【特集】世界を魅了するファイナルファンタジーXIV
「FF14は初心者に優しい」って本当? かつてプレイを躊躇った“後発ヒカセン”からのアドバイス
歴代の「ファイナルファンタジー」シリーズ作品をいろいろプレイしてきたなかで、なかなか手を付けられずにいたジャンルがあった。それが2作あるMMORPGだ。理由は簡単で、仕事の影響などで知り合いと一緒に遊べない、プレイできないことで周りに置いて行かれてしまうと、一気に楽しみが薄れてしまうと思っていたからである。
特に2013年にサービスが開始され、現在では絶大な人気を誇る「ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)」は、以前より友人に勧められる機会が何度かあった。しかし、なかなかログインする時間が取れないことがわかっていたこと、そして一人だけ遅れてしまう疎外感に苛まれそうで、そのたびに「いつかやる」と言ってプレイを先送りにしていた。結局、時間が経つと、さらに新たなパッチが更新され、「もう追いつくことができない」という思いが強まる結果に。「やりたいけど、もうやれない」と手が遠のくばかりだった。
そんな筆者が手を出すきっかけになったのは、やはり友人の勧めだった。ちょうど『暁月のフィナーレ』がリリースされた時期で、PV動画などを見ては再び興味が湧いていた。そんな自分に友人が放った言葉はすごく簡単で「とりあえずストーリーが面白いのでやってみて」とのことだった。どうしても「MMORPG」と聞くと、“誰かと一緒に進めていく”というイメージが先行していたのだが、もともと「RPG」が好きな人間にとっては“ソロでストーリーを進めるだけでも面白い”という勧められ方をしたことで、すっと肩が軽くなった気がしたのだ。
FFらしい重厚なストーリーを、自分のペースで楽しめる安心感
ゲームを始めて見るとどうだろう。ある意味、周りと比べて明らかに遅れているのを自覚していることもあり、自由気ままにプレイすることができ、まずは目の前のストーリーに没頭することができるのが良かった。それも「FF」シリーズらしい重厚なストーリーが展開されていくので、「早く続きを知りたい」とどんどんクエストをクリアしていき、そのたびに楽しみが増していく。また、進めば進むほど、マウントやミニゲームなどの追加要素も増え、コンテンツの膨大さにワクワクしてくるというわけだ。
くわえて、「サポートNPC」と一緒にメインクエストの進行に必要なインスタンスダンジョン(ID)に突入することができる「コンテンツサポーター」というシステムが非常にありがたかった。初心者はどうしても、誰かとの協力プレイに尻込みしてしまうもの。それなのにストーリー進行のためにパーティ攻略必須のダンジョンがあると、一気にモチベーションが下がってしまう可能性もある。そんなときにほかのプレイヤーとパーティを組まず、自分のペースでメインストーリーのダンジョンを攻略できるのには助けられた。知り合いと時間が合わずともソロ攻略が捗る便利なシステムは、初心者にとっても安心感があると言えるだろう。
ただ、やはりFF14は「MMORPG」である。進めていけば、やはりやりたくなってくるのはパーティでのID攻略や、8人パーティでの討滅戦攻略だ。ここでありがたかったのが、ゲームを始めたばかりの初心者の頭上に「若葉マーク」が表示されるようになっていること。最初はパーティ参加をして足を引っ張らないかと不安に思うのだが、若葉マークが表示されていることで、言葉にせずとも“初心者”をアピールできるのは気持ちが楽になるポイントだ。
初心者だとわかれば普段よりも親切に対応してくれるプレイヤー(通称・光の戦士)が多く、チャットなどで攻略法を教えてもらったことも一度や二度ではない。なによりそうしてクリアした後には攻略への貢献を褒めてくれるプレイヤーが多く、「光の戦士は優しい人ばかりだ」と驚いたことを覚えている。誇張ではなく、こうしたプレイヤーが本当にたくさんいるのが『FF14』だ。
未プレイなら「これから一気に楽しめる権利がある」ということ
パーティを組んで一緒に戦う面白さを覚えると、ゲームのやりがいはさらに増してくる。フレンドと少人数でID攻略に勤しんだり、いろいろな人と大人数でアライアンスレイド攻略を楽しんだり。フレンドに協力してもらい、少しばかり難しい討滅戦に挑むのも一つだろう。一緒に強敵を倒したときの達成感は、ほかのゲームではなかなか味わえないものがあり、一度経験するとやめられなくなる。
もちろん、責任がかかるようなパーティ攻略に疲れたときは気軽にソロプレイでストーリーを進めるのも良し、時にはゴールドソーサー(カジノエリア)などのミニゲーム要素や異なったコンテンツを楽しむのも良し。そのバランスが非常に良く、プレイスタイルによってさまざまな楽しみ方があると感じた次第だ。
7月2日にリリースされる『黄金のレガシー』を前に、『FF14』に興味を持っている人は多いだろう。ただ同時に、「いまから始めると追いつけなくて楽しめないのでは」と思っている人も少なくないはずだ。実際に筆者もそうだったわけで、気持ちはよく理解できる。現に筆者も、いまだに最新ストーリーには追いついていない。
ただ、まだ『FF14』を始めていない人には最新ストーリーまで一気に楽しめる権利があるとも言える。追いつくことを目的にするのではなく、『FF14』というゲームを楽しむことに重点を置き、重厚なストーリーを堪能し、一つずつコンテンツを攻略していけば、気づいたときには最前線に到達しているのだろう。
前述したとおり、最初期からプレイしている人にも、いまから始める人にも、それぞれの楽しみ方がある。それが『FF14』の最大の魅力なのではないだろうか。
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