ガイドライン違反のYouTube投稿者に有罪判決 狭まる“グレーゾーン”と、問われるユーザーの規範意識

 9月7日、ゲーム関連会社などの著作権を侵害したとして逮捕・起訴されていたウェブクリエイターに、懲役2年・執行猶予5年の有罪判決が下された。

 これまで合法・違法を分けるラインが曖昧とされてきた「ゲーム動画の配信」について、本稿では事件の概要を踏まえ、ゲームカルチャーにおける著作権をめぐる動きのこれまでとこれからを考えていく。

著作権法違反で刑事罰が下される初の判例に

 今回、有罪判決が言い渡されたのは、ウェブクリエイターの吉田忍被告(53)。同氏は2019年9月から2022年5月にかけ、アドベンチャーゲーム『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』のエンディングのネタバレを含むプレイ動画や、アニメ『STEINS;GATE』『SPY×FAMILY』を編集したファスト動画を許可なくウェブ上にアップロードし、著作権を侵害したとして逮捕されていた。

 仙台地方裁判所でおこなわれた公判において検察側は、「コンテンツ制作の労力を踏みにじる悪質な行為」と主張。それに対し、弁護側は「(被告の行為だけが)特に悪質とはいえない」などと反論していた。求刑は懲役2年・罰金100万円という内容だったが、そこから減免され、罰金なし、かつ5年の執行猶予つきの判決が下った形だ。

 ゲーム動画の配信をめぐり、著作権法違反罪で有罪判決が出たのは初めてのこと。報道によると、被告は動機について、「趣味の一環として、自分の作ったものを誰かに見てほしかった」などと説明したという。

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