アール&なるおが語る『スト6』3年目の“最新攻略” なぜいまになって「ドライブインパクト」が再注目されるのか?

アール&なるおの終演後トーク 忘れられない“勝ち試合”と“負け試合”

――本日も収録お疲れさまでした。今回のトークのなかでは“インパクト返し”の爽快感について語られていましたが、おふたりの格闘ゲーム遍歴において印象に残っている“気持ちいい必殺技”があれば教えてください。
アール:その昔、格闘ゲームの気持ちいい技をテーマにコラムを書いたことがありました。僕が考える気持ちいい技の条件は、食らった側もイライラしないことなんです。たとえば演出が短いわりに高火力の技なんかは、気持ちいいなって思います。逆に演出がやたら長い技は食らうとムカつきますね(笑)。
なるお:『ストリートファイターIV』(以下、『スト4』)のアベルの「無我」(※2)とか、すごく演出が長いから嫌でした(笑)。
アール:ただ、その理屈の外側にある技がひとつだけあって……それが豪鬼の「瞬獄殺」なんです。あれはヒットしたときのHPの減りかたが影響しているんだと思います。連撃中はダメージが控えめで、最後のほうでゴリッと減るじゃないですか。だから気持ちいいと感じるのかなと。
――言われてみれば納得です。少しテーマを広げて、格闘ゲームをプレイしていて気持ちいいシーンやシチュエーションについても教えていただけますか?
なるお:スピーディーな展開に対応できたときは気持ちいいですよね。相手が猛攻をしかけてきて、矢継ぎ早に択(選択肢)をかけてくるところを全部ガードできたときとか。
アール:やっぱり格闘ゲームって攻めるより受けるほうが難しいから、相手の攻めをさばききれたときは「いまの自分、超うまかったな」って悦に浸れるというか。相手から攻めまくられるのが嫌だという初心者の方も多いと思うんですが、さばききれた先には、攻めきるのとはまた別の爽快感が待っているんだということはぜひ知っておいてほしいです。

――“崩し”だけでなく“受け”もまた格闘ゲームの楽しみであると。ちなみに、これまでで最も気持ちよかった勝利を挙げるとしたら思い浮かぶ試合はありますか?
アール:『ストリートファイターⅤ』を使って開催された、『第2回おじリーグ』での大須晶との試合ですかね。大会前に練習がてら対戦しようとなったときに、彼から「いまガンプラ片付けてるから待ってて」と言われ、僕が「早くそのオモチャをしまえや」と返した結果……「ガンプラをオモチャ呼ばわりだあ!?」とヒートアップした大須に対戦でボコボコにされて。それこそ目も当てられないほどに。
洗面所で一生懸命パーツをブラシで磨いてたら、平日0時にアポ無しでアールが現れたあげく奴の第一声「オメーとSFVやりに来たわ、早くそのオモチャを片付けろや」 pic.twitter.com/i05YxgUIiD
— 大須晶/ohsuakira📸 (@ohsuAK) April 24, 2018
あ、ガンプラは"オモチャ"などではなく、家族と同じくらい尊い存在です。
みなさん、お間違いのないよう。— アール/Aru (@papatiwawa) January 14, 2020
だから大須晶対策をめちゃくちゃ詰めて大会に臨んだんですが、その甲斐あって本番では勝つことができたんです。あれは本当にうれしかったですね。本気で勝ちたいと思って対策して、それが実ったわけで。彼もまさか負けるとは思ってなかったはずだし。勝った瞬間に3回くらい吠えましたね。
なるお:『スト6』になって、マゴさんやかずのこさんを相手にいい勝負ができるようになったのは結構気持ちよくもありつつ、少し寂しさもありますね。
昔からあのふたりには歯が立たなかったけど、ここにきてちょっと追いついちゃったみたいな。あのふたりは常に最強の存在であってほしいんですよね。こっちの技が当たると向こうが困っているのがわかる瞬間とかもあったりして、「俺なんかに困るのやめてくれよ!」みたいな。
アール:わかる。自分にとって目標であってほしいんですよね。ずっと大きく見えてた親の身長にいつの間にか並んじゃったときのような寂しさを感じるというか。
――逆に、最も悔しかった敗戦を挙げるとしたら……?
なるお:さっきと似たような話になっちゃうんですけど、『スト4』時代に初めてマゴさんと対戦したときです。当時、横浜ではまあ負けなかったんですけど、マゴさんが初めて僕の地元に遊びに来たときに本当にボコされて、悔しいというか……もはやそれを通り越して衝撃でしたね(笑)。
アール:僕は、このあいだの『おじHUNT』で、べてぃちゃんに負けたとき、と言いたいんですけど……。そうではないんですよね。むしろ、「あのときの負けは本当に悔しかった」っていうのがないから、僕はいま競技者をやっていないんじゃないかなと思うんです。
誰かと戦うときに自分がしっかり練習できていたのであれば、たとえ負けたとしても「やりきったな」と思えてしまう。たぶんそれがもう競技者のマインドじゃないというか。どんなに精一杯やったとしても、負けたらダメなんだと。何が何でも勝たなきゃいけないという感覚を持つ人が競技者として勝っていける人なんだと思います。

なるお:僕もそうかもしれないなぁ……。どちらかというと、やるだけやって負けたらしかたないな。相手が強かったなって思っちゃうタイプなので。だからこそ、プロゲーマーの人たちはかっこいいなと思うし、リスペクトしていますね。
(※1:『Facecam 4K』『Facecam Neo』『Facecam MK.2』『Facecam Pro』『Cam Link 4K』『Prompter』『Facecam』『Cam Link』のいずれかを接続していることが『Camera Hub』の利用要件)
(※2 無我:アベルのウルトラコンボI、いわゆる超必殺技の技名。初段の突進攻撃がヒットすると演出に移行し、打撃の乱打の後で相手を空中に放り投げ、空中投げで締める)
■『格ゲーキャスト powered by Elgato』番組情報
『格ゲーキャスト powered by Elgato』は、ストリートファイター6の攻略情報・エンタメ企画を発信する「SmashlogTV - SF6」が企画・制作を行うビデオポッドキャスト番組だ。パーソナリティはeスポーツキャスター・アールと、プロeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe」所属のストリーマー・なるおが務める。
長年にわたって格闘ゲームの強豪プレイヤーとしてその名を轟かせ、現在も『ストリートファイター6』を中心に第一線でプレイを続けながら、異なる立場からシーンを見守るアール&なるお。そんなふたりが、ここでしか聞けない“ぶっちゃけトーク”満載でお届けする。
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