Anker発表会で強調された「安全性への取り組み」は、信頼回復への“所信表明”か 独自開発セル採用の新型バッテリーが登場

Anker、独自開発セル採用のバッテリー登場

 Ankerは2026年5月27日、東京・有明にて新製品発表イベント「Anker Power Conference 2026」を開催。11の新製品や事業戦略、注力項目に関するさまざまな情報がお披露目された。

 発表会冒頭、登壇したAnker Japan CEOの猿渡歩氏は、日本国内におけるアンカー製品の販売台数が1億台を突破、売上高も830億円に達したと報告。モバイルバッテリー、オーディオ製品、ロボット掃除機など、さまざまな製品ラインを展開しつつ順調に成長を続けるなか、とりわけ強調されたのは「安全性」への取り組みだ。

 背景には、2025年10月に発生した発火事故に関連する製品リコール、および行政指導の影響もあるだろう。ことし2月には「安全性を最優先とした体制への抜本的な見直し」を行うと表明しており、その方針を具体化して実行に移した格好だ。

 こうした背景もあり、特に「モバイルバッテリーの安全性」についてはたっぷりと時間が割かれた。続けて登壇したAnker Japan・井田真人氏からは、より詳細な説明が行われた。井田氏は、サプライヤー基準の厳格化や製造管理の一元化、検証体制についての見直しをはじめとする、複数の取り組みを紹介。くわえて、競合他社が採用する「半固体電池」や「液体電池」などについては実証実験不足や、使用環境・廃棄ルールの整備不足を理由に不採用としたことを明かした。

 こうしたなかで、Ankerが新たに発表したのが「Neo Lithium-ion Battery(ネオリチウムイオンバッテリー)」だ。これは「不純物を徹底的に排除したセル素材」「経年使用時の劣化防止」「厳しい試験をクリアしていること」の3点を特徴とする独自バッテリーセルで、モバイルバッテリーの安全性を左右する「電極」と「電解質」の双方で、発火の原因となりうる微細な不純物を徹底的に排除しているとのこと。安全上のリスクになりやすい磁性異物を約667万分の1以下に制限し、業界史上最高レベルの基準で不純物の含有が抑制されたセルという。これらは、昨年のリコール騒動の主な原因であった「不純物の混入」を徹底的に対策・改善した結果生まれたものと言えそうだ。

 試験面では、バッテリーセルに直接釘を突き刺して強制的に内部ショートを引き起こす「釘刺し試験」を100%通過可能な品質を実現。このほか、過酷な高温環境に晒す耐熱試験や、圧力がかかっても爆発しないかを確認する耐圧試験など、複数の試験をクリアしている。

 「Neo Lithium-ion Battery」を初搭載したマグネット式ワイヤレス充電対応モバイルバッテリー『Anker Nano Power Bank(MagGo, Plus)』もあわせて発表。本日よりAnker Japan公式オンラインストアにて予約販売を開始、一般販売は2026年夏頃を予定している。

 『Anker Nano Power Bank(MagGo, Plus)』は、Qi2対応のスマートフォンに最大15W出力でワイヤレス充電が可能。10000mAhの大容量ながら厚さ約15mmの薄型設計で、「iPhone 17」シリーズを約2回分充電できる。サイズは約104×71×15mm、重さは約215g。USB-Cは入出力ともに最大30Wに対応する。

 同製品は新型セルの採用にとどまらず、万が一の発火時にも炎を封じ込める難燃性素材を筐体に採用。長時間の使用でも高温になりにくい設計を施している。バッテリーマネジメントシステムも進化させ、セル一つ一つを秒単位で個別に監視することで、これまで以上に微細な異常まで検知できるように。検知した異常を記録し、その程度に応じて製品自体を一時的にロックまたは強制的に使用できなくする機能も実装している。経年使用に合わせてサイクル数が増加すると充電制限電圧を自動で調整し、専用アプリでモニタリングも可能とのことだ。

 これまで着々とブランドイメージを積み上げてきたAnkerだが、昨年の騒動で大きく信用を損なってしまったことは否定できない。「Anker Power Conference 2026」は、信頼を取り戻すための第一歩、いわば“所信表明”ともいえる発表会だった。

 また、発表会ではその他に『Soundcore Liberty 5 Pro/Pro Max』をはじめとする新製品も多数発表されている。ポケモンとコラボした新製品群なども発表されていたので、こちらもぜひチェックしてみてほしい。

■製品情報
Anker Nano Power Bank(MagGo, Plus)
メーカー:Anker
予約販売開始日:2026年5月27日(一般販売は2026年夏頃予定)
価格:11,990円(税込)
カラー:ブラック / ホワイト(ホワイトは2026年秋頃販売開始予定)
主な仕様:
・容量:10000mAh
・サイズ:約104×71×15mm
・重さ:約215g
・入力:USB-C 最大30W
・出力:USB-C 最大30W、マグネット式ワイヤレス充電 最大15W(合計最大17W)
・Qi2対応
パッケージ内容:本体、USB-C & USB-Cケーブル(0.6m)、取扱説明書
販売チャネル:Anker Japan公式オンラインストア

〈参考〉
https://corp.ankerjapan.com/posts/579
https://www.meti.go.jp/product_safety/recall/file/260113oshirase.pdf
https://www.ankerjapan.com/blogs/magazine/liion-safety?srsltid=AfmBOopdXyUaMAd4kmDgPkZyJfMdMfGepQJXNCpQcROQZfHqp_IOCD-2

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