ロボットが品出し、従業員はスマートグラスを着用……KDDIとローソンがAI活用で店舗業務を変える実証について発表

 KDDIはローソンと協力してAIを活用した施策について実証していることを発表した。本記事では3つの実証を取り扱う。

AIとロボット技術を組み合わせた新たな店舗DXの実証

 店内を巡回して売り場の欠品を検知するロボットと商品を品出しするロボットの2種類を活用し、店舗DXを実証。売場の欠品を検知するロボットは、撮影機材を搭載し、画像解析AIを組み合わせることで欠品検知を行う。この仕組みにより、人による目視確認が不要となり、売場から離れた場所でも最新の状況を把握できるようになったという。

 商品を品出しするロボットには、店舗業務を学習し、手づかみでの繊細な作業を再現できるアームを搭載し、商品の品出しの自動化ができるか実証を行う。飲料陳列ロボットによるバックルームでのペットボトル飲料の品出しに加え、売場においてもお菓子類やインスタント食品などの自動品出しが可能になる。

 この実証は6月以降、「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」、「ローソン S KDDI高輪本社店」の2店舗を開店し、「Real×Tech Convenience」の実験店舗として運用している。

AIグラスを活用した業務効率化実証

 AIグラスを活用した業務効率化の実証を行っている。ローソン店舗にて従業員がAIグラスを着用して業務を撮影し、現場での作業内容や作業時間をAIによって詳細に分析・可視化する。

 商品調理などの業務マニュアルをAIに取り込み、AIと対話しながら手順などを確認できるようにし、作業支援を行う。

 この実証の成果は、物流業やサービス業など、他事業分野への利用拡大を見据えているという。

フィリピンにてAIを活用した店舗オペレーションの効率化と売上向上に向けた実証実験

 フィリピンにある店舗においてAIを活用した実験も行われている。

 本実験では商品の販売実績や在庫状況などのデータをAIが分析し、商品の陳列計画や発注数を推奨するシステムの導入や、店内の防犯カメラ映像からAIが売場の商品の陳列状況やレジの混雑状況を可視化する取り組みを行っている。

 実験の結果を踏まえて、各国の市場特性に合わせてシステムをカスタマイズして、各国の効率化・成長に貢献できるように目指すという。

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