やっぱり片手が使いやすい。小型さとハイエンドを両立させた、日常の相棒に最適なASUS『Zenfone 10』完全レビュー
やっぱり馴染む、この手のひらサイズ
『Zenfone 10』の使い心地だが「ちょうどいい」の一言に尽きる。本体の寸法は前モデルと全く同じため、掴んだ感触やポケットへの収まりなども軽やか。胸ポケットにもスっと収まるし、手のひらで持て余す感じがない。ホールド感の良さは、前モデルからしっかりと受け継いでいる。
フラッグシップらしからぬシンプルな箱に梱包されているが、ASUSは全モデルを通してカーボンフットプリントの削減に努めている。フラッグシップモデルだからといって、華美な装飾はしないというこの精神、まさに禅に通じるものがある。
CPUには2023年8月時点で最新のSnapdragon 8 Gen2を搭載。このCPUはASUSのハイエンドゲーミングスマホ『ROG Phone 7』にも搭載されており、パワフルさに定評がある。
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デバイスのCPUやGPU性能をチェックするソフト『Geekbench 6』で、そのパワフルさを確かめてみよう。画像左のCPU性能では、シングルコアで2,017、マルチコアで5,448と出ている。筆者が調べた限りでは、『Samsung Galaxy S23 Ultra』や『Google Pixel 7 Pro』よりも高いスコアになっている。
また、前モデルにはなかったワイヤレス充電に対応したのも大きなポイントだ。バッテリー容量は前モデル同様の4,300mAhだが、CPUなどの変更に伴い、12.9%の性能向上を謳っている。旅行やキャンプなどのお供としてさらに頼れる存在となった。
親指で画面の端から端まで操作できる快適性は維持しつつ、CPUやワイヤレス充電などを堅実にアップデートしてきた印象だ。言い換えると派手なアップデートではないが、前モデルに感じていたホールド感の良さを変に味付けしていないだけでも嬉しい。ただ、ザラつきがある背面素材は持ちやすい一方で、汚れが付きやすい。筆者はカバンに入れて数日使ってみたが、黒い汚れが何度が付着した。擦れば取れるレベルだが、利便性も兼ねてケースを着けておくのが吉だろう。
圧倒的な手ぶれ補正機能がさらに進化
前モデルの『Zenfone 9』は、レンズにジンバルモジュールを搭載することで動画ブレを抑えるという、画期的な機能が搭載されていた。その手ブレ機能が『6軸スタビライザー2.0』としてアップデート。さらなるブレ補正を実現するにいたった。
実際に動画を撮影したので、それぞれの変化をチェックしてみてほしい(動画はすべてフルHD・60fpsで撮影)。まずは手ぶれ補正機能をオフにした状態で歩きながら撮影したものがこちら。
歩行に合わせて映像が跳ねているのがわかる。次は新機能『アダプティブ EIS』をオンにした状態で撮影した。この機能は手ブレ状態をリアルタイムに検知し、最適な画角で自動調整してくれるものだ。
映像がわずかにクロップされているが、上下のブレは滑らかに抑えられている。最後はもっとも強力な手ブレ補正機能『HyperSteady』をオンにして撮影した。
画角がさらにクロップされたが、映像の中心がほとんどブレていない。実際に動画を撮影する場合、日常生活での撮影は『アダプティブ EIS』で充分だろう。撮影者が走ったり、スマホを大きく動かす必要があるときは『HyperSteady』が活躍するはず。
この『HyperSteady』がどれだけのブレを抑えてくれるかが気になったので、今度はスマホを構えて走りながら撮影してみた。ブレ補正をしない状態がこちら。
臨場感はあるが、なんともブレまくっている。次は『HyperSteady』をオンにして撮影してみた。
驚くほど画角のブレが抑えられている! 足を踏み込んだ瞬間に映像が乱れてしまっているが、もう少し丁寧に走ればブレも抑えられるだろう。アクションカム的な使い方も楽しめそうだ。