心沸き立つメニュー画面に現代的なUI “変化”に驚いた『ペルソナ3 リロード』試遊レポート

 2023年も大盛況のうちに閉幕した「東京ゲームショウ 2023」(以下、「TGS2023」)。セガ/アトラスブースには、2024年2月2日に発売予定となっている『ペルソナ3 リロード』(以下、『P3RE』)の試遊台が設置されていた。

 本稿では、同タイトルの試遊におけるインプレッションをお届けする。

シリーズの分岐点となったナンバリング第3作を約18年越しにフルリメイク

『ペルソナ3 リロード』PV01

 『P3RE』は、アトラスの人気RPG「ペルソナ」シリーズのナンバリング第3作、『ペルソナ3』(以下、『P3』)を現在に蘇らせるリメイクタイトルだ。キャラクターの2Dイラストや3Dモデル、背景デザイン、UIといった要素を現行機にあわせ、大幅に刷新。サイドエピソードや掛け合いのセリフ、ボイスシーン、作中アニメを追加・新規制作したうえ、4K・60fpsにも対応した意欲的なアップグレード版となっている。

 オリジナル版である『P3』が発売されたのは、2006年のこと。その後、同タイトルは『ペルソナ3 フェス』『ペルソナ3 ポータブル』『ペルソナ3ポータブル リマスター』(以下、『P3P』リマスター)と、バランスの調整・収録内容の変更などを行い、別バージョンとして何度も発売されてきた。『P3RE』がベースとするのは、原典である『P3』だ。シリーズのナンバリングにとってターニングポイントとなった第3作が、約18年の歴史を越えて現代に生まれ変わる。

タルタロスを攻略する「NEW MOON」から受け取ったインプレッションをレポート

 「TGS2023」における試遊では、『P3』にとって重要な意味を持つダンジョン「タルタロス」の最下部を自由に探索する「NEW MOON」と、主人公が特別課外活動部(S.E.E.S.)に加入して初めての満月の夜、大型シャドウ「プリーステス」と遭遇し対決するまでを切り取った「FULL MOON」の、2つのモードから好きな方を選択できた。今回は15分間に時間が限られていたため、前者の「NEW MOON」をプレイした。

 プレイは、「タルタロス」の入り口からスタート。過去のバージョンを遊んだことがある人はご存知だろうが、『P3』では、パーティメンバーをここで選び、同ダンジョンの攻略へと向かう。画面には、主要キャラクターである「岳羽ゆかり」「伊織順平」「桐条美鶴」の3人が映っているが、今回は最下部の探索ということもあり、シナリオ上の同時点で選択が可能なゆかり、順平の2人から、メンバーを決めることになった。おそらく、「主人公のみ」や「どちらか1人だけ」で探索に出かけることも可能だったかと思うが、今回はセオリーどおり、2人ともを連れて行くことにした。

 メニューを開くと、早速『P3RE』の変化ポイントに驚く。ステータス画面で見られる各キャラクターの2Dイラストは、2023年1月発売の『P3P』リマスターと比較しても、格段に美しいものとなっていた。刷新内容が発表されたときには、さして大きな変更点とは感じなかったが、実際に目の当たりにすると、これだけでも大きく心が沸き立ってくる。

 バトル画面でも同様の驚きを受けた。右側に並ぶパーティメンバーの顔アイコンこそ、過去のバージョンから踏襲したデザインとなっているが、キャラクター本体まわりのUIは、『ペルソナ5』(以下、『P5』)を意識したつくりに変更されている。『P3P』リマスターでは、このあたりに若干の古臭さ(その点も含めて、復刻版としての良さなのかもしれないが)を感じたが、『P3RE』では、意識して現代的なものに作り変えられている様子が確認できた。オリジナルの発売から約18年がたったシリーズの進化と言える部分なのかもしれない。こうした点は、次作にも受け継がれていく要素なのだろう。そのような視点でプレイすると、『P3RE』は『P5』のさらに先、まだ見ぬ『ペルソナ6』への指標ともなるリメイク作品とも考えられる。

 スキルを使うと、キャラクターの背後にペルソナが現れる演出は健在。もちろん弱点を突くことで、敵がダウン状態となり、もう一度行動できる「ワンモアプレスバトル」も引き続き採用されている。

 『P3』で好評だったダウン攻撃時の演出は、グラフィック面がリファインされたことでより魅力的となった。すべての敵がダウンすると、過去のバージョン同様に「総攻撃」を実行できる。

 なお、「タルタロス」内の移動には、新たにダッシュアクションが追加されている。同ダンジョンは自動生成のマップを特徴としているが、実際は各階が似たような構造になることも多く、過去のバージョンではプレイを進めれば進めるほど、探索がマンネリ化する面があった。素早い移動が可能となったことで、こうした短所は解消に向かうかもしれない。

 一方で、シンボルエンカウント方式をとっており、かつ敵に気づかれる前に背後を取ることで先制できる『P3』のシステムでは、不注意に走り回ることがリスクにもなってくる。『P3RE』では、快適な探索を優先するか、安全なバトルを優先するかで、プレイヤーの行動操作が変わってくるのかもしれない。特に高難易度では、先制することが非常に大きな意味を持つ。新たな駆け引きが生まれるという意味においても、ダッシュアクションの追加は、『P3RE』にこれまでにない面白さをもたらしそうだ。

 5Fエリアに到着すると、ボス「アイスレイヴン」との戦闘になる。詳しい内容は割愛するが、『P3』の戦闘システムに慣れていれば、特にレベル上げなどは行わなくても、容易に倒すことができた。

 「アイスレイヴン」を倒したところで、今回の試遊は終了。短い時間ながら、気づく点の多い有意義な体験だった。

 『P3RE』は、2024年2月2日発売。対応プラットフォームは、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X|S、Xbox Game Pass、PC(Steam)となっている。今回の「TGS2023」での試遊を体験できなかったファンは、約4か月後の発売をぜひ心待ちにしてほしい。きっと満足できる体験が詰まっているはずだ。

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