ワンちゃんにも付けられる紛失防止タグ? Tile新モデルをAirtagと比較してみた

実際に使用してみる

 さっそくTileを起動してみることに。Tile製品は、「Tileアプリ」のインストールと、アカウントの登録が必須となる。『AirTag』はiPhoneに近づけるだけで連携することができるのだが、Tileはそこまでシームレスに連携はできない。ただ、Androidでも利用することができるというのはTileならではのメリットだろう。

 アプリを起動し、所有しているTile製品を有効にする。アプリの登録さえ乗り越えたら、連携自体はとても簡単だった。

 次にどのカテゴリにするかを選ぶのだが、カテゴリのアイコンも豊富で可愛い。筆者は、『Mate』を愛犬、『Slim』を名刺入れ、『Sticker』をヘルメットに取り付けることにした。

 まずは『Mate』。家の鍵などが定番の使い道のようだが、筆者はこの世で一番大切な愛犬につけることに。お迎えして3カ月、ようやくワンちゃんのいる生活に慣れつつあるが、脱走対策は玄関にケージを取り付けるくらいしかまだしていない。外に出るときは必ずハーネスをつけて出ているので、取り急ぎハーネスに『Mate』が取り付けられるか試してみた。

 だが、思っていたよりハーネスの紐が太く、直接取り付けるのは断念。リングを介して再度取り付けることに。

 まずは愛犬の首の手前側につけてみることに。普通に歩くぶんには問題はないのだが、地面の匂いを嗅いだりすると擦れてしまいそうだ。また、万が一外れた際に、誤飲してしまうリスクもゼロではないので、背中側に付け直すことにした。

 気がつくと、Tileをつけたままお昼寝を始めようとした。愛犬的には違和感はあまり感じていないようだ。

 背中側に付け直してから、実際にお散歩に行ってみることに。不便なところはとくになかったが、歩くたびにジャラジャラと音が鳴るのが少しだけ気になる。ワンちゃんはたびたび体をブルブルっと震わせるのだが、そのときは昔のガラケーくらいジャラジャラという音が鳴った。

 相変わらず愛犬は気にしていないようだが、筆者が気になってしまったので、さらなる改良をすることに。

 ダイソーに行って、「キーホルダーステーション」という商品を購入してきた。本来は推し活に使うアイテムのようだが、こちらを取り付けてみる。

 実際に愛犬が歩いたところ、キーホルダーの金属部分が少ないため音もかなり抑えられ、ハーネスとの密着度も増したように感じる。今回は『Mate』のもともと穴が開いているというメリットを活かし切ることはできなかったが、それでもコスパよく取り付けることはできたのではないだろうか。

 これで、何かの拍子にハーネスとリードが外れて逃げ出してしまっても、見つけられる可能性が高くなった。もちろん逃げださないように気をつけることが大前提だが、飼い主としては気持ちの面で安心材料になると感じた。

 『Sticker』はヘルメットに貼り付けることに。ヘルメットは高価でありながら、バイクのヘルメットホルダーにつけて置いていくことも多い。以前から盗難などに対して不安に感じていたこともあったため、これはうってつけの使い道だ。

 ほかにも自転車やバイク、リモコンなどもいい使い道だろう。今回使用した3種類のなかでは一番汎用性が高いように感じた。

 『Slim』はベーシックに名刺入れに使用。普段通り名刺が入っている上から挿入したが、圧迫することなく収まり、かなり快適な使い心地だ。

 そして、実際にTileを鳴らしてみると意外と音が大きく、驚いた。ただ、紛失防止タグにおいて音は大きいに越したことはないと筆者は思っているので、この点も満足。新モデルは、以前のモデルに比べて音量も大きくなっているようだ。

 さらに、Tileのマルチファンクションボタンを2回押すと携帯を鳴らすこともできる。この逆探知機能は『AirTag』にはないものなので、「携帯携帯……」と1日に何回も部屋をウロウロする筆者のような人間には、とてもありがたい機能である。

 Bluetoothのみの接続距離は、貼り付けタイプの『Sticker』が一番短く、75m。『Mate』や『Slim』は105mとあったが、会社を出るとすぐに切れてしまった。今回の新モデルは接続範囲が拡大されたようだが、建物や障害物があるところでの接続範囲はあまり参考にはならなさそうだ。そして、Bluetoothの接続が切れると、アプリ上には最後に検知した場所と時間が表示される。

 だが紛失防止タグは、Bluetoothの接続が切れた距離でなくした際に見つかるかどうかが本番だ。

 Tileは「Tileアプリ」をインストールしているユーザーが近くを通った場合、Tileのサーバーにアクセスされ、位置情報が送られてくる。もしくは東急線・東京メトロの駅窓口に届けられると、「Tileアクセスポイント」に自動接続され、位置情報が送られてくる。

 一方『AirTag』はAppleデバイスが近くを通ると、位置情報がわかるしくみになっている。これは「Tileアプリ」をインストールしているユーザーがどのくらいいるかにもよるが、何かしらのAppleデバイスを使っている人の割合を考えると、探知度は『AirTag』の方が高いかもしれない。

 だが、今回の新モデルからTileは「Life360」と連携が取れるようになった。これによって、「Life360」ユーザーもTileのアクセスポイントに追加されるようになったのだ。

 さらに、Tileのマルチファンクションボタンを3回押すと、指定の緊急連絡先に異変を知らせることができる。災害時や非常時の際に、家族や知人と連絡を取る手段にもなるのだ。こちらも、今回紹介した新モデルから搭載された機能になる。ただし、「SOS機能」とスマホの逆探知機能はどちらか一方しか設定できないため、注意が必要だ。

 ひと通り触れてみて、Tileはやはりデザインのバリエーションが豊富であることが、最大の魅力に感じた。紛失防止タグは一度購入したらそうそう買い換えることもないアイテムだ。せっかく買うなら、取り付けるものにもっともフィットしたデザインを選ぶのもいいのではないだろうか。

なくすをなくしそうなほど小さい「世界最小級スマートタグ」、約14ヶ月の長寿命で新発売

スマートタグ「MAMORIO」の最新モデル『MAMORIO(型番:MAM-004)』が2025年5月1日より販売開始された。わず…

関連記事