ぶいすぽっ!アニメ化、REJECTへ古参VTuber加入――活躍の場が広がるバーチャルタレントたち

活躍の場が広がるVTuberたちの最新事情

『VRChat』向けアバターの着替えを簡単にする企業の取り組み

 イラストを描く感覚でVRM形式の3Dモデルを制作できるツール『VRoid Studio』では、「着せ替え機能」のオープンベータがスタートした。『VRChat』などを想定した3Dモデルへ、同じく『VRChat』向けの3D衣装や、VRoidモデル向け衣装を比較的簡単にフィッティングさせることができる機能だ。

 現状、VR用アバター業界では「特定のアバター向けに形状調整した3D衣装」を販売するのが通例である。このため、基本的にはユーザー数の多いアバターへの調整が優先されることが多く、マイナーなアバターやワンオフアバターを愛用するユーザーは『Unity』や『Blender』などの3D制作ツールを持ち出し、自力で調整する必要がある。

 「着せ替え機能」は、この調整作業を簡易化するものである。同時に、この機能に対応したアバター・衣装のデータ規格も生み出されており、理論上はVRMと同様、この規格のデータさえ用意すれば高い汎用性を確保できることになる。そうなればユーザーにとってもありがたいところだが、既存の文化との衝突が起こり得ることも想像に難くない。今後どのように合流、または棲み分けされていくだろうか。

 「着せ替え機能」誕生の背景と推測される「『VRChat』向けアバターカスタマイズのハードル」に対し、「バーチャルマーケット」を展開するHIKKYも別のアプローチから切り込んでいる。ブラウザ上でキャラクタークリエイト感覚でアバターを作ることができる『Vket Avatar Maker』だ。

 こちらでは、『VRChat』で人気のアバターが本ツールのカスタムパーツとして展開されるようになり、本記事執筆時点で5体のアバターデータが発売中だ。ブラウザ上で手軽に色味、衣装、頭身などをカスタマイズできる手軽さが売りであり、現在はVRM形式への書き出しが可能だ。そして将来的には『VRChat』への直接連携も予定されている。

 現状はそこそこおぼえることが多い『VRChat』向けアバターの仕込みも、上記2つのサービスがしっかり完成すれば、一気にハードルが下がるだろう。一方で、自分の手で『Unity』とにらめっこしながら、理想のアバターを生み出す過程にも捨てがたい魅力がある。ライトユーザーからヘビーユーザーまで幅広く楽しめる土壌が生まれることを期待したい。

『VRChat』にハマると「Unity」に詳しくなるワケ “アバター改変”文化の楽しさと苦悩

リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTi…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「連載」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる