“世界最大”のゲームショウ、ドイツの『gamescom』ってどんなイベント? 現地ライターがレポート

ドイツ『gamescom』を現地レポート

 世界最大規模のゲームショウと言われる『gamescom』。ドイツ・ケルンにあるケルンメッセで開催された『gamescom 2024』に行く機会があったので、会場の雰囲気や盛り上がっていたゲームなどについてレポートをお届けする。

 到着してまず感じたのは、会場の広さと人の数だ。「東京ゲームショウ」の会場である幕張メッセの5倍近い広さを誇るケルンメッセには、最新ゲームなどが展示される「エンターテインメントエリア」だけでなく、レトロゲームを楽しめる「レトロエリア」、大きな舞台でさまざまなショーが行われる「イベントエリア」、コスプレイヤーたち向けの「コスプレビレッジ」など、数多くのエリアが存在。コンテンツの量だけで言えば、これまで見てきたゲームショウでトップクラスと言っていいだろう。

 加えて、2023年には約32万人の動員を記録したように、周りを見ると、人、人、人。欧州のゲームフリークたちはこれほどいるのかと実感させられる人の多さで、平日であったにも関わらず大きな盛り上がりを見せていた。

 数々のエリアを回ったなか、やはり目を引いたのは「エンターテインメントエリア」だ。特に大きな賑わいを見せていたのがカプコンのブース。今回は『モンスターハンターワイルズ』の試遊ができるとあって、「モンハン」を愛する人々が大集結。試遊の待ち時間が一時「3時間待ち」と掲げられるほど長い列が生まれており、人気の高さをあらためて感じさせられた。

 さすがに並んでいる時間がないと諦めかけていると、ちょうどそのエリアでは「モンハン」シリーズのプロデューサーである辻本良三氏ら4人がモンスターを実際に狩りに行くイベントが開始。プロモーション映像とは異なり、実際に目の前でのプレイを見ると、迫力や戦闘における滑らかさが感じられ、観客が何度もどよめくような場面が繰り広げられていた。

 また、その横には『ストリートファイター6』のブースも展示。9月24日に実装されるテリー・ボガードの試遊ができ、筆者も待ち時間が短かったこともありプレイ。クラシック、モダンともに操作感覚の良さを感じたということだけは記しておこう。

 そうこうしているうちに背後の方で大きな盛り上がりが聞こえてくる。なんだなんだと駆け寄ると、そこで行われていたのが『ファイナルファンタジーXIV(FF14)』の協力プレイだ。今回の『FF14』ブースでは基本的に試遊ができる状況だったのだが、賑わいを見せた時間帯にはブースにプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏が登場。会場に集まった人たちと「ヴァリガルマンダ討滅戦」に挑むイベントが開催された。

 吉田氏と選ばれた7人による討滅戦は大盛況。初めて『FF14』をプレイする観客がいたこともあり、吉田氏が「彼のためにも勝とう」と会場を盛り上げ、最終的には苦戦しながらも討滅に成功。観客からは大きな拍手が沸き起こっていた。

 次に人だかりができていたのが、ネクソンの新作アクションゲーム『ファーストバーサーカー: カザン』と、「インディ・ジョーンズ」シリーズを原作とするアクションアドベンチャーゲーム『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』だ。前者はブースに3つの大きなスクリーンを並べ、ド迫力のプロモーション映像を流すなど、ビジュアル面で観客を引き寄せる工夫がされており、こちらも1時間半以上の待機時間の行列ができていた。後者は海外勢の人気が高く、試遊スペースが洞窟内部にある仕組みとなっており、観客を楽しませるアイディアが散りばめられていた。

 そして、もう一つ紹介したいのがHoYoverseのブースだ。ここでは『原神』や『ゼンレスゾーンゼロ』の試遊ができるのはもちろんなのだが、その愛らしいキャラクターの人気もあって、多くのコスプレイヤーたちが集合。さまざまなキャラクターに扮したコスプレイヤーがブースを盛り上げていた。また、ここではグッズ販売も盛況で、グッズ系ではおそらく最も列ができていたブースだと言っていい。日本でも人気の高いコンテンツだが、欧州でもその人気の広がりを感じさせられた。

 とてつもない広さで見て回るのがやっとではあったものの、日本とは異なったアプローチでゲームを紹介しているブースも多く、「世界最大規模」の名に恥じない圧倒的なゲームショウであることを感じられた。興味のある方は、ぜひ来年の会場に足を運んでみてはいかがだろうか。それほどお勧めできる、満足感を得られるゲームショウだった。

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