“生身の姿”で活動するVTuberやVR発団体とJAXAの共同案件……広がりを見せるバーチャルシーン

広がりを見せたバーチャルの一週間

ファッションECやJAXAとの共同案件も 拡大の続くバーチャルシーン

 加熱が続くバーチャルファッション文化へ、アパレル業界から本腰を入れた動きが起こった。オリジナル3Dアバターやアバター向け衣装を展開してきたアダストリアが、バーチャルファッション特化EC『StyMore(スタイモアー)』を発表したのである。4月10日よりサービスインし、20以上の個人クリエイターと、アダストリアを含む3つの企業が出店中だ。

 『StyMore』はEC機能だけでなく、Gugenkaのアバター作成アプリ『MakeAvatar』との連携にも対応しており、一部アイテムは購入後にアプリ上で着せ替えから『VRChat』へのアップロードまで一気通貫でおこなえる。ゲームエンジンの『Unity』などを持ち出す必要なく、誰でも気軽にバーチャルファッションを楽しめるプラットフォームなのだ。従来はゲームエンジンの操作や、一定以上のPC知識を求められていたが、こうしたハードルが大きく下がることで、カルチャーのさらなる加速がすすむ予感だ。

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 他方では、JAXA宇宙科学研究所がJAXA相模原キャンパス「宇宙科学探査交流棟」にて「はやぶさ2」 のタッチダウンをテーマにした体験型コンテンツを発表した。約2.7mのドームに映像を投影し、その内側に入って「はやぶさ2」が小惑星リュウグウにタッチダウンする瞬間を体験できるというものだ。まずは映像型コンテンツとして公開され、6月にはコントローラーで「はやぶさ2」を操作できる体験型コンテンツへと拡張予定だ。

 擬似的なVR視点を体験できる本コンテンツは、JAXA宇宙科学研究所と東京藝術大学、そして天文仮想研究所(VSP)の共同プロジェクトとして開発されている。VSPは『VRChat』を中心に活動する有志の宇宙同好会で、昨年は大規模な博物館型コンテンツ「VR宇宙博物館コスモリア」を発表し、大きな話題を集めた団体だ。ソーシャルVR発のコミュニティがJAXAと共同でコンテンツを開発するという、意義深い事例だ。

 国内の『VRChat』パートナー企業として、新たに株式会社TAMも加わった。東京理科大学の異分野交流イベントや、台湾エクセレンスの公式ワールドなど、多彩な案件を手掛けてきた企業である。新年度に入っても、日本では“地に足ついたメタバース”として『VRChat』へ視線が集まっている。

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