『Weekly Virtual News』(2024年1月29日号)
VRChatで『楽園追放』新作発表、AI生成される坂本龍馬、格ゲーVTuberなど珍しい動きが続々
『楽園追放』の新作も発表 東映アニメーションが『VRChat』でアニメフェスを開催
東映アニメーションの最新作が、『VRChat』で発表される時代になった。発表がおこなわれたのは、1月27日に開催されたVRイベント『Virtual Anime Fes』内でのことだ。新作アニメやMRゲームの発表、『正解するカド』の朗読劇、そして本イベント発の期間限定ユニット「サテライト」によるライブなど、様々な企画が実施されるイベントとなった。
筆者も一部『VRChat』の現地会場で体験したが、いわゆるアニメフェスイベントを、世界各地からどこでも、VRの没入感による“現地感”とともに体験できるのはなかなかによい。
『正解するカド』の朗読劇では、キャラクターの3Dモデルが動く舞台を観るというフォーマットを採用しており、単なる朗読劇以上の情報量を宿していた。真道幸路朗 役の三浦祥朗が、真道幸路朗のアバターで登場し、来場者と触れ合う場面もあった。
そして、SFアニメ『楽園追放』の続編『楽園追放 心のレゾナンス』もこの場で発表された。制作陣がアバターをまとって登場し、『楽園追放』の舞台裏を語りながら新作についてトークを繰り広げる光景は、電子世界が舞台のひとつとなった『楽園追放』らしい光景だったように思う。かれこれ2年ほど続く、東映アニメーションのメタバース事業『ONN’ON STUDIOS』の集大成と言えるだろう。なにより、当時『楽園追放』にかなり感銘を受けた身としては、10年ぶりの新作は素直にうれしい。
サンリオキャラとVRパフォーマーが共演 『SANRIO Virtual Festival 2024』は前哨戦が始まる
2月半ばにスタートするサンリオのメタバースイベント『SANRIO Virtual Festival 2024 in Sanrio Puroland』は、今月より“前哨戦”が始まっている。事前スペシャルイベント「『カソウ』舞踏団 with サンリオキャラクターズ」だ。シナモロールやポムポムプリンなどのサンリオキャラクターたちが出演する音楽ライブである。
この舞台でサンリオキャラクターと共演する『カソウ』舞踏団は、『VRChat』を中心に活躍するパフォーマーチーム。モーションアクター、ダンス、剣扇舞、演劇など、様々な身体表現を行う、アバターパフォーマンス領域をリードするチームのひとつだ。今回は、サンリオキャラクターの魅力を引き出すダンサー、ミュージカルキャストとしての出演となる。
全4回開催のうち、筆者は1月27日開催の第2回を観覧した。もともと『カソウ』舞踏団のステージを数多く見てきたが、多様な活動を通して培われた表現力はこの場でも健在。ライブ会場全域に及ぶエフェクト演出と合わせ、かっこいい、かわいい、ポップ、と様々な打ち出し方でステージを彩っていた。
サンリオキャラクター側も『カソウ』舞踏団メンバーの名前を直接呼ぶなど、サンリオ側のリスペクトがこれまで同様に強く感じられる。サンリオのかわいらしさと、VR世界で育った身体表現を同時に味わえる機会なので、環境が整っている方はぜひ観覧してほしい。