佐藤勝利×ダウ90000蓮見、意外な組み合わせがYouTubeで話題を呼ぶ理由

 2024年9月6日、「佐藤勝利のすべて」というYouTubeチャンネルが開設された。本編冒頭では、レトロな喫茶店で誰かを待っている様子の佐藤が映しだされる。そこにやってきたのは、コントユニット・ダウ90000の蓮見翔だ。活躍する領域は違えど、同世代である2人。いったい何が始まるのか、そしてこのチャンネルはどう展開していくのか?

 異なるグループのメンバーによって設立された「よにのちゃんねる」や、佐藤が所属するアイドルグループ・timeleszの新メンバーオーディションの裏側を捉えたドキュメンタリー『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)など、アイドルグループの動画コンテンツは大きく変わりつつある。だが、この「佐藤勝利のすべて」は、さらにまたひと味違った雰囲気を感じる。

 今回は、始まったばかりの本チャンネルについて紐解いていきたい。

「コントライブがやりたい」

 始まりは、佐藤の「コントライブがやりたい」というひと言だ。実は大のお笑い好きである佐藤なのだが、見ているうちに自分も出役に挑戦したいと思うようになり、蓮見に相談したというのがことの経緯である。

 ちなみにこの2人は動画内でも語られているのだが、以前からプライベートでも交流があるようだ。だからこそ、動画でも普通に仲のいい友達同士が喋っているように見える。たとえば、佐藤が所属しているtimeleszが行なっている新メンバーオーディションの話題で、蓮見がtimeleszに入るといったくだりの際も「入れると思ってる?」「誰のシンメに来ようとしてるの」と、佐藤は辛辣なツッコミを入れた。さらにシンメという単語を知らない蓮見に対し驚いた様子の佐藤。

 その佐藤の反応に「自分周りの世界が全部だと思うなよ」「アイドルはすごくそれがある」と言及。普通ならオブラートに包むであろう部分をこれでもかと見せる掛け合いに、仲の良さが垣間見える。蓮見がのちにXで「ここはあとあと切られるだろうなって思いながら喋ってたとこ全部使われてる」と投稿しているように、本人が思っている以上にありのままの会話が動画になっているようだ。

 だが、リアルなやりとりを見せたかと思えば、ふとした瞬間にモキュメンタリーのような見せ方も節々にあり、動画はリアルとフィクションを行ったり来たりする絶妙な世界観で進んでいく。一般的にアイドルグループのYouTubeチャンネルでは、よりプライベートに近い姿をユルくお届けすることで人気を集めているが、このチャンネルの雰囲気はその系統とは明らかに違う。

 そして、コントをやるために脚本を書いて欲しい。一緒に出て欲しいという佐藤の願いに、等身大の姿でズバズバ突っ込んでいく蓮見の言葉も新鮮だ。芸人とアイドルの規模の違いなどにも言及し、「怖い」「話題になりそうでいやだ」「取り巻きがすごくいるんでしょ」「事務所も怖いし」と、返答する。見ているこちらもそこまで言っちゃう? と思わず苦笑するほど、“アイドルがお笑いをしたらどうなるのか”を客観的に見ている。

 お互いの見え方、立ち位置も踏まえた上で2人のコントはどうなっていくのか。そして2人の赤裸々な会話劇で幕を閉じるかと思いきや、終盤では少し驚くような演出なども出てくるので、そのあたりもぜひ期待して視聴してみてほしい。

「佐藤勝利のすべて」第2話 ユニット名を決めたい

 ちなみに第2話でも告知されているが、2024年11月11日〜13日『NEW PIRE HALL』にて、2人のコントライブは本当に開催される。演出担当は、『有吉の壁』(日本テレビ)や『愛のハイエナ』(ABEMA)で知られる橋本和明が担当。異色の組み合わせのように感じるが、橋本は自身のXで「こういう時代だから、仲良いメンバーで好きなことやりたいねと3人で作りました」とコメント。ここでしか見ることのできない組み合わせで、どんなステージを作り上げていくのか。開催当日まで目が離せない。

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