歌広場淳が考えるオフラインイベントの魅力 格ゲーの“裾野拡大”に「貢献できるのは光栄」

歌広場淳が考えるオフラインイベントの魅力

きっかけは鬼龍院翔の言葉、ゴールデンボンバーでのライブ経験をベースに

 そもそも、僕がオフラインイベントを開こうと思った最初のきっかけとなったのは、ゴールデンボンバーのボーカル・鬼龍院翔の言葉でした。僕が活動自粛から復帰させていただいて、ライブやツアーにも出るようになり、4人でテレビに出演する機会もようやく出てきたというタイミングで、「なにかやったらいいのに」ってポロッと言われたんですよね。

 ほかの誰でもない僕に対してそう言ったってことは、「そろそろファンのみなさんの前に積極的に出ていく方法を考えなよ」というメッセージだと思いました。そこから自分にできることはなにかと考えていった結果、やっぱり最初は、これまでの自分がやってきたことのなかからできることを探すべきだと思い、格闘ゲームに紐づいたイベントを開くことにしたんです。

 ちょうどそのころ、ツアー中のホテルで『スト6』を使用した『CRカップ』という大会をリアルタイムで観戦していて。この大会を機に初めて『スト6』に触れた方が、練習を経て段々と上手くなっていって本番で活躍するという、「過程」の部分にフォーカスすることの素晴らしさをあらためて感じたこともあり、こういった「過程」に重きを置いたイベントをオフラインでやりたいと思ったことが出発点となりました。

 『歌広場淳とミートたけしの「対戦よろしくお願いします!」』を企画するうえで、ベースにあったのは、やはりゴールデンボンバーでのライブの経験です。近年はクリスマスの時期に、ファンクラブの方に向けたライブをすることがあるんですけど、昨年は会場が群馬だったから、群馬名物の焼きまんじゅうを販売するキッチンカーを出してみようということになったんですね。

 そこで、「ただキッチンカーを出すだけじゃつまらないから、歌広場が売り子をやるのはどうか」って話になって。これってつまり、わざわざライブに足を運んでくださった方に対して、せっかくだからライブ以外にもなにか特別な楽しみをお届けしたいって思いが根底にあるから、みんなで考えたりするわけなんです。

 それと同じで、オフラインイベントを開催するのであれば、せっかくなら来てくれた人全員にプレイしてもらって格闘ゲームの楽しさを感じてもらいたいな……と考えていた僕らにとって、「ダイナミック」モードはまさに救世主でした。『スト6』が発売して間もないころに、僕の家に遊びに来た友だちと一度「ダイナミック」モードで対戦したことがあって、そのときからおもしろさは感じていたのもあり。

 実際にイベントで「ダイナミック」モードを使ってトーナメントを開いてみると、これが僕の想像以上に盛り上がることがわかりました。格闘ゲームのセオリーがまったくわからない未経験者でも、「そんなコンボ判断、プロでもできないよ!」ってくらいのスーパープレイが飛び出したりしますからね(笑)。

バンギャルちゃんは格闘ゲーマーの素質アリ!?

 冒頭に「第2回では勝ちたい気持ちが見える子がより増えた」というお話をしましたけど、僕に対戦を挑んでくる子たちからは、「昇龍拳を出せなかった」とか、「あの場面でインパクトを返したかった」といった言葉が出ていたことも印象的でしたね。

 「イベントに来たからには、自分の推しと対戦してみたい!」という気持ちはもちろんわかりますし、対戦となれば当然僕のほうが腕前は上なので、彼女たちも負け惜しみで言っているわけじゃなくて。シンプルに、練習してきた成果が上手く発揮できなかったという、「本当はもっと上手くできるのに」という気持ちの表れだったんだと思うんですね。

 そういった負けん気の強さみたいなところが、じつにバンギャルさんらしいなと思いました(笑)。それってまさに、ライブに向けて何曲ぶんも振り付けを覚えてきたのに、フタを開けてみたら覚えてきた曲がセットリストに入ってなくて、「やらんのかい!」みたいな気持ちになるのと似たようなことじゃないですか。そうやって努力したからこその悔しさをあらわにしている姿を見て、絶対にこの子たちは格闘ゲームも上手くなるだろうなと思いました。

 今回のイベントのためだけに、わざわざ九州から来てくれたという方もいたりして、本当にビックリしました。そんなわけで、最初はお話ししたり記念写真を撮ったりすることがメインだったのですが、後半になるにつれてファンサそっちのけで「対戦しましょう」みたいな雰囲気に変わっていったことも印象深かったですね。

 あと、イベント運営に協力してくださったスタッフの方々から、「歌ガール(ゲーム関連のイベント時に用いられるファンの呼称)さんたちはイベント進行に協力的ですごく助かります」と言ってもらえたんですよ。「トーナメントの際の対戦者の呼び出しにもすぐに応じてくれるし、勝利報告もスタッフ側から聞くまでもなく言いに来てくれるし、使ったコントローラーも元の位置に戻してくれるし」って。

 思えばゴールデンボンバーのファンの方って、音楽イベントの関係者の方々からも一目置かれているというか。褒めていただけることが多いんですね。マナーがいいし、譲り合いの精神があるし、周囲も巻き込んで盛り上げてくださるし、と。今回のイベントも、参加者のみなさんの協力のおかげで素晴らしいものになりましたし、感謝の気持ちでいっぱいです。

 第1回、第2回とも、おかげさまで参加してくださった方からはポジティブな感想が多く集まったので、今後もいい部分は残していきつつ、第3回ではなにかしら別の要素としてゲストの方を呼べたらいいなとも考えています。たとえば有名プレイヤーの方であるとか、ミートさんのお友達つながりで、『スト6』にゆかりのある方をお呼びできないかとか。

 あと、これはお節介かもしれないですけれど、参加者どうしでお互いにもっとコミュニケーションを取ってもらえるように、たとえばランダム2on2形式のチーム戦をやってみるのもおもしろそうですよね。出場希望者を募って。

 それに『スト6』には「ダイナミック」モードのほかにも、初心者どうしで楽しめる「エクストリームバトル」という対戦形式が用意されているんです。「4回ダウンを奪え」、「投げを1回決めろ」などのお題をこなすルールであったり、画面外から闘牛が突っ込んでくるギミックが発動したりと、パーティゲーム的な感覚で対戦できるので、これも使ってみたいなと。

 そうやってときには変化球も織り交ぜつつ、プロゲーマーという立場ではない僕たちだからこそできることを、積極的にやっていきたいと思っています。

 『歌広場淳とミートたけしの「対戦よろしくお願いします!」』は、会場のどこを切り取っても必ずアーケードコントローラーをガチャガチャやっている笑顔の女の子がいるという業界騒然のイベントなので(笑)、ぜひ多くの人にこの素晴らしい光景を伝えていきたいですし、さらに多くの人が集まるイベントにしていけるよう、今後も試行錯誤していきたいですね!

初心者も経験者も『スト6』で交流深める 『歌広場淳とミートたけしの「対戦よろしくお願いします!」#2』イベントレポート

ゴールデンボンバー・歌広場淳と、格闘ゲーマーとしても知られる「ミートたけし」こと、作曲家・世界的ベーシストである川村竜による『ス…

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