6年ぶりに登場した『AirPods Max 2』の実力を検証レビュー Bluetoohからロスレスまで、徹底的に聴き込んでみた
いざ実機レビュー ノイズキャンセリングの効果も自然で、常用できる仕上がり
ここからは実機のレビューに入っていこう。『AirPods Max 2』を『iPhone 16』と繋いで、ワイヤレスの音を聴く。『AirPods Max 2』の電源を入れるとiPhoneにメニューが表示され、簡単にペアリングが完了した。なおiPhoneとペアリングすると、同じアップル IDに登録している『MacBook Air』にも自動的に『AirPods Max 2』が登録されていた。
さっそく『iPhone 16』で「Apple Music」を再生する。イーグルス「Desperado」「Take It Easy」(どちらもハイレゾロスレス)では、Bluetooth接続でもボーカルやギターの表現が細やかに再現される。高域や低域を誇張した感じもなく、ヘッドホンリスニングとして快適だし、音のまとまりもいい。
リスニングモードを「オフ」から「外部音取り込み」にすると、音場空間がわずかに小さくなるような印象もあるが、音質の変化は感じなかった。外部の音は「オフ」よりも聞こえるくらいで、一般的なアンビエントモードとは狙いが違うのかもしれない。
「適応型」に切り替えてみたが、自宅での試聴では「外部音取り込み」と大きな違いは感じない。このあたりは「試聴環境に応じて選び分けて下さい」ということだろう。
「ノイズキャンセリング」の効果は顕著で、周囲の話し声、バスのエンジン音などを自然に抑えてくれる。音質への影響もほとんど感じないので、オンのままでも安心して音楽に浸れる。
ハイレゾロスレスでは、音楽の微妙なニュアンスまで聴き取れる
続いて、付属のUSB-Cケーブルで『iPhone 16』と接続し、「Desperado」を聴いてみる(リスニングモードは『オフ』)。この状態では24ビット/48kHzのハイレゾ伝送が実現できているわけで、イントロのピアノの余韻、ボーカルの息遣いなどが細やかになっている。「曲の印象がガラッと変わる」とまではいかないが、音楽の微妙なニュアンスまで聴き取れる、“丁寧な音”といっていいだろう。
同じくハイレゾロスレスの宇多田ヒカル「One Last Kiss」も、声の伸びやかさ、ボーカルに重なる楽器の重奏感がしっかり聴き取れる。低音も切れがよく、長時間聴いていても疲れないサウンドだ。自宅で『AirPods Max 2』を使う場合は、USB-C接続をお勧めしたい。
次に、空間オーディオでKISS「ロックン・ロール・オール・ナイト」を再生。映画館のドルビーアトモスのように「天井から音が響く」といった聴こえ方ではないが、それなりにステージ感が広くなり、ドラムのテンポもいい。コーラスが左右後方から加わる様子なども自然な広がり感がある。
同じく空間オーディオのアンネ・ゾフィ・ムター「East Meets West」は、バイオリンの響きや反響が繊細に再現され、演奏会場の響きを再現しようという録音の狙いまで伝わってくる。
映画作品でも、セリフや音楽、効果音の馴染みがいい
音楽の空間オーディオがこんなに楽しめるなら、映像作品にも使えるんじゃない? ということで、『Apple TV 4K』と『AirPods Max 2』をBluetoothで接続して、映画『F1』(ドルビーアトモス)を再生した。
心配していたリップシンクのずれもないし、セリフや音楽、効果音の馴染みもいい。55インチの画面との組み合わせで、映画館ライクなサウンドが体験できた。低音はもうちょっと出ると嬉しいが、深夜の映画視聴用としても『AirPods Max 2』は活躍しそうだ。
最後に、アップル製品以外のプレーヤーとの組み合わせも試した。ウォークマン『NW-ZX707』とBluetoothで接続してノラ・ジョーンズ「Don’t Know Why」(24ビット/192kHz)や、バッハ『無伴奏チェロ組曲』(DSD11.2MHz)を再生する。AACコーデックでの伝送だが、音に力が籠ってきて、声の柔らかさ、楽器のふくよかさも秀逸だ。『AirPods Max 2』はプレーヤーによる微妙な音の違いもきちんと再現するパフォーマンスを備えていることが確認できた。
試しに『AirPods Max 2』と『NW-ZX707』を、アップル純正『USB-C – 3.5mmオーディオケーブル』(別売)で繋いだ音も聴いてみた。Bluetooth接続よりもS/N比(信号/Signalとノイズ/Noiseの比率)がよくなるようで、ノラ・ジョーンズの声も透明感が増してきた。バッハも静寂な中に響く低音が豊かで、これはこれで悪くない。お気に入りのポータブルプレーヤーをお持ちの方はこういった使い方も試してみるといいだろう。
このサウンドも充分高音質だ
アップルが聴いてもらいたい音、空間オーディオの楽しさを感じられる魅力的なヘッドホン
『AirPods Max 2』は、6年ぶりの第二世代機としては、外見を含めて新鮮味が少ないかもしれない。しかし機能面では、ライブ翻訳や会話感知にも対応しているし、最大20時間使えるバッテリー(アクティブノイズキャンセリング/オン時)などの基本的なスペックの高さに加えて、「H2」チップとハイダイナミックレンジアンプが搭載されたことで、日常使いに適した「ワイヤレスヘッドホンの標準機」と呼びたいモデルに仕上がっている。
価格面では最近のワイヤレスイヤホンの中でも高価な部類で、ハイレゾ対応が限定的という側面はあるが、アップルが聴いてもらいたい音、特に空間オーディオの楽しさを感じられる、魅力充分なアイテムだった。
■商品概要
製品名:『AirPods Max 2』
発売日:4月1日
価格:89,800円(税込)
〈参考〉
https://www.apple.com/jp/airpods-max/
https://realsound.jp/tech/2025/02/post-1932796.html