&TEAM・FUMAがゲームから学んだ、“一度きりの人生”との向き合いかた 「リアルとゲームを遊ぶ僕は真逆」

&TEAM・FUMAの“ゲームと人生”

 ゲーム好きの著名人・文化人にインタビューし、ゲーム遍歴や、ゲームから受けた影響などを聞く連載“あの人のゲームヒストリー”。今回お話を伺ったのは、9人組グローバルグループ「&TEAM(エンティーム)」のFUMA(フウマ)だ。

 グループのサブリーダーにして年上組のしっかり者として信頼を集める一方、プライベートでは無類の「ポケモン」好きの顔も覗かせる。2024年1月にはテレビ番組『ポケモンとどこいく!?』への出演も果たし、“「&TEAM」のポケモン博士”としての活躍にも注目が集まっている。

 そんな彼のゲーム遍歴をたどっていくと、「ポケモン」だけに留まらないゲーム愛や、ゲームにまつわる練習生時代の驚愕のエピソードなどが明らかに。何事にも真摯に、全力で向き合うFUMAに“これからの「&TEAM」”を含めて語ってもらった。

大人になってあらためて気付く「ポケモン」の奥深さ

――まずはゲームとの出会いについて聞かせてください。最初に買ったゲームタイトルなど、覚えていらっしゃいますか?

FUMA:実は小さいころはなかなか親にゲームを買ってもらえなくて、初めて買ってもらえたのは小学3年生のころ。周囲の友達と比べると、けっこう遅いほうだったと思います。

 そのとき買ってもらったのはニンテンドーDS Lite(以下、DS。ソフトは『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』でした。ようやく僕も友だちと同じようにゲームができるようになったということで、めちゃくちゃハマりましたね。

――そこでポケモンが大好きになって、そのままいまにいたるわけですね。

FUMA:そうなんです(笑)。とはいえ、ゲームを買ってもらう前からポケモンのことは好きで、アニメ版を毎週観ていたり、「ポケモンキッズ」――ポケモンのソフビ人形なんですけど、それを親に買ってもらって集めたりしていました。

――ちなみに、『ダイヤモンド』と『パール』のどちらのバージョンを選んだのでしょうか?

FUMA:それが、実は両方とも買ってもらったんです。一気に2本もなんて、いま考えると贅沢なことしてもらったなと思うんですけど、「初めてのゲームだから」ってこともあったのかなと。

 僕も「ディアルガとパルキア、両方ともゲットするぞ!」って意気込みで始めたはずなんですけど、結果的にメインで遊んでいたのは『ダイヤモンド』のほうでしたね。

 後にリメイク版の『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』が出たときも、迷わず『ブリリアントダイヤモンド』を選んで買いました。

――『ダイヤモンド』はとくに思い入れの深いタイトルになっているんですね。

FUMA:はい。「ポケモン」は新作が出るたびに欠かさず買っていて、どれだけ忙しい時期だったとしても最低限"殿堂入り”までは遊んでいます。

 コロナ禍に突入したタイミングでNintendo Switch(以下、Switch)を購入し、発売日から少し遅れて『ポケットモンスター ソード・シールド』も買ったんですけど、大ハマりしましたね。

 僕が弟のようにかわいがっている従兄弟の子がいて、彼といっしょにずっと遊んでいたんですけど……大人になってから腰を据えてやる「ポケモン」の楽しさに気付かされたというか。

 子どものころは、序盤で捕まえたビッパとかムックルとかを地道に育て上げて、それで最後は四天王を倒すみたいなことにロマンを感じていましたけど、ここにきてついに“厳選”(※1)の沼にハマっちゃったんです。

※1……おもに対人戦を見据えて、理想的なステータスへの成長が見込めるポケモンを選別する作業の通称。

 もっとも従兄弟の子とはバトルしても全然勝てないので、最近は色違い厳選に熱中しています。最新作の『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では、色違いオンリーの“ブイズ”(※2)パーティーを組みたくていまもがんばっています!

※2……進化元のイーブイを含めた、イーブイからの進化形ポケモン群の通称。

 そうやって、子どものころにはなかなか見出だせなかったような楽しみかたにも大人になったからこそ気付くことができて、あらためて「ポケモンって本当に奥が深いゲームだな」と日々感じていますね。

ダンスレッスンの合間の“一狩り”に燃えた青春時代

――「ポケモン」シリーズのほかにも、思い入れのあるタイトルはありますか?

