Shokz『OpenFit Pro』発表 サカナクション山口一郎が語る、オープンイヤーイヤホンの進化と可能性

山口一郎が語るオープンイヤーの可能性

 サカナクションの山口一郎が4月6日、都内でShokz Japanの新製品『OpenFit Pro』の発表会にブランドアンバサダーとして参加。同社CMOの富田健人氏とのトークセッションに登壇した。

CMOの富田健人

 冒頭、富田氏はShokzが2025年の家電情報サイト「BCNランキング」のイヤホン部門で「左右分離クリップ型」と「骨伝導型」両カテゴリの販売台数1位を報告、続いて新製『OpenFit Pro』の技術に言及する。

 主な進化点のひとつは新音響技術「Shokz SuperBoost」だ。ドライバーに同期型デュアルダイヤフラム構造、航空宇宙グレードのアルミニウムPVDドームキャップを採用。最大40kHz帯域まで対応し、低音域での歪みを大幅に低減している。

 前モデル『OpenFit 2+』と比較して低音パワーは50%以上向上、音の歪みは約87.5%低減。さらに「Dolby Atmos」のヘッドトラッキングにも最適化され、頭の動きに対して音像が空間に固定される設計だ。

 そして富田氏は「ノイズ抑制はオープンイヤー方式における構造的なトレードオフ」と前置きし、その理由として物理的に遮断できない構造や、耳の形状・装着角度による個人差の大きさを挙げた。

 これらの課題に対し、3種のマイクと適応型アルゴリズムを連動させることで、耳元のノイズ環境を解析/抑制する。それが、新システム「フォーカスモード」だ。

『OpenFit Pro』

 価格は税込39,880円。カラーはブラックとホワイトの2色展開で、4月7日より予約販売を開始、4月22日頃から順次発送となる。

山口一郎が語る“ノイズとの共存”

サカナクションの山口一郎

 トークセッションでは、富田氏と並んで白色の『OpenFit Pro』を装着した山口が着席。「29歳で独身、童顔」と山口に絡まれる富田氏の人柄もあり、終始リラックスした空気で進行した。

 長年のShokzユーザーだという山口は、「オープンイヤーは外部の音を聴きながら音楽を楽しめるのが長所なので矛盾するんですけど、新幹線や飛行機といったノイズ下で音楽を聴きづらいストレスが軽減された」とフォーカスモードについて語る。

 音質面についても「レコーディング時のリファレンスとしての使用には至っていないが、リスニング用途としては十分な音質」と評価。低音再現の進化も「ミュージシャンとしてポジティブに捉えている」と語った。プライベートでは、1日中装着したまま過ごすほどの愛用ぶりで、入浴中も洗髪以外は使用するというエピソードも飛び出した。

トークセッション

 トークセッション後半では、フリップを使った質問コーナーも。「自分にとってShokzとは○○である」というお題に山口が記したのは「新しい習慣」。「オープンイヤーは使ったことがない人にとって驚きがあるし、自然に生活のなかに溶け込んでくる。Shokzをつけて出かける、走る、常に手元にある、旅先に持っていく、そういう新しい習慣が自分のなかに増えた」とした。

新しい習慣のフリップを持つ山口一郎

 さらに「この春の新生活で取り入れたい、Shokzを使った習慣は?」という問いに対しては「自炊」と回答。さらに「料理して食べたあとの洗い物って大変じゃないですか。でもShokzを付けたまま野球中継を見ると、洗い物も楽しみになる」と重ねる。

 トークセッション後の囲み取材では、より踏み込んだクリエイター視点の話題へ。

 山口の楽曲制作はハイファイ環境での確認が前提だが、「スマホのスピーカーや車のスピーカーなど、自分のなかでのリファレンスがあって。Shokzのイヤホンもそのひとつ」だという。流し聴きや日常生活のなかで「この曲いいかも、この構成が面白いかも」とインスピレーションを得ることもあるそう。何気ない瞬間こそオープンイヤーが力を発揮する。

 開発陣との対話で印象に残ったことについては、「探求心。AIグラスなどが登場するなかで、このオープンイヤー型イヤホンがどんな形状や音質になるのか、時代のなかでどう生き残っていくのか。それを一番近くで見られるから楽しい」とコメント。

 デザインについては、「椅子はデザインにこだわりすぎると座り心地が悪くなるし、座り心地を深く考えるとデザインが難しくなる。そのバランスのセンスがある」と持論を語る。さらにShokz製品はディスプレイなどの過剰な機能を搭載せず、ケースから取り出す向きや装着時の形状などが細かく設計されていると評価した。

持論を語る山口一郎

 「いい音」の定義についても示唆的な答えが返ってきた。「基本的には自分が好きなものがいい音。カセットテープのアナログが好きならそれがいい音だし、ハイファイな解像度が好きならそれがいい音。でも僕はLPレコードの音が好き」。プロダクトに固有の正解を求めるのではない、彼の“オープン”な音楽との向き合い方を感じる言葉だった。

 周辺カテゴリーとの競合・融合が進むなか、この『OpenFit Pro』が、オープンイヤー市場をどこまで更新するのか。その答えはこれから市場が出していくことになる。

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