謎多き「ミケラ」の物語に10体以上の新ボス、そして新たなビルド要素も 待望の『エルデンリング』DLCに期待すること

待望の『エルデンリング』DLCに期待すること

 フロムソフトウェアのアクションRPG、『ELDEN RING(エルデンリング)』のDLC、『Shadow of the Erdtree』が6月21日にリリースされる。本DLCの発売をきっかけに本作を初めてプレイする方や、久しぶりに起動したという人も多いだろう。

 世界的な大ヒットを記録した本作の、2年ごしのDLCということもあって期待度の高い本作。すでに公開されている映像だけでもさまざまな考察が飛び交うなどリリース前から盛り上がりを見せている。本稿ではそんな『Shadow of the Erdtree』の新要素と、それに期待することをいくつか紹介する。

ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE ストーリートレーラー【2024.05】

エルデンリングの魅力と、DLCに期待すること

 『Shadow of the Erdtree』の話題に入る前に、未プレイだがDLC発売を機に『エルデンリング』のプレイを考えている人に向け、本作の魅力を簡単に紹介しておこう。まず、アクション面ではフロムソフトウェアの代表的なタイトルである「ソウル」シリーズや『Bloodborne』のように、ボスはもちろん雑魚敵も攻撃が強力で、敵の攻撃を捌きながら反撃を求められる場面が多く難易度は高いが、その分ボスを倒したときや難所を突破したときには達成感を感じることができる。

スタート地点に配置されたボス「ツリーガード」。強敵は後回しにして、一旦レベル上げをすることをプレーヤーに死を以て教えてくれた
スタート地点に配置されたボス「ツリーガード」。強敵は後回しにして、一旦レベル上げをすることをプレーヤーに死を以て教えてくれた

 その一方で、エリアの攻略順などは特に決まっていないため、突破できない難所を後回しにして探索をしつつ、レベルを上げたり、装備を入手・強化してから再挑戦することが可能となっており、「レベルを上げて殴る」というゴリ押しに近い方法でもクリアすることができる。また、共に戦ってくれる霊体を召喚する「遺灰」の存在がアクションが苦手な人への救済処置のようになっていることもあり、いわゆる「死に覚えゲー」としては初心者でも比較的触りやすい作品となっている(もちろん、救済要素があっても難易度は高いため、ミスをすれば簡単に死んでしまうのだが……)。

遺灰を戦闘時に囮として活用できたことに助けられた初心者も少なくないだろう
遺灰を戦闘時に囮として活用できたことに助けられた初心者も少なくないだろう

 また、自分好みの装備やステータスのキャラクターで広大なマップを自由に探索できることも本作の魅力だ。筋力にステータスを振り続け、一撃の重い脳筋キャラでボスを蹂躙していったり、知力のステータスに振って魔術師となり、遺灰に前衛を任せて後ろから安全に魔法を放ったりといったふうに、さまざまなプレイスタイルでの攻略が可能。また、侍のような装備で一式揃えたりと、見た目の面でもロールプレイをすることが可能だ。

さまざまな装備でプレイすることができるのも本作の魅力だ
さまざまな装備でプレイすることができるのも本作の魅力だ

 また、本作は「デミゴッド」と呼ばれるボスを倒し、「エルデの王」になるという目的こそ明かされてはいるが、それ以外のことは直接的に言及されることが少なく、物語の背景やキャラクターの設定などはプレイヤーの考察に委ねられている点も特徴で、いまもなおストーリーには多くの謎が残されている。

 このように、本作はフロムソフトウェアらしい高難易度のアクションRPGでありながら、しっかりとレベルを上げれば強敵を倒すことのできる点や、自分好みの装備やステータスのキャラクターで広大なマップを自由に探索できること、すべてが明かされず考察しがいのあるストーリーや設定等、幅広い魅力を持った作品で、こうした要素がうまくまとまっているからこそ、人気を博したのだろう。

 また、本作のメガヒットの要因として、インターネット上で話題にしやすいタイトルだった点も大きいのではないだろうかと筆者は考えている。本作は難しいゲームではあるが、攻略サイトはもちろん、SNSやYouTubeでもボスの倒し方や、強力な武器が落ちている場所、経験値が稼ぎやすい場所などの情報は共有されている。また、動画配信でほかのプレイヤーのスーパープレイや、難所で死に続けて悶絶している様子を視聴するのはコンテンツとして面白い。自由度の高く難しいゲーム性と、SNSや動画共有サービスがうまくマッチしたからこそ、本作は空前のヒットを記録できたというわけだ。

