ポップな展示群に見る“質”の進化 視覚的な楽しさに新時代を感じた『TGS2024』ビジネスデイの2日間

『TGS2024』ビジネスデイ取材レポート

 リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。

 第41回は、『東京ゲームショウ2024』(TGS2024)ビジネスデイ2日間の取材を終えて肩と首と脚が深刻なダメージを受けている片村がお届けします。

海外&インディーの進出、4年ぶり出展のSIE…『TGS2024』で感じたこと

 上記にも記したとおり、9月26日と27日はTGS取材で幕張メッセをウロウロしていました。さまざまなブースを巡って挨拶したり、タイトルの説明を受けたり、試遊をしてみたり……。今回は44の国・地域から985の企業・団体が出展して“史上最大規模”で開催されているというのはもちろんですが、出展している企業のカラーも年々移り変わっているように感じます。特に海外企業とインディーゲーム関係(あるいはその両方)の出展がかなり増加していることは、会場を訪れた誰もが感じたのではないでしょうか。

 世界的なグローバル化や円安など、さまざまな原因があるかとは思うのですが、それはさておき会場で目にすることのできるブースの種類は多様化しており、視覚的な楽しさにもつながっていたと感じます。サウジアラビア・Qiddiyaのブースなどはその典型例ですし、それ以外にも国ごとのゲーム文化を感じられるような出展がいくつもありました。

Qiddiyaのブース
Qiddiyaのブース

 ビッグネームの動向にも触れたいと思います。近年では「TGSに出展しない」という戦略を採るゲームメーカーも決して少なくないなか、今年はソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が5年ぶりに出展。恥ずかしながら話題の『アストロボット』を初プレイしたのですが、各所で絶賛される理由がすぐに理解できました。DualSenseを介したゲーム体験がこれまでのどの作品よりも“刺さる”ことは言うまでもなく、なにより「どう攻略するか」という部分が完璧なまでに直感的。チュートリアルもちゃんと出てきますが、一瞬見て「ああ、そうだよね」と進んでいけるストレスフリーな体験は、本当に久々かもしれません。

 SIEのブースでは、“初代プレステ”カラーの「PlayStation 30周年アニバーサリー コレクション」の展示も。全コレクションがズラリと展示されており、初代プレステ全盛期を知る人にとっては必見のエリアとなっています。正直なところ、めちゃくちゃ欲しくなります……。

 企業の種類や国などの分類から離れ、全体の傾向として感じたのは、例年にも増して色彩豊かだったなということ。そういうブースに自然と目が行っていたからかもしれませんが、いずれにせよ“見て楽しい”展示が多かったことは事実です。メインの展示はホール6〜8ですが、中央に陣取るホール7以外のホール6と8でも、ド派手というよりはポップな展示で来場者を楽しませてくれるブースが多く、量だけでなく質の部分でもTGSが“進化”しているのだと実感しました。

 9月28日と29日の一般公開日はさらなる混雑が予想されます。来場予定の方はお目当ての試遊も楽しんでほしいのですが、いかんせん試遊の列はビジネスデイでもとんでもないことになっていたので、ご無理はなさらず……。並ぶのに疲れたら、(混雑がすごいとは思いますが)ぜひ各ホールをざっと見て回ってみてください。思わぬゲーム、思わぬ展示との出会いが、『TGS2024』で一番の思い出になってくれるかもしれません。

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