「番組の趣旨ではない」くるまとディレクターで深まる亀裂……『世界の果てに、くるま置いてきた』6話

 『世界の果てに、〇〇置いてきた』シリーズの第3弾『世界の果てに、くるま置いてきた』の第6回が11月3日に放送された。

 今回の回は、大前Dとくるまの目に見えない溝の深まりが確信へと変わった回とも言っていい。

 そう思った1つ目のきっかけが、タンガイルから次の目的地へと向かうバスでの道中でのこと。一行は親切な住民たちのおかげもあって、食事にありついた後、ボクラ行きの長距離バスへと乗れるバスへと乗り込んだ。しかし、くるま、ここで耐えるしかない腹痛に襲われ、会話をするのが精いっぱいの様子。そんな大ピンチをさらにピンチへと変えたのが謎の渋滞だ。これには大前D、テレビマンとしての血が騒いだのか、やや興奮気味。体調不良のくるまを車内に置いたまま、渋滞の先に原因を突き止めに行ってしまった。

 ここで大前Dが見た光景は、渋滞をビジネスチャンスと捉えるバングラデシュの人々。ある人はお弁当を売り、ある人はアイスを売り、どうにかこの動く兆しのない状況を楽しもうとする姿が印象的だった。

 さらに、大前Dは謎のバスの車内に誘われ、入っていくと、そこでは麻薬の売人たちが。これにも「撮れ高!」と言わんばかりに大前Dは興奮してみせたのだが、くるまはというと「よく帰ってこれましたね」と一言。異国の地でクスリが身近にあろうとなかろうと、興味がないというような表情を見せた。

 実は、このときのくるまの反応、この後に2人の溝がさらに開いたモモインでの食事中にその真意が判明する。

 くるまは異国の地に来たからといって、どこかでその国を下に見て、自分たちの生活のほうがいいという見せ方、日本では撮れないような光景をあえて映し出すような撮れ高だけじゃなくてもいいという考えなのだ。芸人という職業も下に見られる。また、慶應卒だから、お金持ちだから笑えないとされるのが、どうなんだろうと疑問を持っているよう。「うまくいっているものを褒めれたらいい」と語る姿は、彼の優しさを感じさせる一幕だった。

 そして、くるまは「うまくいっているものを褒めれたらいい」の精神で、高級リゾートホテル・モモインでの豪遊を決意。設備の整ったホテルに体を埋める姿は、疑いようがないくらいに幸せそうだった。考えてみれば、この旅はくるまにとって初の海外旅行。いくら優しくされて心的には楽しめていても、環境の変化に人間の体はついて行かなくて当然だ。

 しかし、大前Dは「これは番組の趣旨ではない」と少々困惑気味。

 視聴者の方はくるま、そして大前Dどちらの意見に賛同するだろうか? ここから先も見逃せなさそうだ。

「才能がないから」くるまが異国で振り返る人生の戦い方『世界の果てに、くるま置いてきた』5話

『世界の果てに、〇〇置いてきた』シリーズの第3弾『世界の果てに、くるま置いてきた』。本記事では第5話を紹介していく。

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