「影の地」を舞台にどのような物語が描かれるかに期待

  こうした『エルデンリング』の魅力を、DLCではどうアップデートしてくれるのか、筆者が期待することをいくつか紹介しておこう。1つ目は、新たなフィールド「影の地」を舞台に、どのような物語が描かれるかだ。

 『Shadow of the Erdtree』では、本編の序盤のマップ「リムグレイブ」以上の広さを持つ「影の地」を舞台に、神人ミケラに関する物語が描かれるとのこと。ミケラは本作の物語でも重要なデミゴッドの1人でありながら、本編では繭からのぞく痩せ細った腕だけの姿で登場し、戦うことはできなかった。本作で登場するボス「ミケラの刃マレニア」の血縁であるものの、性別も不確かで、アイテムのフレーバーテキストから「愛」というワードと関連があることなど、僅かな情報しか明らかになっていない謎多き存在。それだけに、どのようなストーリーが展開され、本編で明かされなかった設定が開示されるかには期待したい。

本編で登場する「ミケラ」は謎多き存在
本編で登場する「ミケラ」は謎多き存在

 また、主人公のパートナー的な存在にも関わらず本編では余りスポットライトの当たらなかった「メリナ」の掘り下げが行われるのかや、公式Xで紹介されている金髪の人物の正体、新たに登場するNPCとのイベントなども楽しみだ。

新たなボスとの戦闘

 本作の難易度は『エルデンリング』終盤の難易度と同等かそれ以上とのことで、高難易度の戦闘や探索を楽しめそうだ。中でもボス戦は、新たに10体以上のボスが新たに登場するとのことで、既にデミゴッドの「串刺し公メスメル」や、獅子舞や巨人といった特徴的なボスなどがトレーラーには登場している。

 強力なボスとの戦闘は相手の攻撃モーションを覚え、回避やパリィなどをしながら隙をついて反撃する試行錯誤の繰り返しで、難易度が高い分撃破したときの達成感を味わえる『エルデンリング』の醍醐味の1つ。それだけに、新たに登場するボスがどのような攻撃を繰り出してくるのかは、いまから楽しみだ。

串刺し公メスメル
串刺し公メスメル
獅子舞のようなボス等も登場している
獅子舞のようなボス等も登場している

新たに登場する武器種とアクション

 『Shadow of the Erdtree』では新たに8種類の武器種が追加されるとのこと。大型の日本刀のような「大刀」や、「逆手剣」、範囲攻撃を繰り出せる「調香瓶」など、見た目だけでなく性能面でも特徴がありそうな武器種が登場する。既存の武器種にも追加があるとのことで、より自分好みの武器を使った攻略ができるようになるだろう。

 新たな装備の登場はロールプレイの幅を広げてくれるので、そういった面でも期待が高まる。筆者個人としては、『Bloodborne』に登場した『火薬庫』武器のような、特徴的なギミックと高火力な武器の追加を心待ちにしている。また、戦技や魔術、祈祷も新たなものが追加されるとのことなので、こちらにも期待したい。

新たな武器とそのアクションには期待だ
新たな武器とそのアクションには期待だ

新たな強化要素にも期待

 最後に、「影の地」限定の強化システムである「影樹の加護」や「霊灰の加護」といった強化要素にも期待したい。「影樹の加護」はキャラクターの「霊灰の加護」は遺灰と霊馬の攻撃力とカット率をそれぞれ上昇させるものとなっている。どの程度のバフがされるかは不明だが、DLCエリアの救済要素として、これらが機能するのではないだろうか。

 「影樹の加護」のレベルを上げるアイテムの多くは探索を通じて入手できるとのことなので、どうしても倒せない強敵を後回しにし、「影樹の加護」のために探索をするといったプレイもできるはずだ。

 このように『Shadow of the Erdtree』では多くの要素が追加されるが、そのどれもが冒頭で述べた『エルデンリング』の魅力をしっかりと味わえるものになりそうだ。それだけに、DLCリリース後しばらくは、本編と同じくボスの攻略やストーリーや設定の考察などの話題で盛り上がることだろう。

 なお、本DLCエリアでプレイするには「血の君主モーグ」と「星砕きのラダーン」の撃破が条件となっている。まだ撃破していないという読者は、いまのうちに倒しておくといいだろう。上述した通り、本DLCは高難易度となるため、操作法を思い出したり、レベル上げておいたりといった準備をしておくのも忘れずに。

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