Perfumeのステージを彩る「身体性」と「テクノロジー」の舞台裏 25年の歩みを振り返る展覧会を訪れて

 Perfumeといえば“ハイヒールで踊るアイドル”いうイメージを持っている人も多いだろう。ここでは、実際にライブで使用した200足以上のハイヒールが展示されている。目の前で見てみるとその高さに驚き、この靴で何時間も踊り続けることがどれだけ大変なことなのか痛感させられる。どの角度から見ても揃っているダンスは、彼女たちが人間であることを忘れてしまうくらい正確だ。指先までこだわり、努力を積み重ねてきたからこそ、「無機質」と感じるまでのダンスを実現している。

 また、このエリアではPerfumeの代表曲のひとつ「ポリリズム」が流れ、これまでの25年について語る彼女たちの映像が写し出される。3人が共通して口にしていたのは、「こんなに長く活動するとは思っていなかった」「この25年間は奇跡だった」ということだ。いまやアーティストとして世界的にも磐石の人気を誇る彼女たちだが、「明日終わってもおかしくない」と、いまの活動について言及している。

 「ポリリズム」はPerfumeにとって特別な楽曲だ。ブレイクするきっかけになった楽曲であることはもちろん、ライブで披露するときにはいつも噛み締めるように披露してくれる。先進的な映像技術を使ったパフォーマンスはたびたび世間に取り上げられ注目されるが、土台にはそんな演出を可能にするまで努力を重ねてきた彼女たちの日々がある。

 本展には過去に発売したCDやライブTシャツ、手書きのチラシ、トロフィーなども展示されている。スケジュールがびっしり書き込まれたカレンダーは2011年5月のもの。彼女たちが21歳のときの記録だ。11歳で結成し、長い下積みを経て「ポリリズム」や「チョコレイト・ディスコ」でブレイクしたのが19歳。2011年は「レーザービーム」をリリースし、4年連続で『NHK紅白歌合戦』に出演。メジャーデビュー5周年を迎えたころだ。

 本展は、長年ファンを圧倒してきた映像技術を紐解くのと同時に、まさにこれまでの“軌跡と奇跡”を体感することができる場所だった。

 ライブでは最先端の技術で驚かせ、バキバキのテクノポップで会場をダンスフロアへと変える。と思いきや、MCでは広島弁丸出しの茶目っ気たっぷりな姿で笑わせてくれる。Perfumeはどこまでも先を歩きながら、これからも多くの人をそばで支えてくれるアーティストなのだろう。Perfumeを知っている人も知らない人も、ぜひこの節目のタイミングを飾る本展に足を運んでみてほしい。いろんな視点で、彼女たちの魅力がわかるはずだ。

Perfumeの25年を記念した展示に行ってきたので、1分で解説します! 展覧会の詳細は概要欄へ!

TOKYO NODEにて展覧会『Perfume Disco-Graphy』開催が決定 MVが再現されたフォトスポットも

東京・虎ノ門ヒルズに位置する施設「TOKYO NODE」は、8月9日から10月14日にかけて、体験型展覧会『Perfume Di…

関連記事