参加者男性に“選ばれたい” バチェロレッテの苦渋の決断とは? 『バチェロレッテ・ジャパン』S3・最終話

『バチェロレッテ・ジャパン』S3・5~7話

武井亜樹氏が作り上げた「ありのままの自分でいい」恋愛リアリティ

 そして、ファイナルローズを受け取ったのは坂口さんだった。武井さんが最後のデートを経て、櫛田さん、坂口さんと心から通じ合うことができたのかは分からない。それでも彼女は震える声で「坂口隆志さん」と名前を呼び、己の素直な恋心をしまい込んだ。そしてスタジオトーク「アフターファイナルローズ」では、そんな武井さんからとある告白がされた。帰国後、坂口さんとはすでに破局したという報告だ。

 経緯こそ分からないとはいえ、彼女は最後に「バチェロレッテである」ことを全うしようとしていた。スタジオトークを待たずに坂口さんと別れてしまうことで、他の参加者の旅の意義が失われるかもしれないこと、視聴者の期待を裏切ってしまうかもしれないことを謝罪した。だが彼女の顔を見れば、苦渋の決断だったことは、一目瞭然だ。

 ここでは、なぜ武井さんが運命の相手を見つけることができなかったのかについては言及しない。ただ、武井さんが旅に本気で向き合っていたことは、シーズン3を見届けた視聴者にも伝わっているのではないだろうか。

 武井さんは最後まで自分を偽らず、いい部分も悪い部分も、ありのままの姿で旅に臨んでいたように思う。それが恋愛においてどう作用するかは置いておいて、バチェロレッテという人の注目を浴びる旅に参加しながら、自身をさらけ出せた武井さんは強い女性であることは、間違いない。取り繕うことが、普通なのだ。

 しかし、本質的な恋愛・婚活においては、自身をよく見せることにどんな意味があるだろうか。化けの川はいつか剥がれる、だからこそ、ありのままの自分を受け入れてくれる人に出会えたなら、貴重なことだ。

 今回は男性参加者に関しても、ありのままに挑戦できた人が多かったように感じる。スタジオトークで坂口さんは「かけがえのない同志に出会えた」と話していたが、まさに自分らしく旅に参加し、弱点も見せてきた坂口さんだからこそ、最高の仲間に出会えたのだろう。自分の気持ちを貫き通した櫛田さんにとっても、同じく。

 非日常な旅のなかで、リアルすぎる人間関係の難しさを垣間見ることができたのは、きっと武井さんの人柄があってこそだ。これでこそ、バチェロレッテ・ジャパン。3人目のバチェロレッテを見届けて、ヒロインが変われば、婚活の雰囲気も見える側面も変わるということが分かった。恋愛リアリティの多様性を教えてくれた武井亜樹さんと男性参加者全員に、感謝したい。

◾️「バチェロレッテ・ジャパン」シーズン3

配信開始日/2024年6月27日(木) 20時より独占配信中
話数/全9話
6月27日(木)20時 第1話-第4話
7月4日(木)20時 第5話-第7話
7月11日(木)20時 第8話-第9話
製作/Amazon
コピーライト/ ©2024 Warner Bros. International Television Production Limited.
番組URL/ https://www.amazon.co.jp/dp/B0D3TTMLKX

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