にじさんじ・鈴原るるの4年越しの“復活”から、VTuberの「復帰」という選択肢について考える

卒業や休止からの「復帰」という選択肢
もうひとり、最近復帰して話題になったのがにじさんじの雨森小夜だ。2025年11月28日に4年ぶりに配信活動を再開し、ファンは大いに盛り上がった。
大変お久しぶりです。勝手ながら本当に長い間お休みを頂いていたことを改めてお詫び申し上げます。
ずっと待って下さっていた方には感謝の気持ちでいっぱいです。
同時にお待たせしてしまったことを謝りたく、色々お話もさせて頂きたいので明日11月28日6時30分にYouTube配信をします(早朝ですみません)— 雨森 小夜 (@Sayo_Amemori) November 26, 2025
復帰後の配信では、自分の「切り抜き動画」を見る、というたてつけで、“存在していないはずの記憶(切り抜き)”をみんなで見る……という不可思議な配信を実施。新規の視聴者はおろか、当時からのファンもこれには大混乱。元々ソリッドなネタを配信に絡めることの多かった彼女の、変化球なスタイルは4年たっても健在だった。
VTuberとして卒業・引退をする、というのは、企業や個人にかかわらず簡単なことではない。本人にしかわからないようなものすごく大きな希望や悩みがあって、考え抜いて決断することだ。
同様に、在籍したまま休止するという選択肢を取ることも、大きな決断が必要な行為だ。特ににじさんじのような企業所属の場合、注目を集めてしまいやすいがゆえに、一旦活動の足を止めること自体も、そこから復帰して活動を再開することにも、相応の難しさが伴うだろう。
しかし今回、籍を置き続けての休止、卒業や引退、そのどちらでも「復帰は可能である」という事例がほぼ同時期に見られたのは、とても興味深い。
VTuberの所属形態はそれぞれの企業によって大きく異なるはずで、一概に良し悪しを言うことはできないが、引退や休止から復帰できる選択肢が設けられている、という点に対して寛容な空気が生まれるようになれば、VTuberの活動がよりやりやすくなるのは間違いないだろう。
卒業するVTuberに向けたリスペクトも忘れずに
【おかえりって、言える時が来る。】
もっともっと、思い出を重ねよう。
ココは、帰ってこれる場所だから。重大告知、まもなく発表。 pic.twitter.com/dvIv2mxpcE
— にじさんじ公式🌈🕒 (@nijisanji_app) January 16, 2019
さて、鈴原るるが無事活動再開をするのだとしたら、にじさんじで引退からの復帰をするのは、笹木咲に次いで二人目になるだろう。笹木咲は2018年11月15日に一度卒業を発表したが、2019年1月16日にゲーム実況における配信環境の変化などを理由に復帰。彼女の活動再始動はとても多くの人に祝福され、そのときの公式のXのポスト「おかえりって、言える時が来る」「ココは、帰ってこれる場所だから」という文言は今も語り草になっている。
にじさんじ・笹木咲が内に秘める“静かな覚悟” 「やりたいことができないならば意味がない」
2016年6月30日にKizuna AI(キズナアイ)が誕生、2022年に6年目の節目を迎えたいま、バーチャルYouTuber(…2019年のベンチャー企業的性質が高かった旧いちから株式会社の「卒業からの復帰」に対する受け入れの姿勢が、ANYCOLOR株式会社という大企業に成長した今でも、鈴原るるに対して同じように向けられているのは注目したい点だ。
同時に、かつて笹木咲は「笹木の前例はもう考えないで心からのありがとうとお別れの言葉を伝えてあげてほしいです」とXで発言していたことがある点も注目したい。卒業後は復帰しない、というのもVTuberの大切にされるべき決断であるのを留意しておくことは、ファン側の姿勢として大事になっていくだろう。
私が言えた事じゃないんですけど笹木の前例はもう考えないで心からのありがとうとお別れの言葉を伝えてあげてほしいです。申し訳ないです。
— 笹木咲🎋 (@saku_sasaki) December 12, 2023
まずは23日の配信で、鈴原るるが第一声なんと言うのかを予想しながら、彼女が「復帰」という道を選択してくれたことを心から祝福したい。
























