日本のボカロPが海外の音楽シーンに与える影響とは 中国最大級の音楽フェス担当者が語る“中国ボカロシーンの現在地”
気鋭のボカロPにフォーカスした狙い
――今回の『ボカコレTIMEには、TeddyLoidさん、夏山よつぎさん、なみぐるさん、南ノ南さんの4組が出演しました。この4組はどのような経緯で選出されたのでしょうか。Teddyloidさんという実績豊富な音楽プロデューサー/DJを筆頭にしつつ、気鋭の若手にフォーカスする狙いも感じられるラインナップでした。
担当者:全体としては、ドワンゴさんと長い間議論をしながら、音楽性やジャンル、雰囲気をどのように中国の方に届けるかということに重きを置いて考えました。
そうしたなかで、夏山よつぎさん、なみぐるさん、南ノ南さんについては彼らの作る楽曲に惹かれて選ばせていただいていきました。彼らの楽曲を聴くと自ずとその世界に入っていけるので、中国の音楽ファンにも紹介したいと思ったんです。
音楽イベントを主催する側としては、知名度の高いベテランにオファーをするのがスタンダードではあるのですが、ボカロシーンにおいては新しいボカロPがどんどん出てくるということも文化の特徴だと思っていますし、ボカロシーンの熱心なリスナーも喜んで受け入れてくれるだろうと思い、オファーをさせていただいた経緯があります。
――若手のボカロPを中国に迎えたことで、中国のボカロシーンの成長にもいい影響を与えてくれるだろうといった期待はありますか?
担当者:ありますね。今回の『ボカコレTIME』は、きっと中国のボカロシーンにもすごくいい影響を与えるだろうと思っています。中国で日本の音楽を聴いて、日本のボカロPのファンもいるというこの環境が、中国のボカロシーンにもいい影響を与えてくれるのではないかと期待しています。
――ドワンゴは海外シーンのアーティストの選出にも取り組んでいますが、『SMF』という、中国で非常に人気のあるフェスを主催されている側として、ドワンゴや『ボカコレ』に期待していることを教えてください。
担当者:『ボカコレ』が中国でも開催されることを楽しみにしています。そのために、我々からも中国のクリエイターが参加できるような環境づくりを進めていきたいですね。あとは、中国のボカロPをもっと海外に発信していきたいと思っているので、その点も『ボカコレ』の力を借りられればと思っています。今後も、このような取り組みに力を入れていきたいですね。
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■現地ファンの「ボカコレタイム」への反応
■「Asia Creators Cross」について
日本のクリエイターが世界で、世界のクリエイターが日本で、相互に活躍できる機会の創出を目的としたクリエイター連携プログラム。
本イベント・中国最大級の音楽フェス『Strawberry Music Festival』におけるクリエイターの出演もその一環となっています。
今後も、世界中の影響力のあるさまざまなイベントを通じて、クリエイターがより多くのファン、共に制作を行う仲間、クライアントとボーダレスに出会える場を広げ、コミュニティの構築やリソースの共有、ネットワーキングを促進していきます。
■『The VOCALOID Collection ~2025 Summer~』
2025年8月22日(金)〜8月25日(月)開催決定!