死亡の30%、医療費の50%を回避できる可能性がある」との見通しも示した。
A technical dive inside our new "Midjourney Scanner" pic.twitter.com/wJBHz2O7ro
— Midjourney (@midjourney) June 18, 2026
ただし、構想は計画段階にある。病気の診断機能には米食品医薬品局(FDA)の承認が必要なため、当初は体の脂肪や筋肉などの組成を示すマップの提供にとどめ、段階的に機能を拡張していくという。
なお、Midjourneyは外部投資家を持たず、利用者からの支援で運営する研究ラボを標榜している。