動画を見て筆者が感じたのが、宇垣には曖昧さがないということだ。どんな質問やシチュエーション、投げかけに対してもはっきりとした自分の考えを持っていて、しかもその考えに自信を持っているように感じる。その伝え方や言い方が、“コーヒーぶちまけ事件”などのエピソードを踏まえると、世間には“尖っている”と受け取られた要因になっているようだ。3本目に投稿された動画でも、お悩み相談というテーマを伝えられた際に「自分で考えなよ」「お前の人生だろ」と冒頭で発言し、賛否が起こった。

　ただ、どの発言にもそこまでに至った経緯にしっかりとした理由がある。テレビではその最終着地した部分だけが切り抜かれていたこともあって、いろんなイメージを持たれる存在になったのだと思うが、YouTubeではその背景が自身の言葉で語られており、同時に宇垣の人柄も深く知ることができる。どうしてそういった考えを持つような人物になったのか、ひとりの人間の人格形成の道筋が、回を重ねるごとに明かされていくのも宇垣のYouTubeチャンネルの魅力ではないだろうか。

　YouTubeがテレビ番組と大きく違うのは、動画を投稿する人の裁量で発信ができるということだ。そのぶん自由度は高いが、炎上のリスクも高い。YouTubeには動画にするための編集という工程があるものの、テレビほど多くの人の介入がなく、ありのままの姿を見せることができる。そういったフィールドで宇垣のような人物が発信することで、“本当の姿”というと大袈裟かもしれないが、少なくとも世間が抱いていたイメージとは違う一面を感じることができるのではないだろうか。

　YouTubeに場所を移してもなお、多くの人の目を惹くカリスマ性を持つ宇垣。これまでとはまた違った切り口で、これからも視聴者を魅了させてしまうのだろう。