男性側が「即答で好きと言えない」 バチェロレッテ独自の難しさが露呈 『バチェロレッテ・ジャパン』S3・5~7話

好きなだけではダメ。しかし…好きと言えなくても残ることもある

 旅のなかで何度も「自身の直感を信じたい」と語っていた武井さんは、エピソード6で「仲間たちとの絆」を再確認していたように見える。前半は、自身のルーツでもあるという田植えを全員で行い、中盤はヴィラで全員参加のバーベキューを楽しんだ。

 参加者たちはそれぞれグループでの交流を楽しんでいるようにも見えたが「これってデート?」「楽しいがアピールには繋がらない」といった不満も漏らした。泥だらけになって転びながら田植えしたり、周囲を気にせず美味しそうにお肉を頬張ったりと、武井さんにとっては自身の素をさらけ出せる瞬間になったようだが、焦りもある男性メンバーからすると、もっと有意義に時間を使いたいという思いもあったのかもしれない。

 今回は内科医・坂口隆志さんと元消防士・梅谷悠太郎さんがツーショットデートに呼ばれた。特に評価をされたのは坂口さんだ。ほとんどのデートが会話中心だったなかで、身体的にも距離が縮まりやすいフラワーバスデートを用意され、家族についてのエピソードを共有。武井さんが涙を見せる場面もあり、一気に評価が上がった。反面、口数が少ない梅谷さんとはデート中無言の時間が流れることも。プライベート花火という豪華すぎる環境も含め、梅谷さん自身が不安を感じてしまったのだ。

 エピソード6では、バチェロレッテという旅の難しさ、恋愛の難しさを再確認せざるを得なかった。一人ひとりと語り合ったローズセレモニーでは、梅谷さんが武井さんとすれ違ってしまった……ように見えた。

 「(花火デートは)本当の亜樹さんを知るためにラフに参加したが、友達としては発展しづらいかもと思った」という梅谷さんに武井さんも同意し、インタビューで「互いに友達だと理解し合っている」と語った。しかし、梅谷さんはインタビューで「どんどん好きにはなっていた。あのとき、友達感覚でデートに行っていなかったら」と、悔いを語ったのだ。

 “友達”というワードを使って会話してしまったことで、認識に齟齬が生まれてしまったのかもしれない。直感で選択してきた武井さんと、言葉足らずな部分を自覚していた梅谷さんだったからこそ、この溝を埋めることはできなかった。

 そして、小川さんと同じく“好き”を言葉にして表現していた飯野さんは、武井さんから「どこでそんなに私のこと好きになってくれたの?」という疑念を向けられてしまった。関係の発展において弱みを知ることを大切にしているという武井さんは、飯野さんの弱みを探り出すことができなかった。反面、飯野さんは、会話以上に「音楽という言語」を大切にしていることが伺えた。同じ言語で語り合えなかったがゆえに、飯野さんは旅を去ることになってしまったのだ。

 残ったのは物理化学者・櫛田創さんと内科医・坂口隆志さん、経営者・北森聖士さんの3人となったが、坂口さんからは「武井さんに対して即答で好きと言えない」という怪しげな発言もあり、SNSでも物議を醸した。好きなだけでは上手くいかないのが恋愛であり、すべてをさらけ出せるとは限らないのがバチェロレッテの旅なのだが、同時に「気持ちがハッキリしていなくても、バチェロレッテが選べば残れる」のが、この旅でもあるのだ。

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