立山連峰を眺めながら淹れる至高の一杯 電源不要の全自動コーヒーメーカー『Revonia』をアウトドアフィールドで試してみた!
先日、Makuake本社で開催された製品体験会にて、エスケイジャパンが手がける充電式の全自動コーヒーメーカー『Revonia』を試す機会があった。
幅約74mmというスリムな本体に、コーヒーミルと湯沸かし機能を一体化。さらに、水から直接コーヒーを淹れられるという仕様は、話を聞くだけでも十分に興味をそそられるものだ。体験会で実機に触れるうちに、これは室内だけで使うのはもったいない製品だと感じ、レビュー用に実機を借りてみることにした。
ちょうどその頃、筆者には富山への出張の予定が入っていた。冬場は曇天や雨のイメージが強い富山だが、滞在中のある朝、ホテルの窓から立山連峰がハッキリと望めるほどの快晴に恵まれた。電源を必要とせず、水からコーヒーを淹れられる『Revonia』なら、場所を選ばずに使える。屋外で試すには、これ以上ない条件がそろったと言っていいだろう。
そこで今回は、富山駅から徒歩10分ほどの場所にある富岩運河環水公園へ足を運び、立山連峰を眺めながら実際にコーヒーを淹れてみることにした。本記事では、『Revonia』がどこまで 「持ち出せるコーヒーメーカー」として実用に耐えるのか、その使い勝手や体験を中心にレビューしていく。
片手で持てるコンパクトさなのに、豆を挽くところから抽出まで全機能が一体化
『Revonia』は、最小サイズを目指して設計された充電式の全自動コーヒーメーカーだ。ミル、抽出機構、そして湯沸かし機能までを1台にまとめながら、本体幅は約74mmと、一般的なコーヒーメーカーとは一線を画すスリムな縦長デザインを採用している。
本体重量は約990gと軽量で、付属品をすべて収納できる専用のハードケースも用意されている。キッチンの隙間に置ける省スペース性に加え、オフィスや出張先、アウトドアへそのまま持ち出せる携帯性を兼ね備えている点が、この製品の大きな特徴だ。
電源を必要としないのも本製品ならではの強みと言える。4500mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵し、コンセントのない場所でも使用可能。お湯を使う「非加熱モード」なら、満充電時で約400杯の抽出が可能。さらに、常温の水から加熱・抽出までを行う「加熱モード」も搭載しており、水と豆さえあればコーヒーを淹れられる。
味づくりにも妥協はない。独自のサークルプア方式によって、ハンドドリップのように円を描きながら注水することで、粉全体に均等にお湯を行き渡らせる。ミルには低速コニカル式を採用し、摩擦熱を抑えながら豆を挽くことで、風味を損なわずに抽出できる。粒度は36段階で調整可能と、本格志向のユーザーにも応える仕様だ。
抽出温度は約85℃に設定され、苦味や渋みを抑えつつ、甘みとコクを引き出す。出来上がりはそのまま飲みやすい約65℃となるよう調整されており、ちょうど良い温度になるまで冷ます手間なくコーヒーが楽しめる点は実用的だと感じた。
立山連峰を眺めながら自分だけのコーヒーを楽しむという贅沢なひととき
今回は富岩運河環水公園で『Revonia』を使用したが、基本的な手順は屋内でも屋外でも変わらない。特別な準備や難しい操作はなく、全自動コーヒーメーカーとしての使い勝手は非常にシンプルだ。
まず、本体下部にコーヒー豆をセットし、上部の水タンクに水(もしくはお湯)を入れる。豆は付属の計量スプーンで計ることが可能だ。フィルターはステンレス製で、ペーパーフィルターを用意する必要もないため、準備にかかる手間は最小限で済む。
準備が整ったら、あとは抽出ボタンを押すだけだ。前述したようにモードはお湯から淹れる「非加熱モード」と、水から淹れる「加熱モード」の2種類があり、ボタンを押す回数によってモードが切り替わる仕組み。今回は常温の水から加熱・抽出を行うモードを使用したが、豆を挽いて注水、抽出までは基本的に自動で行われるため、途中で操作を求められる場面はなかった。
水から淹れる場合、満充電の状態でも抽出回数は最大3回(1杯あたり150ml、水温が15℃以上の場合)に限られているため、正直なところ最初は少し緊張感があった。失敗したら残りはあと1〜2回、という状況だが、すべてをセットした状態でワンボタン操作を行うため、ユーザー側が何かを誤る余地はほとんどない。実際、特に問題なくコーヒーを淹れることができた。
加熱モードで抽出完了までにかかった時間は、約15分ほど。お昼休みなど時間が限られているときに飲みたいなら、早めにセットしておこう。
もしくはお湯を使う非加熱モードに切り替えれば、抽出時間は約5分とスピーディーに淹れることができる上に、加熱のための電力が不要になり、抽出回数も最大400回と大幅に増える。給湯室やキャンプなどお湯をすぐに用意できる環境であれば、基本的には非加熱モードを使うことをオススメする。
抽出が終わり、カップに注がれたコーヒーをひと口飲んでまず感じたのは、雑味の少なさだ。屋外で淹れた一杯というと、どうしても簡易的な味を想像してしまうが、『Revonia』で淹れたコーヒーはそうした先入観を良い意味で裏切る仕上がりだった。
味わいは全体的にクリアで、苦味や渋みが前に出すぎない。85℃という低めの抽出温度と、粉全体に均等にお湯を行き渡らせるサークルプア方式の効果なのか、尖った印象がなく、豆の個性が素直に表れている。ステンレスフィルターによってコーヒーオイルもきちんと抽出されており、軽やかさの中にもコクは残る。環水公園で立山を眺めながら飲んだ一杯は、環境の良さも相まって、非常にバランスの取れた味に感じられた。
もちろん、使用する豆によって味わいは大きく変わるだろう。粒度を36段階で調整できる点も含め、決まった味を出すというよりも、豆に合わせて試行錯誤する余地を残した設計だと感じた。今回は一種類の豆で試したが、焙煎度や産地の異なる豆でも試してみたくなった。
『Revonia』はどんな人に向いているコーヒーメーカーか
『Revonia』を使って感じたのは、コーヒーを淹れるという行為そのものを、日常の枠から少し外へ連れ出してくれる製品だということだ。電源や設置場所に縛られず、また火を使う必要もない。水と豆さえあれば本格的な一杯を淹れられるという体験は、想像以上に自由度が高い。
一方で、アウトドア専用のギアという印象もない。サイズはコンパクトだが、抽出方式やミル、温度設計は本格的で、味に妥協は感じられなかった。屋内で使えば省スペースな全自動コーヒーメーカーとして成立し、必要に応じてそのまま持ち出せる。この両立こそが、『Revonia』の最大の魅力だろう。
特に向いているのは、コーヒーの味にはこだわりたいが、設置や準備の手間は極力減らしたい人だ。デスク周りで使いたい人、出張やオフィスで自分の一杯を用意したい人、キャンプや旅行先でも妥協せずコーヒーを楽しみたい人にとって、選択肢のひとつになるはずだ。
環水公園で立山を眺めながらコーヒーを飲んでいたとき、立山黒部アルペンルートの最高地点である室堂で飲む一杯も美味しそうだと思い浮かんだ。『Revonia』は、コーヒーの味だけでなく、「次の一杯をどこで飲むか」という想像まで広げてくれる製品だった。
◯参考情報
https://www.makuake.com/project/revonia/