『Weekly Virtual News』(2024年10月28日号)
ぶいすぽっ!アニメ化、REJECTへ古参VTuber加入――活躍の場が広がるバーチャルタレントたち
ぶいすぽっ!のアニメ展開から感じる「懐かしい香り」
ぶいすぽっ!から一風変わった展開が発表された。同グループを題材とした長編アニメーションプロジェクトだ。公式サイトにて公開された運営メッセージでは、第一章は2015年末に完成予定と告知されている。
本プロジェクトはぶいすぽっ!メンバーが声を当てるバージョンと、プロの声優が当てるバージョンの2つが制作予定で、前者は応援プロジェクト「STUDIO MEMBERS」加入者限定コンテンツとして、後者は一般公開されるとのことだ。プロの声優が声を当てるとなると、いわば「実在するVTuberグループを題材としたアニメ」とも言える作品となり、新規層へのリーチも狙う展開であることがうかがえる。
バーチャルタレントのIP展開事例の一種として捉えることも可能だが、実はぶいすぽっ!は前身となる「0.2秒の物語」プロジェクト時代にプロジェクト内ゲーミングチーム・Lupinus Virtual Gamesを題材にした、ショートアニメ作品『0.2秒の物語』を公開している。同時期にはコミカライズ展開も予定されており(残念ながら中断してしまったが)、この時期を知っている人にとっては、“一周回ってきた”とも感じる展開だろうか。なお、「STUDIO MEMBERS」の申し込み期間は2025年1月31日までなので、気になる方はお早めに。
邪悪な忍者からのお知らせです。 @Ninja_Inui pic.twitter.com/s2Neo7xERg
— REJECT (@RC_REJECT) October 26, 2024
プロeスポーツチーム・REJECTには、新たなバーチャルストリーマーとして乾伸一郎が加入した。同氏は2018年のVTuber黎明期より活動する一人であり、ゲームの腕前もたしかなタレント。ちなみに、現在はTwitchを活動拠点としており、ゲームを中心に活動するストリーマー型VTuberの流れにも乗っている一人だ。
REJECTには彼以外にもバーチャルストリーマーが数名所属しており、『VRChat』での企画も話題になった天鬼ぷるるは、ワンオフの3Dモデルのお披露目に至った。いまや専門の事務所でなくともバーチャルタレントの所属は当たり前になりつつあり、3D化に至る展開も起こり得ると証明された形だ。バーチャルタレントが活動できる場所は、年々拡大し続けているといえよう。
【コンテンツのやり直しで下請法違反】
カバー㈱は、VTuber動画等に用いるイラスト等の作成を委託している下請事業者に対し、下請事業者に責任がないのに無償でやり直しをさせていました。
このため、同社に対し下請法に基づく勧告を行いました。https://t.co/6OishxwQ0X#下請法 #やり直し #VTuber pic.twitter.com/gdZF5hX6DZ— 公正取引委員会 (@jftc) October 25, 2024
一方、国内トップクラスの事務所・ホロライブプロダクション運営のカバー株式会社には、公正取引委員会より下請法の規定違反に基づく勧告がおこなわれた。主な内容は、タレント向けの2Dモデルや3Dモデル、動画向けイラストについて、納品後に「発注書等で示された仕様等からは作業が必要であることが分からないやり直し」を無償で下請事業者に行わせていた、というものだ。11月1日にはフリーランス新法が施行されるが、大手バーチャルタレント事業者にはより厳格な運営が求められていきそうだ。