元『逆転裁判』のクリエイターによる、開発12年の激重SFアドベンチャー『ノナプルナイン:アシンプトート』試遊レポート&インタビュー【デジゲー博2024】
秋葉原UDXで行われたインディーゲームイベント【デジゲー博2024】で『ノナプルナイン:アシンプトート』を試遊した。
開発12年という超長期スパンで作られている本作は、横スクロール型の探索アドベンチャーゲームだ。被検体とされた少女は、32階が無限にループする研究施設を脱出しようと試みる……。その過程で、人間の真理を垣間見ることになるという。
今回の試遊ビルドでは、序盤を遊べるものと、中盤のランダムイベントをいくつか観れるものがあった。筆者は後者をプレイさせていただいた。
イベントはいくつもの種類があり、謎のザッピング映像が流れるモニターや、漫画雑誌を拾う展開、ストーリーに絡んでくるような研究施設の名前に関する考察など、多岐にわたる。
どのイベントにインタラクトしても、新しい演出があり、見ているだけでも飽きない。実写やアニメといった手法の違うアプローチもたくさんあるようだ。
シリアスかと思いきや、随所に盛り込まれたギャグが意外と目立った。それも、かなり無理やりなダジャレなどの浅いジョークばかりで、どれもこれも脱力するような内容でつい笑ってしまった。
滅菌された研究施設から必死に脱出するという重苦しいゲーム展開に対して、会話内ではくだらないジョークが連発される……というのはなかなかユニークだ。ゲームのアクセントとして機能していた。
キャラクターのビジュアルも、裸に包帯というなんともフェチズムを誘う恰好をしている。少女が見せるさまざまな表情にも注目してもらいたい。
今回、試遊の際に開発者のnonuple9氏にお話を聞く機会を得たので、その模様をお届けしよう。
ーー今までのゲーム開発経験を教えてください。
nonuple9氏(以下敬称略):長いことCAPCOMに在籍していまして、最初期から「モンスターハンター」シリーズのゲームデザインに携わっていました。最後に関わったのは『モンスターハンター3』です。あとは「逆転裁判」シリーズのシナリオにも携わっていました。
ーー独立したのはいつからですか?
nonuple9:約3年前ですね。資金難に陥ってしまったタイミングで、講談社クリエイターズラボに応募しまして、いまはお金を工面してもらっている状況です。
ーーどういう体制でゲームを作られていますか?
nonuple9:イラストは基本的に外注ですが、僕が描いている部分もあります。とはいえ、アニメーションは自分が付けなければいけないので、結局作業量は変わらないんですよね。
実はこれ、Flashアニメなんですよ。Adobe Airを使っているんですが、それではSteamでリリースできないかもと言われまして……でも、最近Unityに移植してくれるプログラマーの方が見つかりまして、いまなんとか移してもらっているところです。
ーーこのゲームのセールスポイントはなんでしょうか?
nonuple9:横スクロール型の探索ADVで、難しいアクションや謎解きはなく、ストーリーに没頭できる作品です。ジャンプスケアもないので安心してお楽しみください。
以上、『ノナプルナイン:アシンプトート』の試遊レポートとインタビューをお届けした。少女が向かう結末がとても気になる作品だ。
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