『Weekly Virtual News』(2024年3月19日号)
サンリオ新プロジェクト、ホロライブイベント、にじさんじ新人ーー大手が新たな動きを見せたバーチャル界隈
メタバース、新番組、玩具――様々にひろがるホロライブ
先週の土日、ホロライブプロダクションの一大イベント『hololive SUPER EXPO 2024』が開催された。幕張メッセを大々的に使った会場で、展示、物販、企画、そしてライブなどが開催された。
筆者も取材で現地を訪れたが、会場の熱気と、訪れる人たちの幅広さにはやはり驚かされる。いまや世界を相手取って走り続けるVTuberプロダクションの底力を感じた次第だ。現地の様子は後日記事化予定なので、こちらも楽しみにしていてほしい。
カバーが仕掛けようとしているメタバース『ホロアース』では、この『hololive SUPER EXPO 2024』に合わせてライブビューイング用のシアターエリアがオープンした。イベントキービジュアルでタレントが着用しているアロハシャツがアバター衣装として配布されるなど、しっかりとした連動企画が動かされた。
そして、「ホロアース管理AI」を名乗るキャラクター・ミスラが登場する、「建設中の都市」として新コンテンツを紹介する映像も公開された。告知より数年が経つが、いよいよ『ホロアース』も本格始動といったところか。
ホロライブプロダクション側でも、新たにABEMA TVにて『ホロごえっ!』という新番組の始動が発表された。ホロライブプロダクションのタレントと人気声優が、月曜から金曜まで組み合わせを変えて共演するという番組のようで、声優たちも「新たな姿」で出演するとのこと。シルエットからはVTuberを思わせる姿が見えるが、どのようなものになるだろうか。4月からの新番組としてスタートするので、VTuberファンのみならず声優ファンも要注目だ。
また、バンダイからは『ホロライブ』所属の紫咲シオンと星街すいせいをモチーフにしたおもちゃが発売されるようだ。二人のボイスや楽曲を収録した、かなりしっかり作られている製品となる様子。対象年齢こそ15歳以上だが、やがて本当に子供向けのおもちゃが出てきそうだな……という予感も芽生える。そう思ってしまうくらいには、VTuberが世間へ浸透していることをあらためて実感する次第だ。
今年最初の新人が来たにじさんじ バーチャルピューロランドへの訪問も
一方の『にじさんじ』では、今年初となる新人がデビューした。タレント養成機関「バーチャル・タレント・アカデミー」所属生を含む、男性3人組ユニット・3SKMである。
呪術師、鍵師、執事という肩書にくわえて、「バーチャル横浜を舞台に活躍」という設定を持つ面々とのことだが、にじさんじがこうした「バーチャル◯◯」という土地・空間を意識したものを打ち出すのはひさしぶりのように思う。どのようなコンセプトから出されたのか、気になるところだ。
一方、本間ひまわり、椎名唯華、魔界ノりりむの「にじさんじゲーマーズ」出身タレント3名は、ソーシャルVR『VRChat』にて開催されたイベント『SANRIO Virtual Festival 2024 in Sanrio Puroland』の会場を訪問した。
先日訪問した『ぶいすぽっ!』所属タレント同様、観客用アバター「モチポリ」の特注モデルを身にまとっての来園だ。『ぶいすぽっ!』のそれと異なるのは、各人の推しキャラと思われるパーツが「モチポリ」に採用されていたことか。ちなみにこれは有料パーツとして販売中だ。
3名が体験したコンテンツは『ぶいすぽっ!』訪問時とほとんど同じものだったが、唯一の違いとして、同イベント目玉の無料コンテンツであるバーチャルパレードを観覧したことだろう。ハローキティらが出演する「Dreamin’ a Dream」を目の当たりにした3名からは、相応の驚きと、多くの人とともにパレードを観覧するワクワク感が配信からも伝わった。
なお、3名が訪問する会場は完全公開設定で立ち上げられていた。要するに、文字通り誰でも入場できる。これを利用して筆者も現地に一瞬潜入することができた。音声は配信にのみ乗っていたので聞こえなかったが、和気あいあいとした様子はその動きだけでも伝わっていた。
余談だが、筆者の「モチポリ」が本間ひまわりの配信に思いっきりアップで映る珍事も起きた。第1回から愛用している「バッドばつ丸」仕様の「モチポリ」である。
そして、満員近くの人々が一瞬で集まるあたり、人気VTuberの集客力を改めて感じた次第だ。3名を囲んで撮影する一般ユーザーの姿は、まぎれもなく「街中で有名人を見つけた人」であった。