海外と日本で異なる“VTuber文化”に対応し、世界で成功するために Brave group代表取締役・野口圭登に聞く「これまでとこれから」

Brave group代表取締役・野口圭登インタビュー

日本発“世界に勝てる”領域でのビジネスを

――バーチャルタレント、メタバース、eスポーツなど、幅広い事業を展開しているBrave groupですが、今後新規に展開を予定している領域はありますか?

野口:基本的には、日本発で“世界に勝てる”であろう領域をまずやりたいと思っています。

 その中で可能性があるものとしてIP事業があり、VTuber事業もその一環です。なので、そういう意味ではメタバース事業も軸にあります。あとは、EC事業、アニメ・ゲーム展開といった、よりIPに近い領域も見据えています。

――そういう意味では、メタバース事業とIP事業の中間点にVTuberがいるというのは、面白い構図ですね。

野口:ですね。実際、IPはまず最初に第一の柱として膨らんでいき、次の柱にメタバース、eスポーツなどが立ち上がっている、というのが現状ですね。

――グループ内に様々な事業があり、それらにまたがった展開をしつつ、時に相性のよい事業同士がシナジーを起こす、ということもありそうですね。

野口:最近はよく『スイカゲーム』にたとえていますね。たまにくっついて、連鎖していって、メロンやスイカができるような、あんなイメージです。

この令和の時代に、トップダウンで「右向け右」と子会社を動かしたり、経営統合を仕掛ける戦略ってたぶん合ってない気がします。本当に子会社側、事業側がちゃんと立てるような経営のほうが、今の時代に合っているはずです。

 とはいえ、「日本発で、海外に進出できるか」「マーケットがこれから伸びるか」「できればtoC領域」という選定基準は、経営陣の間で明確です。なので、今後全然違う領域で伸びそうなところがあれば、新規領域として立ち上げるかもしれません。

――隣接領域ですらない可能性もあるってことでしょうか?

野口:そうですね。それこそラーメン屋とか、うどん屋とかをやってもいいかもしれないです(笑)。丸亀製麺だって、ものすごくグローバルに伸びてるじゃないですか。

 どのタイミングになるかはわかりませんが、ベンチャーキャピタルのような構想も考えています。領域を定めず、今後伸びる様々な可能性に注目していければなと思います。

――最後になりますが、あらためてBrave groupを今後どのように発展・成長させていきたいか、構想などあればお聞かせください。

野口:自分たちでも事業を作りつつ、経営統合も積極的に実施し、他社さんと組むことでより伸ばしていく。そんな二刀流カルチャーを重視しながら、海外に通用する日本発の成長市場を見据えて、より大きくしていきたいと思っています。

 最終的なゴールでいえば、海外売上比率のほうが高い会社にしたいと思っています。任天堂やソニーのように、海外売上比率が7割くらいまで目指せたらいいですね。そのために、昨年設立した海外支社でVTuber関連以外の事業を現地で立ち上げたり、新たな海外拠点も視野に入れて、拡大を図っていきたいです。

 MEキャンパスも今後、アジア展開などが十分ありえるかなと思います。オフショア開発の盛んなタイなどで、メタバースクリエイターコースを現地向けに開講するなんてこともあるかなと。そんな感じで、グローバルに展開できて、外貨を稼げるような事業を進めるべきだなと思っています。

 来年は言っていることが変わっているかもしれませんが(笑)。ひとまず現在の展望ということで!

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