小さくても妥協しない。12インチの『Surface Pro』は“こういうのでいいんだよ”の理想形

Microsoftは、まったく新たにデザインされた『Surface Pro, 12 インチ(以下、Surface Pro 12)』を2025年6月10日に発売した。シリーズ史上最薄・最軽量をうたい、ノートPCとタブレットのハイブリッド性をさらに磨き上げ、12インチのコンパクトなボディに最新のAI処理性能を搭載したモデルだ。

調整可能なキックスタンドと取り外し可能なキーボードを備えた構造はそのままに、Snapdragon X Plusプロセッサと統合された45TOPSのNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を搭載。高速処理と長時間のバッテリー持続を両立し、約0.68kgという軽さで持ち運びにも優れる。


『Surface スリム ペン』はタブレット背面にマグネットで収納・充電でき、タイピング、描画、書き込みなど多彩な用途にすばやく対応してくれる。
実際に軽く使用してみたが、書き心地も快適で、精密な傾き検知や筆圧感知により、シェーディングや線の強弱といった表現もスムーズに描けた。少なくとも、簡単なイラストやメモ程度のライトユースでは、十分すぎるほどのパフォーマンスを発揮してくれる印象だ。
体験を拡張する新設計のキーボード

今回同時に刷新された『Surface Pro 12インチ キーボード』は、薄型でありながら快適なタイピングを実現してくれる。スムースマットのパームレスト、バックライト付きのフルサイズキー、Copilotキー、カスタマイズ可能な精密タッチパッド(アダプティブタッチモード対応)など、使い心地にもこだわりが詰まっている。

カラーバリエーションはストーングレー、オーシャングリーン、バイオレットの3色を展開。
新しいSurface Proは環境負荷にも配慮された製品となっており、筐体には82.9%のリサイクル素材を使用し、バッテリーには100%リサイクルのコバルトを初採用。主要部品の交換が可能な設計とすることで、長く使えるデバイスとして電子廃棄物削減にも貢献するという。
AIが作業効率を革新する「Copilot+ PC」体験

また『Surface Pro 12』は、AI活用を前提に設計されたCopilot+ PCとして、さまざまなAIツールを搭載する。たとえば「Recall(リコール)」では、PC上の過去の操作をAIが記憶し、アプリやファイル、Webページなどを瞬時に検索・再開できる。
ほかにも、自然言語で操作できる「IWS(Improved Windows Search)」や、画面上の要素からAIがアクションを提案する「C2D(クリックして実行)」など、多様な機能が作業を支援してくれる。


Word上で、企画案をお願いすると、ほんの数秒でドラフトが生成されるといった機能も体験した。ChatGPTなどの外部AIサービスもあるが、Microsoft 365の中に統合された形で、シームレスにAI機能を呼び出せる点には、作業の流れを中断しない“円滑さ”を感じる。


ほかにも、Snapdragon X NPUの性能を活かしたAI対応アプリも急増中。たとえばMoises Liveではリアルタイムで楽器やボーカルの音を分離でき、Topaz LabsのGigapixel AIは画像を16倍に高解像度で拡大する。さらにCapCut、DJay Pro、DaVinci Resolve、LiquidTextなど、さまざまなアプリがAIによる高速処理・セキュリティ・低遅延の恩恵を受けている。
『Surface Pro 12』は、コンパクトなサイズ感でありながらも、AI時代のパフォーマンスにもしっかりと応えてくれる仕上がりとなっている。日常の仕事からクリエイティブな作業まで幅広く対応可能となっており、多くのユーザーにとって頼れる選択肢となりそうだ。
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