Appleティム・クックCEO、「値上げは避けられない」と明言 AIによるメモリ高騰で

 AppleのティムクックCEOが、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、同社製品の値上げが避けられない見通しであることを明らかにした。

 クックCEOは「残念ながら、値上げは避けられない」と発言。「我々に転嫁されているコスト増を緩和すべく最善を尽くし、これまで顧客を値上げから守ろうとしてきたが、状況は持続不可能になっている」と語った。これまでAppleはメモリコストの上昇分を自社で吸収してきたが、その方針を維持できなくなったかたちだ。なお、具体的にどの製品が、どの程度値上げされるかには言及していない。

 価格高騰の背景にあるのは、生成AIの普及に伴うメモリ需要の急増だ。AIアクセラレータに不可欠な広帯域メモリ(HBM)の需要が拡大した結果、スマートフォンやPC向けの従来型DRAMの供給が細り、価格が押し上げられている。DRAM価格は2026年第1四半期だけで前四半期比およそ90%上昇したとされている。クックCEOは今回のメモリ不足を「100年に一度の洪水」と表現し、「40年以上この業界にいるが、こんなものは見たことがない」と危機感をあらわにした。

 値上げの最初の試金石となりそうなのが、9月に発表が見込まれるiPhone 18シリーズだ。とりわけProとPro Maxは、現行モデルより高価格になる可能性が指摘される。AppleはすでにMac miniで最廉価モデルを廃止し、実質的な開始価格を599ドルから799ドルへ引き上げている。値上げはApple単独の問題ではなく、他社もすでに価格引き上げに踏み切っている。

 なお、AppleはクックCEOが9月1日付で退任し、ハードウェアエンジニアリング責任者のジョン・ターナス氏が後任に就くと発表済み。多くの調査会社はメモリ市況の本格的な緩和を2027年後半以降と見ており、消費者が直面する値上げ圧力は当面続きそうだ。

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