mineoが“音声フルMVMO”に参入 共創型事業もさらなる発展へ

 MVNOサービス「mineo」を展開する株式会社オプテージは2026年1月27日、『モバイル事業に関する中長期戦略発表会』を開催。「ブランドアップデート」「音声フルMVNOへの参入」「共創型モバイルビジネス支援事業」を発表した。

 「mineo」はこれまで利用料の安さを軸としながら、ユーザーコミュニティ「マイネ王」や「ゆずるね。」などの一風変わったサービスなどのユニークな施策で業界内における地位を築いてきた。

 発表会冒頭、株式会社オプテージ 取締役常務執行役員の松本和拓氏が登壇。「mineo」が10年以上にわたり築き上げてきた価値を振り返りつつ、現在の市場環境に対する課題感として「世の中のサービスラインナップは『速いが高すぎる』あるいは『安いが足りない』という、『過剰』と『不足』がある状況。利用スタイルに対して『ちょうどいい』ものが提供できているかどうか」とし、これまでのMVNO事業の「MNO(大手キャリア)から設備を借り受ける形態」は音声通話やデータ通信の設計自由度が低く、新サービス開発に時間がかかる点を挙げた。

 そこで今回新たに発表されたのが、「音声通信を含むフルMVMOサービス基盤の構築」と「共創型モバイルビジネス支援事業基盤の構築」だ。

 まずは「音声フルMVNO事業」への参入発表について。現在、多くのMVNOは大手キャリアの設備を借りてサービスを提供しているが、mineoは2027年度下期を目処に、au回線において国内初となるデータ通信・音声・SMS通信に対応した「フルMVNO」へ移行するという。

 株式会社オプテージ モバイル事業戦略部長の松田守弘氏は、その意義について「これまでのライトMVNOでは、データ通信の独自メニューは作れても、音声やSMSの独自メニューには制約がありました。フルMVNOになることで、SIMや電話番号を自社で発行・管理できるようになり、かけ放題メニューの柔軟な設計や、海外ローミング、法人向けIoTなど、デバイスに応じたソリューション提供が可能になります」とコメントした。

 具体的には、加入者管理装置(HLR/HSS)や音声交換機を自社で保有・運用することになる。これにより、大手キャリア側の仕様に依存していた通話定額プランなどをmineo独自の設計で提供できるようになるほか、eSIMを含む多様なSIMの発行も自社でコントロール可能となる予定だ。将来的には国内初となる、マルチキャリアでの音声フルMVMO事業者を目指していくという。

 もうひとつの大きなトピックが、法人向けブランド「mineo BiZ」の再定義と、2026年度下期より提供開始予定の共創型モバイルビジネス支援事業「MVNO Operation Kit」だ。

 現在、IoTの普及や顧客接点の強化を目的に、異業種からモバイル事業への参入意欲が高まっている。しかし、自社でMVNO事業を立ち上げるには、専門的な通信技術や巨額のシステム投資、複雑な課金・請求管理といった「高い参入障壁」が存在する。

 そんな壁を乗り越えるための支援サービスが「MVNO Operation Kit」だ。通信回線だけでなく、商品設計機能(パレット機能)やバックオフィス機能、さらには導入・運営支援コンサルティングまでをパッケージ化して提供するという。

 松田氏はこれを「テナント(参入企業)」と「パートナー(商材提供企業)」をつなぐ「価値共創のプラットフォーム」と定義。そのうえで「これまでは、自社ブランドで通信を売る『ホワイトラベル型』か、コスト負担が大きい『フルカスタマイズ型』が主流でした。本キットを使えば、豊富な通信メニューと自社アセットを自由に組み合わせつつ、コストを抑えて短期間での参入が可能になります」と説明した。

 会見では、すでに導入を検討している企業として、株式会社日宣、株式会社ALL CONNECT、スマートモバイルコミュニケーションズ株式会社、富士ソフト株式会社、株式会社ジャパン・セキュリティシステムなどの名前が挙がった。また、エコシステムパートナーとして株式会社ベルシステム24が参画し、コンタクトセンター運営などを支援する体制も整えるようだ。

 質疑応答では、今後の事業規模について問われた松本氏が「具体的な数字は公表していないが、現在のmineoの売上(約280億円)の倍程度は目指したい」と力強く回答した。その成長ドライバーとして期待されているのが、今回発表された法人向け事業の拡大と、音声フルMVNOによるサービス競争力の強化だ。

 また、松田氏は「なぜあえて音声にこだわるのか」と問われた際、「音声があるからこそメインのスマホになる。さらにその先を見据えた時、音声とデータのメディアの違いを超えたサービスができるのではないか」と、スマホ利用の主回線としての地位確立と、将来的なサービス融合への意欲を語った。

 そして、事業開始が2027年度下期と発表から期間が空く点について指摘された松田氏は「設備構築に加え、接続試験に非常に時間がかかるため」と回答。莫大な投資と技術的ハードルを越えてでも、自社でコントロールできる領域を広げるという決断をしたことがわかった。

 これまで「Fun with Fans!」でユーザーと共にサービスを育てるなど“共創”をテーマにしてきたmineo。今度はその共創のパートナーをユーザーだけでなく企業や社会全体へと広げ、大手キャリアと渡り合う存在になっていくのだろうか。

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