なぜダウ90000・蓮見翔は目が離せない存在なのか 『蓮見水族館』YouTubeから考える

 また蓮見翔だけでなく、ダウ90000のメンバーの個性を深く知ることができるのがこの蓮見水族館の魅力だ。とくに、男性メンバーである園田祥太、飯原僚也、上原佑太らと展開される『ポケットモンスター』や『NARUTO』など同世代だからこそ話せるカルチャートークは、まるで部室を除いているかのような親近感を覚える。

【押さえ直し推薦図書】アイシールド21

 最新動画の『【押さえ直し推薦図書】アイシールド21』では、未だに高い人気を誇るアメリカンフットボールを題材とした漫画『アイシールド21』を全巻読んでない人間には絶対に理解できないようなマニアックな話を繰り広げていく。20代〜30代の男子ならば確実に通っている作品について、世代ド真ん中だからこそ持てる高い熱量で話す。

 やっていることはとてもシンプルだが、それがなによりも強い極上コンテンツになることを蓮見水族館を見て改めて感じた。

 個人的に蓮見水族館のなかで1番好きな企画は「蓮見ぶらり執筆旅」だ。蓮見翔はダウ90000のコント、演劇の脚本すべて担当しているのだが、そんな彼の創作活動を支えているのが“旅”だ。台本は移動中に執筆することが多く、執筆するためだけに遠出することもあるという蓮見に密着するこの企画。

蓮見ぶらり執筆旅【山形編】

 撮れ高やハプニングなどはいっさい気にせず、本当に蓮見の創作ルーティンをひたすら眺めるという企画なのだが、これが非常に心地良い。まったく肩肘を張ることなく創作にいそしみ、たまにスタッフと会話をする、この緩さにまるで視聴者も一緒に旅しているような感覚になるのだ。

 そしてナレーションを担当しているのが、ダウ90000のなかでも圧倒的な天然キャラの忽那だ。ほんわかした彼女の声が自由気ままな旅の雰囲気と絶妙にマッチし、独特の中毒性を増幅させる。

 それだけではない。「ネタを考えるときは外で散歩しながら」「ネタは体験したことを書く」などの金言が飛び出すこともあり、創作活動をする人間にとってのヒントがたくさん散りばめられている。現在公開されているのは「山形編」と「沖縄編」のみだが、2024年春に北海道の道東の街・釧路に訪れたことが自身のラジオ番組『蓮見翔のAuDee CONNECT(ハスマナ)』(JFN)にて明かされていた。そちらも楽しみに待ちたい。

 5月14日から第7回演劇公演『ロマンス』も開演し、ますます忙しさに拍車がかかるダウ90000だが、蓮見翔にはこれからも忙しい合間を縫って執筆活動のために日本全国を渡り歩いてほしい。蓮見翔の生み出すダウ90000のコント、演劇に期待が止まらない。

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