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世界のテック企業が台湾集結!「COMPUTEX 2026」がいよいよ開幕 AI PC、GPU、ロボティクスの最前線

 筆者が、この時期になると毎年楽しみにしているイベントがある。それは、毎年5月あるいは6月に台湾・台北で開催される世界最大級のICT・AI見本市「COMPUTEX TAIPEI(以下、COMPUTEX)」だ。

 かつてはPCや自作パーツ、半導体関連が主役だった展示会だが、近年はAIサーバーやロボティクス、エッジAI、スマートモビリティなどへと領域を大きく拡大。PCや半導体といった「従来のCOMPUTEX」らしさを残しながらも、テクノロジー業界の次なる潮流を体感できるイベントへと進化している。

 2026年のCOMPUTEXは、6月2日から6月5日までの4日間にわたって開催される。期間中は、世界中からテクノロジー企業やメディア、バイヤーが台湾に集結し、AI時代を象徴する最新技術や製品が一斉に披露される予定だ。筆者もそれに合わせ、先月末から台北入りをしている。

 今回の取材では、IntelやNVIDIA、ASUS、Dell Technologiesをはじめとする複数のPC関連企業を取材する予定だ。現地で発表された新製品や最新技術については、今後順次レポートしていきたいと思っているが、開幕直前ということで「COMPUTEXとはどんなイベントなのか」をテーマに、その歴史や現在の存在意義についてあらためて紹介していきたい。

台湾が生んだITの祭典「COMPUTEX」とは。「45年の軌跡」と「AI時代における存在意義」

 「COMPUTEX」とは、どんなイベントなのかーー。いまでこそ、インテル、AMD、NVIDIA、ASUSなどグローバル企業が集い、AIコンピューティング、ロボティクス、次世代技術を一堂に披露するB2Bの国際舞台となっているが、そのルーツは約45年前の1981年に遡る。

 当時、台湾のIT産業はまだ勃興期。台北の松山空港の展示ホールで開かれた「Taipei Computer Show」は、中小企業が自社製品を並べるささやかな国内向けイベントだったという。訪れたのは主に地元バイヤーや現地記者。台湾の輸出型IT産業が芽吹き始めた頃の、素朴なスタートだった。

 転機は1984年。Acer創業者で当時のTCA会長スタン・シー(施振栄)氏が「COMPUTEX TAIPEI」と改名を提案した。世界を目指す意欲を込め、1985年頃からTAITRA(台湾貿易発展協会と呼ばれる台湾の貿易振興機関)が共同主催に加わった。1986年には台北世界貿易センター(TWTC)へ移転。会場拡大とともに規模は急成長した。

 1990〜2000年代は「部品の時代」。台湾のマザーボード、グラフィックカード、ノートPC ODM(設計・製造受託)が世界を席巻。出展者1,000社超、来場者5万人規模となり、CeBITに次ぐ世界2位のコンピュータ見本市へと躍進した。台湾の「微笑曲線」(高付加価値の両端を握る戦略)が現実のものとなった象徴的な時期とされる。

 2010年代に入るとスマートフォン・IoTの波を受け、クラウドやゲーミング分野へシフト。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが2017年に初の基調講演を行った頃から、AIの種が静かに蒔かれていた。

 COVID-19で2020〜2021年はバーチャルでの開催を余儀なくされたものの、2022年にフィジカルでの開催形式が復活。そこから一気にAIブームが爆発した。

 そして、ChatGPT登場後の2023年以降、COMPUTEXは「AIの聖地」へと変貌。TSMCを筆頭とした台湾の半導体サプライチェーンがAIサーバー・GPUの要となり、2025年は「AI NEXT」、2026年は「AI Together」をテーマに、AI工場、AI PC、エッジAI、ロボティクスが主役となった。現在は南港展示センターを中心に複数会場を使い、1,500社超・6,000ブース規模。来場者は8万人超に達する。

世界のPC・AI業界が台北に集う理由 今年の注目は「AIインフラの本格競争」と「フィジカルAI」の台頭

 COMPUTEXに世界中の記者や企業が集まる理由はシンプル。ここが「AI時代の本丸」だからだ。

 台湾は世界の半導体生産の9割近くを担うTSMCをはじめとするサプライチェーンの要衝であり、NVIDIAのGPUも、IntelのCPUも、ASUSやDellのAI PCも、すべて台湾で生まれる部品・技術・製造力なしには成立しない。COMPUTEXは、その最前線を一堂に集め、リアルタイムで世界に発信する数少ない場なのだ。

 出展企業にとっては新製品のグローバル初披露の場であり、バイヤーにとっては調達の意思決定の場、そして記者にとっては「次に来るもの」を肌で感じる現場である。

 だからこそ、45年前に小さな国内展示会として始まったこのイベントは、PCや自作パーツの祭典だった時代から、AIサーバー、エッジAI、ロボティクス、スマートモビリティまでを網羅する「テクノロジーの総合祭典」へと姿を変えた。

 読者の皆さんに特に注目してほしいのは、「AIがPCやロボット、工場、モビリティにどう溶け込んでいくか」という点に加えて、「PCやゲーミング分野がこれからのAI時代にどのように進化していくのか」だ。

 2026年のテーマ「AI Together」が象徴するように、もはやAIはクラウドの向こう側にある特別な技術ではなく、私たちの手元や足元、職場や街中に息づく日常のインフラになりつつある。Intel、NVIDIA、ASUS、Dellをはじめとする企業が現地で発表する新製品や技術は、まさにその「溶け込み方」の最先端を体現している。

 同時に、従来のCOMPUTEXらしさも見逃せない。AI PCの性能向上により、ノートPCやデスクトップがローカルで大規模言語モデルを高速処理できるようになり、クリエイティブ作業や日常業務が劇的に効率化されている。

 またゲーミング分野では、AIによるリアルタイムレイトレーシングの強化、NPCの知能向上、生成AIを活用したゲーム制作支援など、プレイ体験そのものが根本から変わりつつある。

 自作PCパーツや周辺機器の進化も相まって、AI時代の本格的な「パーソナル・コンピューティング」の到来を肌で感じられるはずだ。

 筆者は「COMPUTEX」そのものだけでなく、同展示会の開催に先駆けて報道関係者向けに行われる事前の発表会やデモスイートを含めて、約1週間じっくりと取材してくる予定だ。レポートを通じて、COMPUTEXの熱気と、AIが描く未来の輪郭を一緒に感じていただければ幸いだ。

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