『Weekly Virtual News』(2024年12月24日号)
Aqoursのライブやhideを“再構築”する試みも 相次ぐイベント&新製品で活況続くVR業界
Vision Proをかぶり、VRChatのリアルイベントを歩く
撤収! pic.twitter.com/w9xBn7RqQG
— 浅田カズラ (@asada_kadura_vb) December 22, 2024
この土日はひさしぶりに現実世界を練り歩いた。2つの『VRChat』関連リアルイベント『VketReal 2024 Winter』と『VRC大交流会』の視察が目的だ。かたや四度目の開催となる『バーチャルマーケット』のリアルイベント、もう片方は電撃的に開催が決まった新規のイベント。双方ともそれぞれの魅力があり、入場待機列や入場制限が設けられる程度には賑わっていた。
VRプラットフォームである『VRChat』のリアルイベントに人が多く訪れる心理は、事情を知らない人には不思議に思うかもしれない。しかし、実際のところ『VRChat』ユーザーにはリアルでの交流に前向きな人が意外に多い。いわゆるオフ会文化が盛んなのだ。上記2つのイベントは、いわば年末シーズンの巨大なオフ会会場として機能していた。なお、12月21日は上記の2つのイベントが同時開催されている。
🎉沢山のご来場ありがとうございました🎉
VRC大交流会は多くの方にお越しいただき
昼の部の来場者は4000人以上!
夜の部も376名のご参加で大盛況でした✨皆様のご協力で素晴らしい交流会になりました!
またお会いできる日を楽しみにしています🎉#VRC大交流会 pic.twitter.com/qYECThoCl7— VRC大交流会@12/21開催 (@vrcmtg) December 23, 2024
秋葉原で開催された『VRC大交流会』は、一般出展即売会と企業展示が集まる昼の部と、事前応募制で招かれた数百人規模の立食交流会が実施された夜の部の二部構成。秋葉原UDXの2階という好立地と、強力なネームバリューを持つクリエイター出展が影響してか、筆者が訪れた開会時点で相当な長さの待機列ができていた。視察できたのは昼の部のみだが、コンパクトで手際のよい運営を見るに、夜の部まで参加すれば実にちょうどいい交流の場として機能したことだろう。
📝#VketReal メッセージボードも隅から隅までいっぱい!!たくさんのメッセージやイラストもありがとうございます~!✨
書くところがマジでもうないかもしれないけど、
のこり1時間くらいだけど、遊びに来たしるしを残していってね!__🖊❤ pic.twitter.com/D7MBDSyyFX— 【公式】VketReal/ブイケットリアル/バーチャルマーケットリアル (@VketReal) December 22, 2024
一方、池袋開催の『VketReal 2024 Winter』は、12月22日も含めた2日間開催の大規模イベントだ。サンシャインシティの文化会館に展開する会場には、アトラクション的な企業出展と、飲食ブースつきのステージ、一般出展の即売会が集まっていた。こちらはとにかくコンテンツがパワフルだ。ある種のカオスさも許容するような会場は、体験を通してVRカルチャーへの興味が一気に引き上がるはずだ。無論、こちらも多くの人でにぎわっていた。
双方とも大盛況と言ってよい結果となったが、12月22日の『VketReal 2024 Winter』会場が前日よりも混雑していたのを見るに、来場者は分散していたように思う。しかし、筆者のように双方の会場を行脚した人も多いようなので、「一度に訪れる人が分散した」が正確なところかもしれない。東京全体で見れば、『VRChat』ユーザーがこれほどリアルに集結した日もおそらくないだろう。まだまだ発展途上な業界であることも鑑みれば、来年以降は業界総出のサーキットフェスのような仕掛けがあると面白いかもしれない。
これはこねこのるぅさんとのツーショ pic.twitter.com/cvRqipK9vX
— 浅田カズラ (@asada_kadura_vb) December 22, 2024
余談だが、筆者は両イベントを『Apple Vision Pro』を常時装備して視察した。ある種の一発ネタではあるが、現場撮影と、とっさのネットや時計へのアクセスなどが、取材行為に使えないかを検証する意図も(少々)あった。
まだ実用的とは断言できないものの、ハンズフリーで撮影ができ、撮影したものが空間ビデオとして記録されるのは、意外と便利でユニークな体験だ。常時録音や、連絡用ツールの常時起動も組み合わせれば、もっと便利でユニークな取材につながるかもしれない。なにより、『Apple Vision Pro』を使って写真を一枚撮ると伝えると、結構ウケがいい。
2025年も、『サンリオVfes』がやってくる
すっかり年末ムードな『VRChat』業界だが、筆者はすでに来年に視線を向けている。サンリオによるVRイベント『Sanrio Virtual Festival 2025』の開催が発表されたためだ。
前回と同様に、『VRChat』内に作られた「バーチャルピューロランド」を舞台に、アーティストやクリエイター、サンリオキャラクターによるパフォーマンス、パレード、ワールド、コミュニティコラボなど、多種多様な企画が展開される一大イベントだ。今回のテーマは“コラボレーション”とのことで、第1弾出演アーティストのラインナップにもその傾向が反映されている。
出演アーティストは非常に幅広く、サンリオキャラや『VRChat』発アーティストはもちろん、常連となった因幡はねるのほか、月ノ美兎、樋口楓、ムーナ・ホシノヴァ、ぽこピー、夕月ティア、ironmouse、V4Mirai、JKT48Vと、VTuber業界からの出演者がとにかく豊富だ。近しい領域の人物として、P丸様。の姿もある。
さらに驚くべきことに「ラブライブ!」シリーズから「Aqours」が参戦。そして、あのhideが遺した音楽やビジュアルを再構築したメタバース公演『Virtual Reverb: The Creative Echo of hide』まで発表されている。『VRChat』界隈でも、VTuber業界でもないところから現れたビッグネームだ。これで第1弾発表なのだから、まだまだ気が抜けない。
今回はなんと月ノ美兎さんのVRライブ制作を担当させていただきました!
委員長の魅力を届けられるように頑張っておりますので、お楽しみに!前年同様ゆゆさんと一緒にクロミのQUEST対応ライブにも参加してますのでそちらも楽しみにしてください!#サンリオVfes https://t.co/G56HH0sY5m
— Arataka (@aratakajirou) December 11, 2024
樋口楓さんのライブにて監督・演出として
関わらせていただいています!
楽しいライブになるように鋭意制作中ですので、
お楽しみに!
#サンリオVfes https://t.co/vfpd5RGgrx https://t.co/7D3ULgpst9— じゃぱぁ (@Japan320615) December 11, 2024
細かなところとして、『VRChat』方面のVRライブ演出を手掛けるクリエイターが、VTuberステージの演出を担当する点も個人的には注目したい。VRクリエイターとVTuber、二種のバーチャルによるコラボレーションはどのような舞台を作り出すだろうか。『Sanrio Virtual Festival 2025』は、2025年2月9日から3月9日の一ヶ月に渡り開催予定だ。