にじさんじ・弦月藤士郎が体現する“多様な在り方” 活動の節々から読み取れる「自分らしさを大切に」というメッセージ
大人しげな印象とは違った配信 音楽センスとノリの良さで生み出す名シーンや名企画
弦月藤士郎の配信を見てみるとすこし高めなトーンの声や話し方から大人しげな印象を持たれがちかもしれない。実際の弦月はといえば、座右の銘に「ネタに本気で」とあるようにたびたび見せる茶目っ気やひょうきんな姿でリスナーを沸かせることもしばしばある人物だ。
配信ごとの言動や配信していない時間帯での行動を逐一ピックアップするとキリがないため割愛するが、興が乗りだしてからの悪ノリはキレキレで、とくに同期の長尾・甲斐田らとともに配信をする際は茶目っ気のある姿を見せることが多い。丁寧に話しながら、ときに思いもよらぬ単語を発していく…人は見かけによらないということだ。
また、弦月は音楽にまつわる高いスキルを備えており、にじさんじ内の作詞・作曲・ミキシングといったいわゆるクリエイティブな才覚で存在感を放ってきた。
デビューと同時に発表した「VΔLZ」のオリジナル楽曲「浮世の演舞」で作詞・作曲・ミキシングを担当したことを皮切りに、鷹宮リオン、葉加瀬冬雪、フレン・E・ルスタリオらによるユニット・▽▲TRiNITY▲▽のオリジナル楽曲「L♡ファンファーレ」や、のちにこじらせハラスメントとして活動する緑仙、相羽ういはらのオリジナル楽曲では作曲やサウンドプロデュースを務めてきた。
それだけでなく、自身を含むにじさんじライバーの歌ってみた動画で使用する空オケ(カラオケ)音源や、雑談配信で使用するオリジナルBGM制作など、にじさんじライバーの音楽活動でさまざまに貢献をしてきたのだ。
作詞・作曲・ミキシングにくわえて、ピアノ(キーボード)、ドラム、ギター、ヴァイオリン、トランペット、チェロとこれまでに多くの楽器を演奏したことのある楽器はかなり多い。多彩な楽器経験と茶目っ気ある一面が混ざりあった、“弦月らしさ”を存分に感じられる名配信といえばリコーダー演奏配信が挙げられる。
デビュー直後の2020年5月末、「リコーダー大好き人間なんだけどリコーダー吹く枠とったら来てくれる・・・?」とSNSで発言し、実際に配信でリコーダーの演奏を披露したのだ。
そこで見せた演奏力は、リアルタイムで視聴したリスナーだけでなく、その後に制作された切り抜き動画を通してより多くのリスナーらを驚かせることになった。現在でも「弦月の面白配信といえば?」という話題になれば筆頭に上がってくるであろう配信である。