「アイドルマスター」とVTuberの交流に、様々な去就――年度末のバーチャル業界を振り返る

接近と去就が多数 年度末のバーチャル業界

始動、継続、転換、終了――様々な去就が伝えられるVTuber業界

 年度末ということもあり、VTuber業界には去就の話題もあふれた。まず、埼玉県では春日部つくしの埼玉バーチャル観光大使の任期継続が決まった。茨城県公式VTuber・茨ひよりも来年度の活動が決定したとのことで、ローカルVTuberの根強さは今年も健在だ。

【YUMENOS】メンズVTuber × オリジナルストーリー / ティザーPV

 新興勢力として、Brave groupからは初の男性ユニット・YUMENOSが始動した。正式な始動は4月。男性VTuber4人で構成されるユニットで、マンガコンテンツとの同時展開が予定されている。

 電脳少女シロを有するアップランドの新規ユニット・ぶいぱいでも、2期生のデビューが発表された。先んじて1名が活動を開始し、3月31日に初配信を行っている。1期生も全員が3D化に至り、1stライブ『白鬼夜行』を開催するなど、その動きは順調そうだ。

【重大発表】サヨナラは言わないよ…

 あおぎり高校に一時的に所属していたエトラは、同グループへの正式所属が決定した。嫁ノ萌美の所属も決定し、いわゆる「エイレーンファミリー」から2名があおぎり高校へ転籍する形となった。エイレーンファミリーは初期VTuberムーブメント勢力の一角にいつつも、直近ではエイレーン本人が大きなトラブルに巻き込まれており、いろいろと注目を集めていた。ひとつの転換点とも言える動きだろう。

 かつて「バーチャル蠱毒」と呼ばれたプロジェクト「Avatar2.0」からは、結目ユイと水瀬しあの2名が退所し、フリーランスへと転向することが決定した。かつての九条林檎に近い転換だろう。バーチャルタレントの存在を維持したまま、所属だけを変更することが可能な流れは、着実に強まりつつある。このまま業界のスタンダードとなるだろうか。

 タレントビジュアルのアップデートが続くななしいんくからは、獅子王クリスの活動終了が発表され、かつての「Sugar Lyric」初期メンバーは龍ヶ崎リンのみとなった。タレントから運営メンバーへと転向した大浦るかこも運営から離れることが告知され、また少し寂しさが募る。

 Kizuna AI株式会社では体制変更が発表された。代表取締役が新井拓郎氏から大坂武史氏へ交代したほか、アドバイザーを務めていた春日望が任期満了で退任に至った。キズナアイの音声を提供していた春日望のアドバイザー退任にはそこそこ大きな反応が見られたが、大坂氏のコメントからは「キズナアイへの音声提供」はまだ続くようにも読み取れる。とはいえ、キズナアイの「スリープ」解除がいつになるかは、まだまだ読めない。

 様々な始動、継続、転換、そして終了が折り重なるように起き、3月が終わった。4月を迎え、バーチャルな業界も新年度が始まる。

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