FUMA:「ポケモン」がゲームを好きになったきっかけだったとすれば、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』(以下、『DQM-J』)はゲームをやり込む楽しさを教えてくれた作品だったなと思います。

 当時は“どれだけ強いゾーマを育成できるか”に夢中になったりもして。もしも昔のデータが残っていたら、ぜひみなさんにも当時の僕ががんばった成果を見てもらいたいくらいなんですけど(笑)。

 『DQM-J』きっかけで、「ドラゴンクエスト」のナンバリング作品も遊びましたね。最初にやったのは『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』だったと思います。DSのすれ違い通信機能を使って、運良くメタルキングLv.99の地図をゲットできてからは、いっしょに買った友達と必死になってレベル上げに勤しんでいました。

――幼少期のFUMAさんは、携帯ゲーム機中心のゲーム遍歴を送ってこられたんですね。

FUMA:現在もSwitchがメインなので、昔もいまも携帯機中心ですね。僕は小さいころからダンスを習っていたんですが、DSならレッスンスタジオにも持っていけるじゃないですか。

 ダンスのレッスンを受けて、休憩時間には友達とDSでゲームをするみたいな。そうやって手軽に、みんなで集まって話しながら遊べるところがうれしかったですね。

――オンラインでのマルチプレイが手軽に楽しめるようになったいまだからこそ、ローカル通信プレイならではの距離感の近さが恋しくなりますよね。

FUMA:そうなんですよ! そういう意味では、PSP(PlayStation Portable)を持ち寄って友達と遊んだ『モンスターハンターポータブル 2ndG』も忘れられないですね。めちゃくちゃ苦労してヤマツカミを倒したときの達成感は、いまでも鮮明に覚えています。

 「モンハン」シリーズは昔からものすごくやり込み甲斐のあるゲーム性でしたけど、最近の作品は輪をかけてやり込み要素が豊富になっていますよね。

 僕は昔から「太刀一本でいく!」と心に決めて太刀ばかり使ってきたんですけど、最新作の『モンスターハンターライズ』ではついにヘビィボウガンや弓にも手を出してしまいました。

 周回プレイをするときの効率を考えると、どうしても遠距離武器のほうがいい場面があって。「太刀だとあんなに時間かかったナルハタタヒメが、ヘビィボウガンだと一瞬じゃん!」みたいな。大人になって気付く、じゃないですけど(苦笑)。

FUMAの“リセット癖”、「だからこそ人生では夢を諦めずに」

――ご自身のゲーム遍歴を振り返って、「ゲームから学んだ考えかた」や「ゲームから影響を受けた価値観」などはありますか?

FUMA:リアルとゲームをリンクさせて考えるというよりは、どちらかというと「リアルの僕とゲームを遊んでいる僕って真逆だな」って思うことのほうが多いかもしれません。

 僕、けっこうゲームではリセット癖があって。1回クリアしたゲームはすぐにリセットして最初からやり直したくなっちゃうんです。

 たとえば『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』だと、僕は両バージョンとも買ったんですけど……。『バイオレット』を継続で遊ぶアカウントにしておいて、『スカーレット』のほうは通算4回くらいクリアしているんですよ。

――シナリオクリアするたびにリセットしてやり直していたと。それはなかなか、凄まじい楽しみかたですね……!

FUMA:それってゲームだからできることなんですよね。当たり前ですけど、人生ってリセットできないじゃないですか。

 だからある意味、僕がアーティストになるという夢に向かって諦めずに突き進んでいくことができたのは、ゲームで自分の“リセット欲”を満たせていたからかもしれないって思うんです。

 「ゲームの中でなら好きなときにリセットして、違うやりかたで冒険をやり直せる。けれど現実ではそうはいかないんだぞ」と。反面教師じゃないですけれど、だからこそ「自分の人生は諦めないで1個のことに集中しよう!」と思えた気がしますね。

――こうしていまのFUMAさんが、アーティスト活動にもゲームにも全力投球できている理由がわかったような気がします。

FUMA:もちろん、リアルとゲームの自分がまったくの別物ってこともないんですけど(笑)。なにかと完璧主義な性格はゲームでも変わらないですね。

 ゲーム内の実績や称号などをコンプしたくなってしまうようなことは、実生活でもよくあります。シリーズもののフィギュアを1個買っちゃうと、どうしても全種類集めたくなってしまうとか……。

 ただ、ゲームではよくても現実ではそうもいかないので、「本当に気に入ったものだけを買うようにしなさい!」と、つねに自分に言い聞かせています。

――完璧主義志向やコレクター気質は、ゲーマー視点だとある種の才能とも言えるだけに実生活との兼ね合いが悩ましいところですよね。

FUMA:あと、これはもう完全に脱線話なのですが……初めて入る部屋や個室では、真っ先に“脱出口”を探してしまうのが昔からのクセです。これもゲームの影響といえばそうなのかなと(笑)。

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