VTuberを“学問”へーー13名の識者による総合学術書『VTuber学』刊行決定 3/10には企画発表会も
株式会社ブイノスは、2024年7月に岩波書店よりVTuber総合学術書『VTuber学』(仮)を刊行すると発表した。本書は、日本から広がり今や世界的なカルチャーとなった「VTuber(バーチャルYouTuber)」を、今後の更なる発展を見据え、総合的な「学問」として確立することを狙う試みだ。刊行決定を記念し、3月10日には企画発表会のライブ配信もおこなわれる。
執筆には社会学・人類学・哲学・文化論・ジェンダー論・観光学・エンタメビジネスなど、各種分野の専門家13名が参加。それぞれの視点からVTuberを現象として分析し、各章の執筆を担当する。本稿では本書の概要と、発起人でもある3名の編者、ならびに各章を担当する執筆陣全員の略歴を紹介する。
『VTuber学』(仮)構成
第1部「VTuberことはじめ」
VTuberについて、その発端から歴史的展開、ビジネス的な特徴など、多様な観点から解説する。初心者も安心のVTuber論。全4章。
第2部「VTuber学①(調査・研究編)」
様々な分野の研究者がそれぞれの専門の観点からVTuberを読み解く。社会学・人類学・ジェンダー・表象文化などからの現代社会への問いかけ。全4章。
第3部「VTuber学②(理論編)」
VTuberとは一体どのような存在なのか。哲学を専門とする執筆陣による、学術的分析の成果。全5章。
発起人・編者紹介
本書の発起人でもある3名が編者として全体の構成や執筆者の選定をおこなう。
〈岡本 健〉
1983年奈良県生まれ。近畿大学総合社会学部/情報学研究所准教授。VTuber「ゾンビ先生」の中の人でもある。2012年3月に北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院観光創造専攻を修了。博士(観光学)。著書に『ゾンビ学』(人文書院)、『巡礼ビジネス』(KADOKAWA)、『アニメ聖地巡礼の観光社会学』(法律文化社)、『大学で学ぶゾンビ学』(扶桑社)などがある。
X:https://twitter.com/animemitarou
researchmap:https://researchmap.jp/t-okamoto
〈山野 弘樹〉
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程在籍。2017年、上智大学文学部史学科卒業。2019年、同大学院総合文化研究科超域文化科学専攻修士課程修了。修士(哲学)。現代フランス哲学を代表する哲学者の一人であるポール・リクールの研究に取り組むとともに「VTuberの哲学」という新たな学問分野の立ち上げに挑む。著書に『独学の思考法』(講談社、2022年)、『VTuberの哲学』(春秋社、2024年3月刊行予定)がある。
X:https://twitter.com/Ricoeur1913
researchmap:https://researchmap.jp/HirokiYamano
〈吉川 慧〉
インタビュアー/ライター/文化ジャーナリスト。東京中華学校講師、ドワンゴなどを経て、ハフポスト日本版、BuzzFeed Japan、Business Insider Japanで記者・編集者を歴任。VTuberやVTuber運営企業の経営者へのインタビューのほか、VTuber、アニメーション、漫画、落語、老舗企業など古今東西のエンターテインメントやビジネスについて取材。関心領域はカルチャー×歴史×ビジネス。現在はフリーランスとして雑誌、ウェブメディアなどに寄稿。
X:https://twitter.com/dong_po_rou