卒業シーズンに見たいアニメ作品を一挙紹介 節分に大晦日……“ABEMA独自のアニメ企画”にも注目

 3月と聞いて思い浮かぶのは卒業式。アニメでも卒業式は大きなイベントとして描かれることが多く、これまでの多くの感動シーンを生み出してきた。今回は卒業シーズンに合わせて見たいアニメを4作品ピックアップして、見どころを紹介。加えて、ABEMA独自のシーズンごとに組まれる“ABEMA独自のアニメ企画”についても解説したい。

『けいおん!』

 かきふらいによる日本の4コマ漫画作品で、2009年にはTVアニメ第1期、2010年には第2期が放送され、10年代前半に大きな社会現象を巻き起こしたのが『けいおん!』だ。高校1年生の春に軽音部に入部した平沢唯が、同級生の田井中律、秋山澪、琴吹紬の3人、そして後輩の中野梓と出会い、「放課後ティータイム」として活動していくほのぼの学園ストーリー。2011年には映画化もされており、これまでに様々なメディアミックス展開がされている。本作の魅力は個性際立つ5人のキャラクターの心情が丁寧に描写されており、まるで同じ部活にいるかのような親しみを感じるところだ。私たちの日常にスッと入ってくる心地よさとでも言えるだろうか。また、主題歌を始めとした楽曲たちは豊崎愛生や日笠陽子といった声優陣が歌唱しており、耳馴染みのいいキャッチーさと本格的なバンドサウンドが高い評価を受けている。本作のクライマックスには卒業というタイムリミットが明確に設定されているため、一日一日がかけがえのないものとして描かれている点も推したいポイントだ。青春は決して永遠ではない。『けいおん!』はそんな尊いメッセージを伝えてくれる。

『君に届け』

 『別冊マーガレット』(集英社)にて連載され、現在までに累計3600万部を突破した『君に届け』のTVアニメ版は2009年に第1期、2011年に第2期が放送されている。2010年には多部未華子と三浦春馬のダブル主演で映画化され、2023年には南沙良と鈴鹿央士のダブル主演でドラマ化。2024年には約13年ぶりに『君に届け 3RD SEASON』としてNetflixで配信が予定されており、再び注目を集めている。本作はクラスメイトから「貞子」と呼ばれて恐れられていた黒沼爽子が、人気者でイケメンのクラスメイト・風早翔太と出会ったことをきっかけに少しずつ人間の優しさや恋を知っていく青春群像劇。最初はぎこちないながらも、翔太の明るさに感化されて徐々に心を開いていく爽子の成長と、爽子を取り巻く矢野あやねや真田龍といった仲間たちの友情が見どころだ。学生生活がしっかりと丁寧に描かれているので、今年卒業を迎えた方にとっては共感するシーンも多いはず。第3期の放送に向けて、いまのうちに見ておくのもいいだろう。

『スキップとローファー』

 昨年放送され話題を呼んだ『スキップとローファー』は、地方の小さな中学校から東京の高偏差値高校に首席入学したヒロインの岩倉美津未とイケメン男子の志摩聡介らクラスメイトたちとの学生生活の模様が描かれる。累計部数は230万部を突破しており、2023年5月には第47回講談社漫画賞総合部門を受賞。P.A.WORKSによる丁寧な作風とリアリティのある描写が特徴だ。コメディ的な要素がありながらも、人間関係における心の機微を丁寧に描いており、美津未が同級生とともに人間の優しさに気づいていく物語は多くの共感を集めている。美津未は誰に対しても裏表のない素直な女の子。だからこそ、彼女の周りには多くの人達が集まってくる。“誰もがありのままでいい”。そんなメッセージを通して、自分の生き方を肯定できるような気がしてくる。これから新たな進路に進もうとしている方には『スキップとローファー』は心にそっと寄り添ってくれるはずだ。

『ホリミヤ』

 人気WEB作家・HEROと作画担当・萩原ダイスケによる漫画が原作の『ホリミヤ』。シリーズ累計800万部を突破する人気作で、2021年には実写でTVドラマとTVアニメが放送された。美人で成績も良く学校ではクラスの中心的存在の堀京子だが、実は共働きの両親に代わって家事や弟の面倒を見る家庭的な一面があった。そんなある日、ケガをした弟をピアス男が助けてくれる。しかし、そのピアス男とはネクラなクラスメイトの宮村伊澄だった。これをきっかけに交わることのない2人が交流を深め、次第に惹かれ合ってく。第1期では堀と宮村の恋愛模様と卒業するまでの学生生活が描かれたが、第2期では第1期で描かれなかったエピソードを中心に構成されている。本作が描く高校生の等身大の恋愛模様は、時にドキリとさせられるシーンもあるが、青春の爽やかな一コマを切り取っているシーンもあり、きっと同世代の視聴者には刺さるのではないだろうか。

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