アーケード音楽ゲーム史に残る“夢の饗宴” 『AMUSEMENT MUSIC FES 2023』の衝撃
アーケード音楽ゲームを展開する各社の主要アーティストが共演するライブイベント「AMUSEMENT MUSIC FES 2023」が、2023年11月25日に開催される。
これは同日に東京ビッグサイトで催されるアーケードゲームの祭典・アミューズメント エキスポ内の特別企画として公開されたものだ。
公演に参加するのはコナミアミューズメント、セガ、タイトー、バンダイナムコアミューズメントの4社。出演者は各社のインハウスミュージシャンと、各社の音楽ゲーム作品に縁の深い社外アーティスト、そしてゲーム内ユニットやメディアミックス企画のアクターたちである。
音楽ゲームメーカー各社の誇る豪華出演陣
たとえば、セガからは『GPライダー』(1990年)でデビューした同社を代表するベテランミュージシャン・光吉猛修を筆頭に、『maimai green』(2013年)に提供した「Blew Moon」以来同社の音ゲーに寄与するt+pazolite、人気の覆面アーティストowl*treeが出演。さらに「CHUNITHM」シリーズ発のガールズバンド・イロドリミドリや、「オンゲキ」ゲーム内キャラクター名義でのステージも披露される。
タイトーからは最新音楽ゲーム『MUSIC DIVER』(2022年)にゲームテーマ楽曲「MUSIC DIVE!!」も書き下ろした、同社サウンドチームZUNTATA所属のMASAKIらが参加。バンダイナムコは同社の運営するメディアミックスプロジェクト・電音部によるDJライブを携えて参戦する。
コナミアミューズメントに至っては、同社の誇る音楽制作チーム・BEMANI Sound Teamメンバーを多数動員。常務執行役員を務める西村宜隆ことDJ YOSHITAKA、初代『beatmania IIDX』(1999年)からBEMANIに貢献を続けるレジェンド・dj TAKAら10人が参加する。またかつてBEMANIの公募企画をきっかけにコンポーザーやボーカリストとして頭角を現した経歴を持つRyu☆、kors k、かなたん、NU-KO(佐伯伊織)らも名を連ねる。
そしてタイムテーブル上でひときわ目を引くのが、メーカー間コラボレーションとおぼしき時間帯の存在だ。具体的にはタイトー&セガ、そしてセガ&コナミアミューズメントの共同名義によるステージが予告されており、トリの20分間にはシンプルにして強烈な「ALL ARTISTS」なる文字列が踊る。
AMUSEMENT MUSIC FES開催の背景
アーケード音楽ゲーム各社のミュージシャンが一堂に会する夢の饗宴は、まさに前代未聞の試み。これは4社が参加する遊園施設および業務用ゲームメーカーによる業界団体・日本アミューズメント産業協会(JAIA)が主催する、アミューズメント エキスポという舞台だからこそ実現し得たものである。
アミューズメント エキスポの元となったのは、同協会が主催していたビジネス向け展示会『ジャパン アミューズメント エキスポ(JAEPO)』だ。JAEPOは1日目の来場者をメディアやビジネス関係者に限定し商談等を実施、2日目を一般公開日として新作ゲームやライブなどを披露する形態を続けてきた。
2023年2月、JAIAは近年のビジネス環境の変遷を踏まえ、ゲームセンターファンのさらなる拡大を目的として、一般消費者をターゲットとしたイベントに開催スタイルを変更することを宣言した。
2023年11月のアミューズメント エキスポは、実行委員長にコナミアミューズメントの沖田勝典社長、副委員長に西村宜隆を迎え、JAIAが満を持して送る第1回の新形式イベントとなる。AMUSEMENT MUSIC FES 2023はその目玉として位置付けられる、JAIAが直々に主催する特別ステージだ。