カオス極まる“10世紀の中国大陸”で生き残れ オープンワールドアクションRPG『Where Winds Meet』CBTプレイレポート
5月16日から19日まで、PlayStation5(PS5)ならびにPC向けに『Where Winds Meet』のクローズドベータテスト(CBT)が開催された。
本作は、中国に本拠を置くゲームデベロッパー「Everstone Studio」が開発を手掛けるオープンワールドアクションRPGだ。ここからはゲーム序盤の導入を踏まえつつ、CBTで明らかになったプレイフィール(PC版)をお届けする。
10世紀の中国を駆け巡るオープンワールドアクションRPG
『Where Winds Meet』を一言でまとめると、美麗な3Dグラフィックスで描かれる広大なフィールドに膨大なコンテンツが散りばめられた、”武侠オープンワールドアクションRPG”だ。
本作における主人公はプレイヤー自身(男性/女性)で、野山や市街地を奔走し、各種クエストの攻略やロケーションの解放、コレクションアイテムの収集などに勤しむことができる。シングルプレイから複数人によるマルチプレイにも対応し、フレンドと協力してボス討伐やメインストーリー攻略が行える。加えて、製品版では多人数が入り乱れるPvPモードも実装されるとのことだ。
とはいえ、ネットワークに接続せず1人プレイでじっくり楽しんでもまったく問題はない。個々人の好みに合わせて遊び方を選択できる点が魅力と言えるだろう。
冒険の舞台となるのは、安寧の時代が終焉を迎えた10世紀ごろの中国だ。具体的には「五代十国時代」に該当し、王朝の目まぐるしい交代劇や政権の乱立など、内部情勢が唐(618年~907年)の頃と比べて安定していなかった。そうした混沌の最中、プレイヤーは行方知らずとなった育ての親を探すべく、動乱の中国大陸を巡る旅に出発する。
イベントシーンを含め、本作のストーリーは「中国語音声+日本語字幕」で進行する(CBTの時点で日本語音声は未収録)。日本ではあまり見慣れない漢字が頻出するものの、字幕を丁寧に追えば本筋の理解はそこまで難しくないと思われる。
また、この手のオープンワールド作品で見られるキャラクタークリエイト機能も充実している。性別はもちろんのこと、体格のバランス、目、眉、鼻、フェイシャルライン等々、各種パーツを細かく調整可能。「自分ですべて設定するのは手間がかかる」といった場合は、あらかじめ収録されているプリセットを適用することで、美男美女のキャラクターを手軽に作成できる。ただし、現時点でキャラクターボイスの変更ができない点は注意しておきたい。
プレイヤーキャラを作成したら、いよいよフィールドに降り立ってメインクエストを順番にこなしていく。まずは画面左上に表示されているメイン目標に従ってフィールド内を移動すればOK。目標地点までの距離や付近のチェック要素(アイテム/ロケーション等)も合わせて教えてくれるので、「目当てのものがなかなか見つからない」という心配はそこまでなさそうだと感じた。
加えて、プレイヤーはダッシュ移動や多段ジャンプのほか、乗馬してフィールド内を自由に駆け巡ることができる。チュートリアルを兼ねた最序盤のクエストを無事に終えたら、メイン目標だけでなく、NPCの悩みを解決してプレイに役立つ報酬を受け取ったり、ファストトラベルポイントを見つける等して冒険の態勢を整えておくのが吉となるだろう。
十分な歯ごたえと豊富なバリエーションを両立させた戦闘システム
ここからは、『Where Winds Meet』の戦闘システムについて見ていこう。オープンワールドアクションRPGを標榜する本作では、主に「攻撃」「回避」「受け流し」といった要素が戦闘において大きなウエイトを占め、それらを組み合わせることで相手より優位に立つことができる。斬撃や刺突を一辺倒に繰り出すのではなく、「相手の攻撃を弾く(パリィ)」、「攻撃を避けてから隙を見出す」といったテクニックが求められるだろう。場合によっては相手の背後から一撃で仕留める必要性も生じるため、動的なフィールド内でいかにアドバンテージを握るか、臨機応変に立ち回る奥深さがある。
プレイヤーが扱える武器種は、刀剣、双剣、槍、鞭……等々、形状から攻撃モーションも含めて多種多様。そのほか「武術」と呼ばれる武器種ごとの固有スキルをはじめ、武器種に左右されないプレイヤー固有のスキル「奇術」も存在する。さらにプレイヤーキャラの育成要素として、基本性能を底上げする「心法」や、ツリー状のパネルを解放することで各種パラメータを上昇させる「天賦」があり、戦闘システムにフォーカスしただけでも本作のやりこみ度は格別に高いことが伺える。
キャラの真価を発揮するためには各項目をしっかり理解しなければならないものの、歯ごたえ抜群かつスタイリッシュに戦える本作の戦闘コンテンツは、総じて十分なクオリティと言って差し支えないだろう。ゲームの難易度も三段階で調節できるほか、パリィのタイミング補助や遠距離攻撃が迫った際のアラート機能など、アクションゲーム初心者でも楽しめるよう配慮されている点もうれしい。
最後に、メインクエストから離れたやり込み要素や課金システムについても言及したい。冒頭で「膨大なコンテンツが散りばめられている」と述べた通り、本作ではプレイヤーの探索具合に応じて強力な武術を習得できたり、さまざまなミニゲームにチャレンジすることができる。簡易的なカードゲームやタイミングに合わせてボタンを押すリズムゲームなど、こうしたミニゲームはクリア時にコスメティックアイテムが手に入るため、プレイフィールの味変といった意味合いだけでなく、挑戦する価値がしっかり用意されている。
課金システムについては、現状プレイヤーキャラの外見を変えるコスメティックアイテムに限られている。プレイフィールに影響を及ぼす武器などのアイテム類は、クエストの達成報酬やフィールド探索でのみ手に入る模様だ。ゆえにストーリー進行や高難度ボスの討伐といった部分は、無課金でも満足いくまで楽しめる。課金要素とゲームプレイがはっきり区別されている点は、個人的に評価したいポイントだ。
五代十国時代の中国を舞台に据え、仁義と友情を重んじる侠客の世界を大量のコンテンツと共に堪能できる『Where Winds Meet』。本作は、基本プレイ無料でPS5/PC向けに2025年内にリリース予定だ。興味のあるユーザーは、今後の動向を忘れずにチェックしていただきたい。