“eスポーツ発”のカルチャー戦略とは? FENNELが掲げる「表現に前向きな人を増やす」使命
“カルチャー×ビジネス”のハブ役となり、挑戦できる土壌を育む
――eスポーツ、音楽、ファッション、それぞれのシーンから見たFENNELという観点でいうと、どのような存在になりたいと思いますか。
高島:難しい質問ですね(笑)。ひとまず現状の立ち位置からお話すると、いまのところはどのシーンからも共通して「やりたいことはわかるよ」というような形で受け止めてもらえていると思います。考えていることや、やりたい方向性はなんとなくわかる、おもしろい会社だなと思ってもらえているのかなと。
プロeスポーツチームという要素を持ちながら、音楽やファッションに対しても、単なるコラボレーションではなく大きな事業のひとつとして取り組んでいる点は、業界関係者の方から驚かれることが多いです。ただ、「やりたいことはわかるけど、それらをすべて実現するにはまだ力不足だよね」とのお言葉をいただくことも多く、そこについてはおっしゃる通りだと感じています。
そのうえで、あえて理想を語らせていただくとすれば、“カルチャーとビジネスをうまく結びつけてくれる会社”だと認知してもらえるようになりたいです。
ファッションのシーンというと少々定義が難しいのですが、eスポーツシーン、音楽シーン、アート、クリエイティブなどを“カルチャー”とくくったときに、どうしてもカルチャーの発展には「お金にならないから」「お金がないから」が障壁として立ちはだかるケースが多い。各シーンの関係者やステークホルダーの方々とお話するたびに、そう思わされます。
いま、僕らはダンスの領域にも注目しているんですが、プロダンサーの友人に聞くと、ダンサー業界も稼ぎ口や活躍の場がなかなか見つけづらいらしく。アートやクリエイティブには、どうしても定量的な価値が表されづらいというか、“人を笑顔にしたこと1回につき何円”という世界ではないじゃないですか。しかたなく、チケット単価や集客人数などを指標にするしかないけれど……。
――そこには初期投資の難しさや、会場を借りるうえでのハードルの高さなどもつきまといますよね。
高島:はい。アーティストも、イベンターも、デザイナーも、「お金があるならチャレンジしたいけれど、チャレンジするためのお金が稼げない」という悩みを抱えているケースが非常に多い。だからこそ、そこに僕たちのような会社が入って、ビジネス的な観点からお金の流動性をうまく作ることによって、挑戦したい人が挑戦しやすい土壌を作っていければなと。
そうした挑戦の末に活躍できるプレイヤーが増えていけば万々歳ですし、仮にその挑戦が失敗に終わったとしても、失敗体験のサイクルが早まることによって代謝が生まれて、人が育つ機会も増えていくと思います。
才能がある人、挑戦心がある人にはチャンスが与えられてしかるべきです。若いうちは生活費を稼ぐことに必死で、30~40代になってようやく安定し始めてから本当に自分がやりたかったことに着手できる、ではもったいないと思うんです。若い人間には若い人間なりの感性があるし、若いからこそできることもあります。
そういった意味で、ビジネスサイドから成り立った会社でありながら、カルチャーシーンに対しても熱い思いを持っている僕らFENNELは、“カルチャーとビジネスをうまく結びつけてくれる会社”になってくれるのではないかと期待していただけていると思いますし、僕らもそうした期待に応えていきたいです。
――eスポーツ、音楽、ファッションと、さまざまな分野への展開で注目を集めるFENNELですが、今後はどのようなことに挑戦していきたいと考えていますか。
高島:将来的には、やはりeスポーツと音楽の両面で魅せるライブイベントやフェスを開催したいですし、カルチャーの土壌となるような飲食店の出店、FENNELとしてのシーズンごとのテーマソングあるいはアンセムの制作など、アイデアはたくさんあります。
今後もeスポーツをはじめ、いろいろな角度からFENNELを知ってもらう・好きになってもらうきっかけをご用意して、ファンの皆さんに勇気や活力をお届けしていきたいと思っていますので、ぜひご注目ください!
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