世界で加速するガチャ規制、日本だけが例外? 『マリオカート ツアー』ブラジル18禁化から考える

世界で加速するガチャ規制、日本だけ例外?

 現在、世界各国でアプリゲームの“ガチャ”に対する規制やレーティングの整備が進んでいる。たとえばブラジルでは、『マリオカート ツアー』が18歳以上対象のゲームに指定されたことが報じられているが、その背景にも同作のガチャ要素が関わっているようだ。

『マリオカート ツアー』がブラジルで18歳以上対象に

 『マリオカート ツアー』は世界の都市をモチーフとしたコースを舞台に、お馴染みのマリオたちが競争するレースゲーム。リリース当初、同作には「ルビー」を消費してランダム排出のアイテムを手に入れる“有償ガチャ”機能があったが、現在は撤廃されている。ただ、無償ガチャや一部有料コンテンツは残っている状況だ。

 そんななか、ブラジルでは昨年9月に「ECA Digital」という新法が成立。未成年者に対するコンテンツ提供の禁止事項に、有料のルートボックス(ガチャ)が盛り込まれていた。このあおりを受けて、『マリオカート ツアー』のレーティング引き上げが実施されたのではないかと考えられている。

世界各国で強まるガチャ規制の波

 このようなガチャ規制強化の流れは、ブラジルに限ったものではない。欧州では今年6月より新たなレーティングが採用され、ガチャなどゲーム内の有償コンテンツがあるゲームは推奨年齢16歳以上(PEGI 16)に指定されることが決まっている。さらにアメリカでは今年2月、ニューヨーク州の司法長官がガチャを賭博行為とみなし、Steamを運営するValveを提訴したことも記憶に新しい。

 ちなみにベルギーやオランダなど、特定の仕組みのルートボックスがそもそも違法な国もある。この2つの国では、『ポケモンユナイト』が2025年11月にサービス終了を迎えたことも話題となっていた。

 すなわちブラジルや欧米などでは“有償ルートボックス=ギャンブル”とするような見方が強い一方、未成年者への影響も懸念されているという状況だ。今の日本では当たり前のように受け入れられているガチャ文化だが、世界的に見ると、これからどんどん規制が強くなっていくのかもしれない。

日本のガチャ規制はどこまで進んでいるのか

 とはいえ日本国内でも、これまで何度かガチャの仕組みを規制する動きが見られた。たとえば有名なのは、複数のアイテムを全て揃えてレアアイテムを獲得する「コンプリートガチャ」の規制。一昔前にはこのコンプガチャを採用しているゲームがいくつもあったが、2012年に規制の動きが強まり、それ以降はめっきり見なくなった。

 また日本では自主規制という側面が強く、日本オンラインゲーム協会(JOGA)はレアアイテムの提供割合表示や“天井”の設定などを明文化したガイドラインを作成している。

 ただ、ガチャを採用しているゲーム自体に年齢制限を設けるなどの仕組みは、今のところまだない。個々のゲームのレーティングを見てみても、事実上全年齢層がアクセスできるゲームばかりだ。

 すなわち海外と比べると、日本ではガチャ自体を法的に厳しく規制する方向には向かっていないと言えるだろう。ただ、2024年10月に施行された景品表示法の改正で「直罰規定」が導入され、警告などを経ずに直接処罰できるようになるなど、日本独自の仕方ではあるが法整備が進んではいる。

 『マリオカート ツアー』が18歳以上対象となったブラジルと、子どもでもガチャがあるゲームを遊べる日本。今後国内の、そして世界のガチャは、どのようになっていくのだろうか。

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